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【ゲームウォッチングレビュー】 写真:事務局 |
◆ 苦しみながらつかんだ、必昇への大きな船出!
〜 トップイーストリーグ開幕戦 vsセコムラガッツ戦 〜 |
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関東圏を蹂躙(じゅうりん)した前夜の大雨もすっかりあがり、むせかえるような陽気となった三ッ沢球技場。いよいよSWシーズン開幕の日がやってきました。
待ちに待った開幕戦への用意は周到。チタカ・インターナショナル・フーズさんからは、なめらかプリン3種類300個と応援スティックが、ふっくら応援団からは募金つきの応援うちわ300柄(本)が、岩手県警、交通安全協会からは選手の息遣いが聞こえてきそうなポスター3種類200枚が用意されて、朝早くから集まったサポーター、応援団を迎えます。
久しぶりに顔を合わすサポーター同士、関東での試合に駆けつけた岩手、釜石のサポーターと首都圏のサポーターが合流して、そこかしこで話の輪が広がっていました。
初戦の相手セコムラガッツは、昨年イースト5位。積年のライバルながら、今年は会社の合理化によりラグビー部への支援が大幅に縮小。それでもラグビーを続けたい仲間が集まり、一致団結して今シーズンに挑むことになりました。戦力ダウンは否めずとも、ラグビーへの熱い想い、ラガーマンの意地をかけた気迫のこもったプレイは決して侮れません。
スタジアム全体も、セコム応援団とSW応援団ががっぷり四つに組んだ様相、SW必昇の船出となる、注目の開幕戦をリポートします。
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13:00、うなるような気合を見せるセコムのキックオフに、外国人選手を2名配し、自力に優る感のSWは落ち着いたリターン。ずんずん相手陣に攻め入り、ラックからルーキーPR斎藤が相手の虚を衝いたサイドアタックで見事なトライ。津嶋のゴールは惜しくも外れるものの、前半11分5−0と先制します。 |
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なおも試合を有利に進めるSW、前半21分にこの日WTBで先発の津嶋がPGを決め、8−0。 |
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順調に得点を重ねる展開に、やや隙を見せたか、この日、捨て身でぶつかって来ていたセコム選手の中でも、相手SOとともにアラティニにがつがつマークを決めていた相手CTBに、ラックの連続からトライを許してしまいます。前半26分8−7。
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終始相手陣で展開するSWは、この後も幾度となくゴールライン手前に迫りますが、トライにあと一歩及ばず。それでも、前半でなんとか引き離したいSWは、津嶋がペナルティショットを2本決め、14−7とリードして前半を折り返しました。 |
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優位に試合を進めながら、思ったようにトライに結びつけられない、集まったファンもやきもきする展開に、ラッシュの期待がかかる後半。
キックオフから怒涛の攻めを見せるSWですが、CTB細川がチャンスを作り、ラインが裏返ったところ、最後のパスを相手にインターセプトされたり、WTB菅野の疾走から連続攻撃でゴール前アタックの場面、SO小原のインゴールへのショートパントが惜しくも相手側にバウンドしたり、再三のチャンスをものに出来ません。 |
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そのうちに、SWに攻め疲れが出始めたか、スクラムを押し込まれ、ラインアウトを競り負ける場面も。さらに悪いことに、相手陣に深く攻め込みながら、カウンターからのキック一本で、逆にゴール前の防御に回ることもしばしば。
リードしているSWが、なぜか苦しんでいる様子の後半も半ば過ぎ、何度か様子を伺っていた相手SOにドロップゴールを決められて14−10。後半29分、ワントライ差に肉薄されてしまいます。
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必昇には絶対落とせない初戦のラスト10分。死力を尽くして逆転トライを狙うセコムの攻撃を、鉄壁のディフェンスでライン突破を許さず、最後まではね返し続けたSW。苦しみながらも、勝ちを告げるノーサイドのホイッスルが響きました。
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勝って釈然としなかった選手たちに、
「勝てたことは収穫だったが、これが実力。現状をしっかり認識する事。個人の責任と結束力、そして何より原点に帰ってチャレンジャーになる事が重要。」
と池村HCから、選手の気持ちを十二分に踏まえたコメントがありました。
初戦を勝利しながら、浮かれることもなく釜石へと帰路につく選手たちへの黎明は、自らを信じ、仲間を信じ、強さを体現することにあるのかも知れません。
次戦は9月20日(日) 13:00K.O、地元岩手の北上総合運動公園に東京ガスを迎え撃ちます。
因縁の宿敵とも言える相手に、SWの強さが体現されることを期待して、皆さまの熱い応援をよろしくお願いいたします。 |