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【ゲームウォッチングレビュー】 写真:事務局 |
◆ 捲土重来の力を見せつけ、SWリーグ戦記録となる大勝!
〜 トップイーストリーグ第七戦 vs日本航空JALウィングス戦 〜
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小春日和となった11月7日の釜石松倉グランドでは、待ちに待ったSW地元公式戦1戦目が開催されました。
インフルエンザの猛威おさまらず、残念ながら前座イベントとして準備した第一幼稚園虎舞、甲東幼稚園お遊戯、正福寺幼稚園鼓隊が全てキャンセルとなり、下見も入念に練習してきた園児さん、先生方には心苦しいところでした。観覧を楽しみにされていたご家族も残念至極。
また、3日前に大事をとって、中学生の市内エキシビジョンマッチも中止せざるを得ませんでした。この日の晴れ舞台をターゲットに、毎日練習に励んできた地元中学生ラガーには、本当に無念の結果となりました。
が、熱意をもって取り組んできたことは、いつか必ず成果となって表れる日が来ることと信じます。
さておき、選手へのインフルエンザも関係各位に協力を願ったチームの防止策が功を奏して、蔓延までに食い止められ、残念ながら藤原選手が欠場となりましたが、態勢は持ち直しました。
陽光も風も穏やかな松倉には、市内外から馳せ参じた1,000人を超える老若男女のSWサポーター、ラグビーファンが集結。アイリスファインプロダクツ樺供の必勝カイロを手に、中田薬局特製の応援うどんを食べ、ちびっ子は色鮮やかなSWカラーの文化タクシーSW応援ハイブリッド介護タクシーの試乗会で楽しみ、大漁風船をもって、いざ、SWの応援に勇んでいます。
中田薬局SW応援マスコット「ナカピー」と釜石市キャラクター「カマリン」もバックスタンドから応援ムードを盛り上げて、選手の入場では、釜石応援団有志の手作りによるSWキューピー人形が選手の手渡しで配られて、キックオフへのやんやの拍手で盛り上がります。
第7戦の相手、日本航空JALウィングスは、昨年イースト9位。過去の戦績からすればSW圧倒的優位ですが、ことSW戦に限ると接戦の連続。一昨年、秩父宮で喫した悪夢のようなロスタイム逆転負けは、まだ記憶に新しいところです。
大勢のサポーターの前で、結果とともに内容も問われる試合。残り5試合、連勝街道への船出となる地元決戦をレポートします。 |
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さすがホームグランド、1000人超の観衆全てがSWを応援する勢いの中、13:00JALキックオフでスタート。
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やや風下の前半、地元の声援を力に一気に攻め込まん、と意気込むSWの勢いが空回りするかのような立ち上がり。ターンオーバーを仕掛けたところ反則を取られ、前半2分にいきなりPGで先制を許します。仕切り直しのキックオフからキックで自陣に持ち込まれ、立て直す間もなくまたも反則を犯してしまうSW。わずか4分でPG2本、0−6とリードされる展開に、よもやJALにもクロスゲームになるのか・・・とサポーターの間に不安がよぎった瞬間でした。
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ラックの連取から、相手ディフェンス陣を後退させたところ、相手バックスラインのギャップをついて抜け出たのは主将アラティニ。前節NTT戦の悔しい欠場を埋めるかのようなスピードで、ファーストトライを奪います。FB津嶋のゴールも決まり、あっさり7−6と逆転に成功しました。
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[アラティニ選手] |
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[ドライビングモールそして小野寺選手] |
これで完全に落ち着きを取り戻したSWは、FL岡崎、佐伯、No.8馬渕と、次から次にフォワードラッシュ。PR斎藤、浅田がしつこい相手をめくり上げ、HO小野寺が再びアタック。否応なしに後退する相手に、LO三浦、スコット・ファーディが追い討ちをかけます。
相手ゴール前でのラインアウトから、もはやお家芸となった、カマイシコールに押されたFWのドライビングモール。これをきっちり押し切って、HO小野寺がトライ。津嶋のゴールはなりませんでしたが、前半11分に2本目のトライで12−6。
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なおも攻め続けるSW。相手をゴール前に追い詰めて、苦し紛れのキックをCTB佐々木天晃が見事なチャージ、そのままインゴールでキャッチしてトライ。前半15分で3本目、津嶋のゴールも決まり19−6と突き放します。
そして、勝ち点5を保証するトライ4本目は、またもドライビングモールから、頼もしい巨漢LOスコット・ファーディがトライ。津嶋がゴールも決めて、早くも前半19分で26−6。相手を圧倒し続ける姿に、サポーターの中には、どこまでトライ数を伸ばせるか、と指折り数える余裕も。
しかし、4本目のトライを奪って一息ついたか、ここからJALも必死のプレーで食い下がり、自陣で防戦を強いられる時間帯。一時はゴール前まで迫られる場面もありましたが、ラックサイドの守りは完璧で、ラインディフェンスも心配なし。SH長田が、SO小原がピンチを凌ぎチャンスに代える攻守にわたるプレーで盛り立てます。自陣ターンオーバーからルーキー先発のWTB佐々木永一が独走する場面もありますが、一進一退の攻防の中、あと一歩でスコアできず、結局そのまま前半終了となりました。
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[佐々木天晃選手] |
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FWがブレイクダウンで圧倒して何度となくターンオーバーを見せれば、BKもディフェンスラインを突破するビッグゲインを何度も見せた前半。しかし、半ば過ぎからはJALの気迫と粘りに思ったように試合を運べません。大漁旗を握りしめ、いざ降らんと準備万端のちびっこラガーたちの期待に応える戦いぶりを見せてほしいSW。後半から、スコット・ファーディ、佐々木永一に替わり、LO柿本、FBピーター・ミラーを投入し、気合いを入れ直します。
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[津嶋選手] |
開始直後から、縦横無尽にグラウンドを走り回ったのは、アラティニ同様、インフルエンザ禍に見舞われNTT戦の先発チャンスを逃したミラー。後半5分、そのミラーの起点から、岡崎、馬渕とつなぎ、最後はアラティニがトライ。ミラーのゴールは惜しくも逃がしたものの、後半先手で31−6。
ここから、SWの波状攻撃が始まりました。後半7分、HO小野寺がターンオーバーしたボールを右に展開、LO三浦、WTB津嶋とつなぐと相手ディフェンスは追いつけず、6本目のトライ。ミラーのゴールも決まり38−6。
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後半9分には、長田がディフェンスラインを突破して大きくゲイン、さらにミラーが持ち込んでのオフロードパスに、タイミングよく勢いつけて走りこんできたNo.8馬渕がブラインドサイドを駆け抜けて7本目のトライ。ミラーのゴールも再び決まり45−6。
こうなったら、どこまでスコアを伸ばせるか、いかに無失点におさえるか、のアルティメイトマッチ。後半19分には、ミラーのキック→菅野のランで得た反則を活かしたラインアウトから、この試合3度目のドライビングモールでNo.8馬渕が8本目のトライを挙げて50−6。
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[馬渕選手] |
[江幡選手] |
続く24分には自陣ラックから、SH八重樫、SO小原、HO小野寺、LO三浦、WTB津嶋と、フォーワード、バックス一体となったパスワークを見せ、最後はミラーがディフェンスの間を抜いて9本目のトライ。55−6。
29分には、ミラーが自ら蹴ったショートパントをそのまま華麗にキャッチしてインゴールへ。二桁10本目のトライとゴールも自分で決めて、62−6。
34分には相手ラインアウトをターンオーバーしたボールをキャッチした途中出場のFL江幡が、ディフェンスの間を鋭く抜け出して11本目のトライを挙げます。67−6。
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そしてラストは39分、食い下がる相手に自陣に攻め込まれるところスクラムに持ち込み、アラティニがウイングへの大きなキックパス。それを見事にキャッチしたのが、この日も攻守にわたる妙技で大量得点に貢献したWTB菅野。キャッチに続き、華麗なランニングで、翻弄される相手バックス陣を尻目にNo.8馬渕へとつなぎ、最後はFBミラーがフィニッシュの12本目のトライ。ゴールもミラーが決めて74−6。
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[ミラー選手] |
諦めずに最後までファイトを見せたJALに追加点を許すことなく、ノートライに抑え込んでのノーサイド。イーストリーグ参戦後、最多得点での圧勝劇となりました。
「初出場、初スタメンの選手ふくめ、皆でよく勝利してくれた。ディフェンス、アタックとも意図したことをほぼ完遂したと思うが、まだまだチャンスを活かしきれてない状況がいくつもあった。勝って驕ることなく、もっと精度を高めて、さらにグレードアップできるSWだということを、肝に銘じてほしい。」
大勝をともに喜びながらも、池村HCからは厳しいコメント。
それもそのはず、シーズンはまだ終わっていません。大勝を皮切りに残り全勝を誓うチームのゴールはまだまだ先です。
とは言え、前節の佐々木和樹、今節の佐々木永一はじめ、赤井、江幡といった若手の躍進が目覚しいSW。ミラーやファーディーの頼みどころも擁して、ますます楽しみなチームになってきました。
次は第8節、11月22日(日)13:00キックオフ、秋田八橋球技場で秋田ノーザンブレッツとの東北雌雄決戦です。
エンジンフルスロットルのSWが、敵地でも進化した実力を見せることができるか。
皆さまからの勢いに乗ったご声援を、よろしくお願いいたします。
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[初出場の佐々木永一選手] |
[初出場の赤井 優太選手] |
[サポーターの皆さん]
いつも応援有難う御座います。 |
[ノーサイド]
お疲れさまでした。 |