【公式記録】 |
◇公式記録 |
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【ゲームウォッチングレビュー】 写真:事務局 |
◆ ライバルとの雨中の激戦を制し、開幕へ向け視界良好!
〜 10周年記念プレシーズンマッチ第1戦 vs栗田工業戦 〜 |
全国的な猛暑の中、東北釜石でもたいへん珍しく真夏日と寝苦しい夜の続くところ、近隣町村含めて、海水浴場は、ここ十数年ないくらいに大賑わいが続いていますが、白砂青松の名勝、根浜海岸でも、家族連れなど県内外の海水浴客で、ちょっとした湘南と見まがうほどの混雑状況です。
釜石は、鉄と魚とラグビーのまち。そんな豊かな自然と、農業、漁業も体験し、思い出の土地にしてもらおうと、A&Fグリーンツーリズムの拠点となっているのが、根浜海岸を臨む宝来館。
今では年間2,000人近い老若男女がグリーンツーリズムを体験し、地元で携わる人たちにも、おもてなしの意識と、地域の産業や風土への意識が芽生えてきたところですが、今回そんな宝来館にやってきたのは、八幡平での1週間の合宿を終えた栗田工業ラグビー部。まさに「ラグビーツーリズム」ともいえる釜石来訪となりました。
幾多の強敵の中にあって、栗田工業は、イーストで毎年のように逆転、再逆転劇を演じるライバル。昨年も勝利を目前に土壇場で引き分けに持ち込まれるなど、正直、苦手意識が拭えない嫌な相手。
それでも、2年続けて岩手で合宿を組み、そのまま釜石にまで足を運んで試合をしてもらえるのは、敵ながらありがたいことです。
勝ち負けもさりながら、SWが10周年シーズンで飛躍するには、このタイミングで願ってもない好敵手との対戦。夏の風物詩「釜石よいさ」を夜に控え、街中が賑わいを見せる中、あと1ヶ月後に迫った開幕に向け、逞しさを増した我らがSWを一目見ようと、節目の10周年シーズンを応援で盛り上げようと、次々に集まった1,000人を超えるファンが見守った松倉の熱戦をレポートします。 |
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極暑の日差しが、圧力をともなってふりそそぐ松倉グランド。遮るものがないと立っていることも困難なようなコンディションの中、栗田工業キックオフでスタート。
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LO三浦、ルイラターが、FLスコットファーディが出足鋭く突っ込んで、ひるむ相手フォワードにボールを支配させないままに、敵陣ゴール深くまで持ち込みます。たまらず反則を犯す相手に、キックからラインアウト攻撃。栗田工業も、遠く釜石まできて、すんなり先制スコアを許すわけにはいかないと、粘るところ、機転を利かしたSH長田からバックスに展開。SO小原からCTBアラティニからライン参加のFB藤原が、相手ディフェンスを受けたところ、もんどりうってWTB菅野へとパス。菅野が見事にゴールに飛び込み。前半8分に先制トライです。右の深いゴールでしたが、さすがは釜石が誇る右のスーパーブーツ、WTB津嶋が決めて7-0とします。
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[菅野朋幸選手] |
栗田工業も、この一戦にかける気持ちは、社長が応援に駆けつけての意気込みでも感じるところ、続くキックオフから、かつての公式戦とも思えるような反撃に転じます。泡を食った感じのSWは、じりじり後退、フォワードにゲインを許し、ややタックルのずれたところを最後は相手の大型WTBにトライされてしまいます。前半11分7-5。
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[小野寺政人選手とFW陣] |
しかし、そこからのSWは、今までの臍をかんだ公式戦とは違いました。今季SWは、不安なく期待の勝るチームへと変貌を遂げ、PR佐々木和樹のもぎとった球を、FL佐伯がゲイン、No.8須田がフォローして、PR浜野がフォロー。ラックから、またもルイラターが突破し、相手ディフェンスの崩れたところをSH長田がバックスへ展開。自らの速いパスワークに、ややもたつく場面もあったものの、じりじりとゲインするSWに、後ずさりを余儀なくされる栗田工業。FB藤原、津嶋、菅野の両WTBのカウンターアタックもゲインを奪い、とどめのラインアウトからのモール攻撃では、フォワードが全員一致で掛け声をかけた突進。最後はHO小野寺が飛び込んでトライ。またも見事な津嶋のゴールが決まり、前半18分に圧巻のトライ・ゴールで14-5。
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敵もさるもの、勢いのあるフォワードの突進に、長身WTBをからませる得意のパターンで1トライ1ゴールを返し、前半34分に14-12と競ったスコアにしますが、前半残り10分を切った勝負どころで、今季の釜石を象徴するような七色攻撃ともいえる多彩な攻撃が炸裂しました。
フォワードで持ち込んで、バックスに展開すると、さらにフォワードがフォローしてポイント。そこからバックスの攻撃があったり、はたまたフォワードが縦を突いたり、と目まぐるしくボールを動かし、相手を翻弄。PR佐々木和樹が、FL佐伯、ファーディが、競い合うようにアタックをしかけてゲインしていきます。
36分、必死のディフェンスを続ける栗田工業をゴール前まで押し込み、最後はNo.8須田が抜け出してトライ。さらに37分、津嶋からのパスにそのままライン際をうまく抜けたのはまたしても須田。見事な連続トライで26-12。
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[須田康夫選手] |
[ニールソン武蓮傳選手] |
そして終了間際、フォワードがポイントを作りながらつなぎにつないだ見事な連続攻撃。最後はCTBニールソン武蓮傳が、相手をかわし、次の相手をひきずってトライ。
津嶋は1本きわどく外したものの見事なゴールキックの連続で、33-12で折り返します。
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後半もSWの勢いの衰えることなく、フォワード、バックス一体となり、なだれ込むようなアタック。14分に、バックスからフォワードに戻すアタックでFLファーディがトライを決めて、津嶋のゴールも決まり、40-12としたところで、リザーブ選手の登場です。
まずはFL岡崎にNo.8馬渕、そしてSH八重樫にPR吉田、神田のルーキーが登場。さあ、大漁得点に期待だと思ったのも束の間、まさにゲリラ豪雨と言わんばかりの驟雨来訪。雷鳴こそ響かなかったものの、グランドの向かい側が見えないくらいの大雨で、屋根や木の下に逃げ惑う観客。視界が悪く、滑るボールにミスも多くなり、あわやビッグゲインかというチャンスもあるものの、互いにゴール前の渾身のディフェンスでスコアを許さず。
結局、最後まで雨脚の弱らないまま、40-12で後半終了となりました。 |
[S.FARDY選手] |
「自分たちで修正してかかったアタックで、期待したものは出たと思う。ただし、どんなコンディションでも、精度を保つことは課題。今日の反省を活かして、合宿から次のプレマッチへ、もっと上げてくれることを期待したい。」
ずぶ濡れで洗われたような選手たちに、池村HCの期待を込めたコメント。
今は期待されることが、正直嬉しい選手たち。
自分の課題、チームの課題を、それぞれに確かめながら、さらにステップアップへと向かう足取りは、決して試合の疲れを感じさせないものでした。
外出も控えるような酷暑と驟雨に見舞われた10周年記念プレシーズンマッチ第1戦ではありましたが、苦手な相手から、開幕に向けて視界良好の見事な勝利を見せてくれたSW。
次週は釜石での合宿、さらに次の週はSWBメンバーの活躍の場となる東北総合体育大会(ブロック国体:20日〜22日)。そして28日(土)は、いよいよシーズン直前の10周年記念プレシーズンマッチ第2戦、13:00よりリコーブラックラムズを松倉に迎えます。
若手の頑張りが楽しみなブロック国体、そして、いよいよシーズン目前のトップリーグの強敵を迎え撃つプレシーズンゲーム、どちらも乞うご期待ください。 |
[藤原誠選手] |
[小野寺政人選手] |
[P.ALATINI選手] |
[佐々木和樹選手] |
[長田剛選手] |
[S.FARDY選手] |
[須田康夫選手] |
[津嶋俊一選手] |
[P.ALATINI選手と菅野朋幸選手] |
[FW陣] |
暑い中、大雨の中、沢山の応援有難うございました。 |