【公式記録】 |
◇公式記録（岩手県ラグビー協会HP）
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| 【ゲームウォッチングレビュー】 写真：事務局 |
◆ 「がんばろう東北！」同志から学んだチャレンジする姿勢
～ 秋田招待試合 vs秋田ノーザンブレッツ戦 ～
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各地で震災百日法要が行われ、改めて深い悲しみと、鎮魂の祈りに包まれた6月18日。その翌日、我らがSWは、震災後初の県外遠征試合となる、秋田県男鹿市での秋田ノーザンブレッツ(NB)とのチャリティマッチに挑みました。
秋田NBは、大震災到来直後、3月17日と21日の2回に分けて、秋田名産品の入った真心パックなど支援物資を運んでくれたばかりか、避難所やクラブハウスで比内地鶏きりたんぽ鍋を炊き出ししてふるまってくれ、釜石とSWにたくさんの「あったけぇ」を届けてくれました。
また今回の試合も、例年秋田NBのファン感謝祭とするところ、一人500円寄付のチャリティマッチとし、さらに秋田北中ラグビー部、杉の子スポーツ少年団がそれぞれSWに義捐金を送って下さいました。
そして、試合会場となった男鹿市は、震災で亡くなった釜石市ラグビー協会会長の佐野正文さんの出身地であり、佐野さんがつないだラグビーの縁が息づいている地。
そんな、同じ東北の、ラグビーを通じた同士からの励ましや、たくさんの縁によって開催される運びとなったこの試合に、意気に感じるところ大であるSW。ここは一番、感謝の気持ちを精一杯のひたむきなプレーに代えて、先の2試合で出しきれなかった攻撃力を遺憾なく発揮してほしいところです。
まずは、今年からイーハトーブリーグに参戦してくれている秋田ニッカンクラブとの試合をSWBが制し、NBとの試合を前にますます期待の膨らむSWサポーター。一方、試合開始が近づくにつれ、続々とつめかけてきた高校生やちびっ子ラガー、たくさんのNBサポーターも思いは同じ。互いに、見るものをひきつけるような、ひたむきな全力プレーを待ち望む中、キックオフを迎えました。
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真夏を思わせる太陽が降り注ぎ、蒸し暑さのある中、向かい風でSWキックオフのスタート。
勢いよく飛びこんでいくSWフォワード陣ですが、優勢に見えるものの、勢いが空回りしてか、あろうことかゴール前に攻め込まれます。ペナルティもあって、連続で攻められ、苦しい場面でしたが、相手の反則に助けられた形で敵陣に持っていきます。ラインアウトからのライン攻撃で、パスミスがインターセプトされ、冷やっとするところ、もう一度ターンオーバーしてSH細川諭がロングキック。ゴール前にもつれ込んだ相手FBとWTB菅野朋幸から、ボールを拾ったSH細川がインゴールに飛び込むも、惜しくもはばまれノットグランディング。
しかし、直後の5ｍスクラムからCTBピタ・アラティニがゲインしてポイント。なおもFLスコット・ファーディ、LOルイ・ラタ、No.8須田康夫が次々にサイドを攻めて、SH細川がブラインドから走りこんできたWTBピエイ・マフィレオにラストパス。ゴールは成りませんでしたが、WTBレオの鮮やかなトライで前半13分に5－0と先制します。
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続く秋田NBのキックオフをモールからハイパントで返したSW。すると、うまいところにバウンドしたボールを走り込んだFLファーディが見事にキャッチして一気に前進。タックルを受けながら、フォローに走ったWTBレオにパスすると、燦然たるスピードでレオがそのままインゴールに走りこんでノーホイッスルトライ。ゴールは外れましたが、前半15分で10－0とします。
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[モールを押し込みHO小野寺政人がトライ] |
エンジン全開となったSWは、勢い止まらず、キックオフからLOラタ、No.8須田、FLファーディと連続突破。たまらぬ相手の反則にも、フリーキックから速攻。CTBアラティニからWTB菅野へとつながって、惜しいところで相手の反則に阻まれましたが、SO井上益基也のキックで、きっちりとゴール前ラインアウトに持ち込むと、釜石コールに乗ってきっちりモールを押し込み、HO小野寺政人がトライ。SO井上のゴールも決まり、立て続けの3トライで前半19分に17－0と突き放します。 |
さらに続けて、相手陣ラインアウトからモールを押し込むと、SWフォワードがサイド攻撃を繰り返し、PR浜野旭、PR斎藤芳さらにはFL佐伯悠がビッグゲイン。最後はFLファーディが飛び込んで、SO井上のゴールも決まり、前半24分で24－0と早くも4本目のトライを奪います。
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[FLファーディが飛び込んでトライ] |
立ち上がりからFW戦で優位に立ち、球出しも早く、流れるようにパスをつないでいくSW。今日はアタックの流れがいい、何本取れるかな、などと、駆けつけたサポーターからも笑顔がこぼれます。
しかし、そう簡単に引き下がらない秋田NB。アグレッシブなディフェンスで、常にターンオーバーを狙ってジャッカルを仕掛けてきます。安全圏のSWがややペースダウンしたところ、フォロワーの数も勝る秋田NBに、危うくスコアを許しそうになる場面も。このNBの頑張りにリズムが狂わされたか、パスがうまくつながったと思えばスローフォワード、きれいに抜けたと思えばノックオンと、どうにもスコアができないSW。押し気味に試合を進めながら、結局このまま前半終了となりました。
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ハーフタイムには、来場者全員で「がんばれ釜石」「がんばれ秋田」「がんばろう東北」のエール三唱という、会場一体となった演出も。岩手から駆けつけた応援団からは、感謝を込めた「サンキュー秋田」の返礼エールもあり、心温まる時間となりました。
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[得意のラインアウトモール] |
迎えた後半、とにかくひたむきなプレーを、と気合いを入れ直したSW。秋田NBキックオフから、ずんずん敵陣に攻め入っていきます。ライン攻撃のチャンスに、惜しくもあと一歩でWTBレオにつながらないものの、さらに攻撃の手を緩めず、ワイドなライン攻撃でFB藤原誠が大外でビッグゲイン。相手ゴール前スクラムからSWフォワードが何度もアタックを仕掛けますが、そこは一番、粘りのディフェンスを見せる秋田NB。しかし粘る秋田に反則が出たところで、得意のラインアウトモールに持ち込んだSW。これをしっかりHO小野寺のトライにつなげ、SO井上のゴールも決まり、後半9分に31－0。
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続く秋田NBのキックオフから相手陣にキックで入ってディフェンスからペナルティで前進。優勢に展開するSWでしたが、まだまだ諦めない秋田NBにディフェンスのふっと生じた隙を突かれ、裏返って一気にゴール前まで攻め入られます。それでも、反応のスピードとパワーでラックをターンオーバー、逆に敵陣に殺到すると、ペナルティを犯した相手に、容赦なく本日3本目のゴール前ラインアウトモールを浴びせ、HO小野寺が追加トライ。代わったSO小原義巧(のりよし)のゴールも決まり、後半21分に38－0とします。
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[ラインアウトモールからHO小野寺が追加トライ] |
[WTB奥田トライへ] |
もう止まりません。メンバーチェンジしたSWは、次の秋田NBキックオフをもぎとるや、FL佐伯が、LO三浦健博が、LOラタが、相手のディフェンスを振り切って力強く前進。と、自陣10ｍスクラムから、スクラムサイドをCTBアラティニが鮮やかに突破して独走し、相手をかわしてWTB奥田にトリックパス。そのまま奥田が飛び込み、角度のある難しいゴールもSO小原が決めて、後半24分に45－0とします。
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続く秋田NBキックオフからもサイド攻撃の乱れ打ち。ロングゲインの後、一度はターンオーバーを許すも、激しいディフェンスですぐさま取り返し攻撃に転じます。
ハッスルプレーのPR神田の突破からLO三浦へ。ショートラックからSH細川が素早く展開し、CTBアラティニからWTBレオにアシストパスでトライ。SO小原が今度は逆サイドからの難しいゴールを決め、後半29分で52－0と引き離しました。
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[WTBレオへ] |
残り10分、きっちり締めて終わりたいところでしたが、地元ゲームでこのまま終われないとばかりに攻めてくるNBの気迫に、徐々に試合の流れが変わります。
後半34分、ハーフウェイ付近からの絶妙なゴロパントをうまくおさえられ、一気に自陣ゴール前に殺到されると、必死のディフェンスも及ばずそのまま今日初トライを許し、52－7とされます。
1本取って、俄然動きが良くなったNBに、試合を通じて圧倒していたスクラムも劣勢となり、出足鋭いディフェンスにパスも思うようにつながらなくなるSW。すると後半37分、ターンオーバーからラックサイドを相手ウイングに突破されてビッグゲインを許し、これを最後までつながれて連続トライを献上。52－14と、意地を見せられたところでノーサイドとなりました。
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同じ東北で、地域クラブとして誇りをもって日本ラグビーを引っ張る秋田NB。
被災したSWにいち早く手を差し伸べてくれた恩は忘れず、同志の気持ちでこれからも助け合っていくことでしょうが、同じリーグの宿敵であることは間違いありません。
この数年は地力で優るSWながらも、昨年の公式戦で後半驚異的な追い上げを見せられたように、相手の少しの隙も見逃さず、最後まで諦めずにチャレンジしてくる秋田NBの姿勢には、まだまだたくさん見習うべきことがある。そう再認識させられたゲーム内容でした。
ひたむきな姿で、復旧に励む被災地とともに、昇格というビッグチャレンジに取り組むSWにとって、勝ってなお教わったチャレンジスピリッツ。東北のライバルからもらった精一杯の激励を胸に、ひたむきに突き進め！我らがSW！！
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| 秋田ニッカンクラブ vs SWB |
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