【公式記録】 |
◇公式記録(関東ラグビー協会HP)
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【ゲームウォッチングレビュー】 写真:事務局 |
◆ 艱難の果ての新たな船出を飾った、圧巻の完封劇!
〜 トップイーストリーグ第1節 vs日野自動車レッドドルフィンズ戦 〜
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例年、シーズンインの初戦を迎えることは、それまでの苦労や汗を思い出し、感慨深いものですが、今年はことさら、累々とした惨状の日々を越えてきただけに、名伏し難い情感が込み上げてきます。3月11日からちょうど半年が経過したこの日、亡くなられた方のご冥福を祈り、様々な悲しみ、苦しみに思いを致しながらも、未来に向けて着実に歩み始めている被災地の人々同様に、SWの選手たちも威風堂々、ラグビーの聖地・秩父宮のフィールドに立ちました。
国内外からたくさんの支援と応援を下さった釜石ファン、ラグビーファンの熱意。それらをまとめ上げてSWを盛り上げ続けるスクラム釜石のメンバー。ずっとSWを応援し続けた仲間同士で再会を喜ぶサポーターの皆さんや応援団の皆さん。多くの人の思いが秩父宮に集うSWテント前では、チタカ・インターナショナル・フーズ「頑張れSW!がんばろう日本!」なめらかプリンも振る舞われ、大変な賑わいを見せます。
その向かい、日野自動車のテント前では、関係者の方が一生懸命募金を呼び掛けてくれています。ノーサイド。震災以降、同じリーグで昇格を争うライバルが、ラグビーを志す仲間たちが、様々な形でチームや被災地を支援してくれたことが思い出されます。
スタンドに目を向けると、復興SW応援Tシャツを着込んで、大漁小旗やSWタオルを手に準備万端のサポーターと、秋田からかけつけたなまはげ&秋田応援団とがスクラムを組んで友情応援を披露。ピンクダイヤモンズのフラッグチェアー、そして色鮮やかな大漁旗が舞い、キックオフの準備は整いました。
多くの支援、応援に支えられてこの日を迎えられることに感謝し、被災地の思いを背負う覚悟と決意を持って、直向きに戦うことを誓ったSWの新たな船出。初々しい緑の絨毯のまぶしく輝くような秩父宮で繰り広げられた日野自動車レッドドルフィンズとの熱戦をレポートします。
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去りやらぬ夏の蒸し暑さと日差しの下、15:00レッドドルフィンズのキックオフでスタート。
ややもたつく立ち上がりのSWは、相手スクラムからのライン攻撃に突破を許し、あわやというシーンに固唾を飲むスタンドの前で、CTBピタ・アラティニが敵の選手に追いすがり見事にタックルで仕留めます。ほっとしたのも束の間、続くピンチに自陣ゴールラインに追いやられるSW。際どいところで、ディフェンスの気力が勝り、相手ペナルティから巻き返し、ようやくペースをつかんだSWは、モールを押し込んで、SH長田剛(たけし)のハイパントからフォワードラッシュと、瞬く間に相手陣奥深くまで突き進みます。ゴール前のラインアウトからモールで攻めて、こぼれ球をFLスコット・ファーディが力強く持ち込んでトライ。ゴールは逃しますが、前半4分開始早々の先制トライで応援団も沸き立ちます。5−0。
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続くキックオフからも、勢いのおさまらぬSWは、小気味よくボールをつなぎ、フォワード、バックス入れ替わりの連続攻撃を仕掛けます。ラックからサイド攻撃かと思うと、次はライン攻撃と、SH長田のさばきも絶妙で、生き生きとつないだボールのファイナルキャリアーは、ライン際を走り抜けたCTBニールソン武蓮傳。コーナーに飛び込んでトライ。際どいゴールは逃しますが、前半8分に追加点で10−0とします。
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早々に2トライを奪い、このままの勢いに乗って攻め込みたいところですが、これで気を良くしたか、あるいは気が緩んだか、続くキックオフでミスが出たSW。自陣に追い込まれるピンチでしたが、PR斉藤芳(かおる)、佐々木和樹、HO小野寺政人の第一列の強さとフォワード全体のスクラムワークの良さで有利な展開に持ち込みターンオーバー。相手のディフェンスの出足の鋭さにもひるまずに、CTBアラティニ、FL佐伯悠(ゆう)、LO三浦健博、ルイ・ラタと続けて力強く前進します。
それでも、チアスティックとともに「日野」コールを響かせるサポーターの期待に応えるべくアタックを仕掛けてくるレッドドルフィンズ。前半19分、スクラムからのライン攻撃で外国人CTBの突破を許して一気にゴール前に殺到されると、たまらずSWがオフサイドの反則。無念、詰め寄られるか、と思ったペナルティゴールがポールに当たって外れ、今度はSWが素早くカウンターを仕掛けます。
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ハーフウェイ付近まで戻すと、ポイントを作って左に展開、これを今季新加入のWTB奥田浩也が鮮やかに突破してロングゲイン。一気呵成の波状攻撃に、レッドドルフィンズがたまらずペナルティを犯したところ、SO小原義巧(おばらのりよし)が冷静にショットを決め、追加点を奪います。前半21分13−0。
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やや苦しい時間帯にスコアし、このまま流れを引き寄せたいところですが、続くレッドドルフィンズのキックオフをオブストラクションでピンチにするSW。相手のグラバーキックで後退させられて、FB吉田尚史(たかし)が何とか凌ぎます。続くラインアウトをターンオーバーされ苦しい場面が続くところ、暑さで疲れが出たか、連係にもミスが出始めます。
いつもなら、ここで緩んでしまうところですが、どこまでも直向きに粘るディフェンスで容易に主導権を渡さないSW。一進一退の攻防の中、反則から再びペナルティゴールを狙われますが、これもわずかに外れます。その後のドロップアウトをカウンターされてピンチを迎えますが、ここも激しいディフェンスとプレッシャーの蓄積で相手のミスを誘発。一転、CTBピタ・アラティニがライン際を疾走してビッグゲイン、敵陣に攻め入ります。
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マイボールラインアウトからのアタックは、パスミスが出たものの、逆に相手ラインアウトを、体を張ったフォワードがターンオーバーし、FLファーディ、PR和樹、LO三浦と次々にドライブしてゲイン。WTB菅野朋幸がゴール前まで前進してラックを作ると、最後はPR斉藤が飛び込んでトライ。非常に難しい角度のゴールをSO小原が見事に決めて、20−0で前半を折り返しました。
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苦しい時間帯があったものの、緩めることなく、勘所を押さえて最後まで優位を保った前半戦の結果に、暑さに参りながらも笑顔がこぼれるハーフタイム。
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ピンクダイヤモンズのチアダンスに、恒例のSW応援歌、そしてなまはげが音頭を取ってのエールと、それぞれの形で、被災地に、SWに声援が送られていました。 |
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迎えた後半、SWキックオフから、相手のカウンターハンブルで敵陣22mスクラムのチャンス。No.8須田康夫が突破して、FLファーディ、佐伯と続きます。相手反則からのラインアウトは惜しくもトライならず、もう一度、ラインアウトからモール攻撃をはかるところ、サイドから抜け出したHO小野寺がタックルをものともせず、巧みなステップで相手を二人三人とかわして鮮やかにインゴールへ。SO小原のゴールも難なく決まり、後半開始早々の5分、ボーナスポイントを得るこの日4本目のトライで27−0とします。
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その後も相手をゴールまで追い詰め続け、WTB菅野のチャージから、あわやトライのシーンもあり、CTBアラティニの突破からWTB奥田、菅野とビッグゲインのシーンもあり、ハイパントを追ってNo.8須田が勢いよく相手を押し倒したところに、FLファーディがボールをもぎとるシーンもあり。スタンドが沸くシーンは多々あるものの、意地を見せるレッドドルフィンズも、SWに劣らぬ激しいプレーで一歩も引かず、互いにスコアできないまま時間が経過していきます。
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そんな中、SWは、後半15分にPR浜野旭、CTB森山裕樹、WTB藤原誠を、30分にはHO渡邊潤一、LO馬渕勝を投入。スタンドから見ているだけで汗が噴き出す厳しいコンディションにあって、新たな戦力が躍動し、後半も残り10分となった頃には、SWが常に敵陣でプレーする時間帯となります。ダメ押しトライを渇望するSWサポーターの期待についに応えたのは、後半35分。敵陣ラインアウトから連続攻撃を仕掛け、ゴール前のポイントからSH長田が早技でライン参加のWTB奥田にパス。じりじりした時間が長かった分、より一層、疾風のごときスピードに感じたWTB奥田の鮮やかなトライ。SO小原のゴールも難なく決まり、勝利を決定付ける追加点で34−0。
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それでも諦めず、果敢に攻め続けるレッドドルフィンズでしたが、ラインアウトのターンオーバーからFL佐伯が突破し、続くHO小野寺のまたも見せるビッグゲイン。カウンターのピンチにもNo.8須田のナイスタックルが炸裂し、相手の反撃の勢いを消沈させます。最後まで手を緩めないディフェンスを続けるSWは、38分にFL江幡誠弘、SH細川諭を入れ、リザーブ全員参加の総力戦。
そして迎えた後半ロスタイム。全員で突き進み、集中して付け入る隙を与えないこの日のSWのフィニッシュを飾ったのは、体を張り続けたCTBアラティニでした。激しいディフェンスからボールがこぼれたところをアラティニとSH細川がチェイス、インゴールまで転がしたボールをアラティニがうまくボディコントロールしてのトライ。SO小原のゴールも決まり、41−0としたところでノーサイドとなりました。
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勝利に歓喜する選手たちと、復興に向けたチームの復活に沸き返り、万雷の拍手と声援を送るサポーター。佐伯主将が音頭を取っての万歳三唱が響き渡り、秩父宮には、いつまでも笑顔が溢れていました。
新たな船出とも言える一戦で、2002年の関東社会人一部Bリーグの習志野自衛隊戦以来、イーストリーグが始まってからは初めてとなる完封劇を演じたSW。
この日は、名物「カマイシコール」が、メインスタンドから、バックスタンドから、自然発生的に何度も巻き起こり、多くのファン、サポーターの期待の高さ、注目度の高さを感じることができました。
そんな中、決して奢ることなく、反省、修正すべき点が選手たちから出てきたのは、昇格という最大目標に向け、試練が待ち受けること必須のイーストDvi.1の激戦区を闘い抜く覚悟の証です。
9月18日(日)に行われる第2節は、秩父宮で15:00キックオフ。この日と同じ場所、同じ時間で、イーストリーグ最強と目される強豪クボタスピアーズと相見えます。
7月のプレシーズンマッチでは地元で苦杯を嘗めた相手と、今季最初のビッグチャレンジ。地域の誇りと覚悟を胸に、直向きに挑むSWに、より一層のご声援をよろしくお願いします。 |
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大声援有難う御座います。第2節クボタスポアーズ戦も宜しくお願いします。 |