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Game Result
試合名 トップイーストリーグDiv.1 第9節
試合日 2011年12月03日(
キックオフ 13:00 K.O.
会場 海老名市陸上競技場
釜石シーウェイブス 栗田工業
ウォーターガッシュ
前半 後半 前半 後半
3 1 T 0 1
3 0 G 0 1
2 1 P 0 0
0 0 D 0 0
27 8 小計 0 0
35 得点合計 7
5 9 反則 7 8
14 反則合計 15
審    判 河野哲彦(日本協会)
タッチジャッジ 梶原晃久(関東協会)
小川和彦(関東協会)
二宮慶美(関東協会)
キックオフ 釜石シーウェイブスRFC

グランド状態 良い
天候 くもり/微風
観客数 1000人
ゲームウォッチングレビュー

【出場メンバー】
釜石シーウェイブス  
No 氏名 年齢 出身校 身長 体重
FW 1 斉藤 芳 26 明治大 179 123
2 小野寺 政人 28 東海大 175 90
3 神田 佑樹 24 明治大 181 104
4 スコット ファーディー 27 バーレイジョイ高 198 111
5 ルイ ラタ 30 日本大 190 115
6 馬渕 勝 29 近畿大 188 103
F 佐伯 悠 26 関東学院大 183 93
8 須田 康夫 28 専修大 183 100
HB 9 長田 剛 28 帝京大 174 77
10 小原 義巧 29 東海大 175 77
TB 11 奥田 浩也 25 明治大 181 83
12 森山 裕樹 26 流経大 171 80
13 ピタ アラティニ 35 キングス高 179 90
14 菅野 朋幸 27 早稲田大 178 74
FB 15 吉田 尚史 36 専修大 181 80
R
E
S
E
R
V
E
16 佐々木 和樹 21 盛岡工高 181 110
17 渡邉 潤一 27 甲南大 174 95
18 佐々木 陽丞 20 秋田工高 182 92
19 江幡 誠弘 26 明治大 176 91
20 細川 諭 24 関東学院大 168 70
21 井上 益基也 25 明治大 173 73
22 ピエイ マフィレオ 25 日本大 186 91
【交代】
 
栗田工業ウォーターガッシュ
No 氏名 学年 出身校 身長 体重
FW 1 岡本 隆太郎 23 関西学院大学 170 108
2 諸隈 知也 25 同志社大学 177 92
3 岩下 和弘 26 同志社大学 180 105
C 来嶋 新 31 京都産業大学 188 105
5 佐藤 哲也 22 京都産業大学 191 108
6 川田 一彰 23 立正大学 178 84
7 桑田 直輝 24 東海大学 180 85
8 伊藤 徹 30 流通経済大学 185 90
HB 9 森 洋三郎 28 流通経済大学 176 72
10 佐藤 浩一 24 立正大学 176 88
TB 11 片岡 将 23 関西学院大学 174 80
12 フィリップ ドーソン 30 リンカーン大学 183 90
13 ブレット メーサー 27 オタゴ大学 184 96
14 石井 悠介 25 専修大学 182 86
FB 15 山崎 真二 25 國學院大学 178 77
R
E
S
E
R
V
E
16 三浦 久直 30 法政大学 170 88
17 川村 慶太 23 専修大学 177 115
18 宮川 拓也 23 筑波大学 184 100
19 森 勝己 29 中央大学 170 90
20 山本 亮 22 東海大学 165 67
21 坪井 淳 28 関東学院大学 178 85
22 竹内 康 26 関東学院大学 172 70
【交代】

【公式記録】
◇公式記録(関東ラグビー協会HP)

【ゲームウォッチングレビュー】 写真:事務局
◆ ここから始まる新たな戦い・・・決意のシーズン、有終の美を飾る!
〜 トップイーストリーグ第9節 vs栗田工業ウォーターガッシュ戦 〜
震災後のチーム練習再開からちょうど7か月目の12月3日、2011イーストリーグDiv.1最終戦を迎えました。
相手は、常にリーグ戦の順位で後先を争いながら、過去5年の対戦成績はSWの1勝3敗1分、毎年クロスゲームを演じる積年のライバル・栗田工業ウォーターガッシュ。
大願成就は成らずとも、チームを支えてくれる地域の期待を背負う決意を胸に、幾多の激戦に挑んできたシーズン、ラストゲームを争うには格好の好敵手と言えます。
会場となる海老名市陸上競技場には、今季最後の雄姿を目に焼き付け、最後まで共に戦わんと、全国各地から続々とサポーターが集結。今回は、海老名市ラグビー協会の特別協賛で釜石から無料バスが運行され、地元・釜石からも多くのサポーターが駆けつけました。
会場では、栗田工業鰍フ方々から一関市大東町の野菜を使用した豚汁の無料お振舞いあり、チタカ・インターナショナル・フーズ蒲lのなめらかプリンのプレゼントあり、と、寒風吹き荒ぶ中集まったサポーターに嬉しいサービスのほか、SWや、被災した沿岸ラグビースクールへの募金が呼びかけられ、試合観戦に来た方に元気になってもらおう、ラグビー仲間を助けよう、という温かい思いとともに、テント前は大賑わい。
また、試合前から報道陣が続々と詰めかけ、改めてこれまで歩んできたSWの軌跡への注目度の高さを実感します。
選手もサポーターも、思いはひとつ。最後まで直向きに、そして来季につながる勝利を。
バックスタンドに13本の福来旗が一斉に翻って、決意のシーズンの集大成となる一戦が幕を開けました。


 
前夜からの大雨で、大荒れと思われた天候でしたが、お昼を前に雨は止み、時折、薄日も差す曇り空の下、向かい風のSWがキックオフで試合開始。すると、猛ダッシュでプレッシャーをかけるSWフォワード陣、相手が何とかキックで戻したところをFB吉田尚史(よしだ たかし)ががっちりキャッチし、WTB奥田浩也(おくだ ひろや)のエリア挽回のナイスタッチキックで敵陣へ。さらに、相手ラインアウトがやや乱れたところに素早く絡んでペナルティを得たSW、このショットをSO小原義巧(おばら のりよし)がしっかり決めて、開始2分で3−0と先制します。
一挙に畳み込みたいところ、ウォーターガッシュのキックオフからカウンター攻撃をしかけて、CTBピタ・アラティニがディフェンス突破。すかさずSH長田剛(ながた たけし)がハイパントを繰り出し、勢いつけて駆け込んだSWでしたが、相手のラッキーバウンドとなり手薄のサイドをカウンターで攻められます。これは危ないという自陣ゴール前の絶体絶命のピンチでしたが、ものすごい勢いで追いかけて相手選手を猛然と引き倒すLOスコット・ファーディーに救われて、さらに相手ラインアウトからのモールを猛然とプッシュして逆に押し潰します。
しかし、立て直そうというところにダイレクトタッチのミスが出て、依然自陣での攻防が続く時間帯。出だしからリードを許す展開にはしたくないところ、相手の繰り出すタテの突進を、次々とタックルで押し戻す分厚いディフェンスを繰り出し、何とかしのぎ切ってハーフウエイのラインアウトまで取り戻すと、ここから一気のアタックへ。SH長田のハイパントから、WTB菅野朋幸(かんの ともゆき)の突破。LOファーディーが続き、右に左に攻撃を連続するSWは、相手オフサイドのペナルティから敵陣22m付近のラインアウトのチャンスにつなげます。ここで、開始からフルスロットルのフォワード陣ががっしりと固いモールを作り、そのまま20m以上前進。カマイシコールに乗って押し込んで、最後はLOルイ・ラタが飛び込んでトライ。SO小原のゴールも決まり、10分で10−0とします。
続くウォーターガッシュのキックオフからも、きっちりキックで戻して、さらに相手ラインアウトでFL佐伯悠(さえき ゆう)がターンオーバーしてずんずん前に出て行きます。一気に広がったチャンスに、なだれ込むSWフォワード。そしてSH長田のショートパント。完全に裏返る相手ディフェンス。ぬかるみで滑る選手も多い中、身体をはって前に出るSW選手たち。
迎えた16分、相手のロングキックがボールデッドとなって得た敵陣10mスクラムから左に展開、CTBアラティニが突進してFL馬渕勝(まぶち まさる)へ、馬渕がハンドオフで突破してNo.8須田康夫(すだ やすお)へ、とずんずん前に出ると、続いたLOファーディーがゴールライン目前まで持ち込みます。堪らぬ相手はペナルティを犯し、ホイッスルが鳴り終わるかというところで、即座に反応したFB吉田が、クイックスタートで相手選手の間をするすると走り抜けトライ。角度のある難しいキックを、SO小原が見事に決めて17−0とリードを広げます。

次のウォーターガッシュキックオフからも、滑るボール、踏ん張りの利かないグランド、と、同じ悪条件にありながら、走りに走るPR斉藤芳(さいとう かおる)がラックのボールを巧にバックスにさばき出しては前進をはかるなど、ひとつひとつのプレーに、気迫で相手を上回ろうとするSWが攻め続け、ゴール前で押し込んだモールからHO小野寺政人(おのでら まさと)がサイドを突いて、インゴールになだれ込みトライか、と思われたところ、グランディングと見なされず、スコアを逃すシーンもあり、追加点を今か今かと待ち構えるような展開にスタンドのサポーターの声援も途絶えることなく響きわたります。
しかし、敵陣で優位に進めながらも、流石は果てなきライバルのウォーターガッシュ。粘り強いディフェンスにあってなかなかチャンスを掴めず、逆にSWの反則が重なって危うくスコアを許すかというシーンもあり、どうにも流れに乗れないまま時間が過ぎていきます。
前半も残り5分を切ったところ、SWは自陣の相手ラインアウトをもぎ取って、すかさず裏へのショートパント。これを、バウンドをうまく合わせたFL馬渕がキャッチしてさらに前進。敵陣に入ったところで得たスクラムから、一気に展開して攻め込もうとしたSWへのハイタックルで、ペナルティのチャンスを得ます。きっちりスコアしたい場面で、ほぼ正面ながら40m超のPGを、本日絶好調のSO小原がしっかり決めて、36分に20−0と待望の追加点をあげます。
続くウォーターガッシュのキックオフでキャッチミスが出て、何とか押さえたところに殺到されてペナルティを犯してしまいますが、相手のショットはわずかに外れ、ほっと胸をなでおろすSWサポーター。
直後のドロップアウトから攻勢をかけ、相手陣に攻め込むSWですが、反則で敵ボールスクラムに。それでも、相手のショートパントをFB吉田がうまく押さえてラックを作ると、SH長田の素早い球出しからLOファーディーが突進してオフロードでつなぎ、CTBアラティニが凄まじい勢いでサイドライン際を疾走します。最後は、フォローに走ったCTB森山裕樹(もりやま ゆうき)が相手ディフェンスを引きずりながら飛び込んでトライ。SO小原の難しいゴールも決まり、40分27−0。鮮やかなトライと見事なPGに、水を吸ってすっかり重くなった大漁旗が水しぶきとともに一斉に舞い、スタンドからはやんやの歓声が上がります。
さらに残りワンプレーでも、自陣からNo.8須田が抜け出して一気にチャンスを迎えますが、惜しくもフォローが続かず、ハーフタイムとなりました。
ライバルをスコアレスに抑えこみ、着実に点差を広げていく望外の展開。笑顔が弾けるSWサポーターの応援歌が高らかに響く中、最後まで緩むことなく戦い抜いて欲しい後半、栗田工業ウォーターガッシュのキックオフ

すると、油断が出たわけではないものの、自陣からのキックをチャージされてそのまま反則を犯すなど、自陣でのプレーが続く苦しい立ち上がり。それでも、激しいディフェンスと相手の反則でエリアを回復すると、小原のナイスキックから敵陣深くへ進み、マイボールラインアウトのチャンス。モールを押し込んで、展開して、さあここから、というところで惜しくもターンオーバーを許します。しかし、SWも負けじと続くウォーターガッシュのアタックを激しいディフェンスでターンオーバー。
互いに譲らぬ攻防の中、後半8分、SWのキックをしっかりキャッチした相手WTBが、22mライン手前からスピードに乗ったカウンターでするするとSWディフェンスラインを突破しビッグゲイン。さらに反則を犯して自陣ゴール前のラインアウトとなり、がっちりモールを組まれると、ウォーターガッシュサポーターの栗田コールに乗って、前半のお返しとばかりにそのまま押し込まれ、ついにトライを許してしまいます。27−7


不安のよぎる後半先手のトライを奪われたSWですが、少しずつ地面も乾き、ハンドリングも容易くなった様子で、随所にSWらしいつなぎが戻ってくるアタック。力強いゲインを見せるFB吉田、No.8須田に、WTB菅野がイーブンボールに反応良く飛び込んで、ボールを受けたWTB奥田がスピードを活かして走り抜けます。ディフェンスでも、CTBアラティニが見事なタックルからのターンオーバーに、SO小原のタックルからPR神田佑樹(かんだ ゆうき)が接点での強さを見せて相手をはねのけ、相手のアタックの芽を摘み取ります。
しかし、後半に入ってよくボールを動かすようになってきたウォーターガッシュに、やや受けに回る場面が目立つSW。攻め込んでもパスミスや反則で戻されてしまう嫌な時間帯が続き、ハイパント処理のミスから相手外国人CTBに一気に突破されて自陣ゴール前まで攻め込まれたり、反則からの連続アタックでゴールライン際ギリギリの攻防を強いられるシーンもありましたが、集中力を切らさず、粘り強くタックルを繰り出してスコアを許さないSWが、固い守りから徐々に流れをつかみます。
すると、FL馬渕が突進してきた相手選手に絡んでボールをもぎ取って前進。CTBアラティニが、FB吉田がカウンターでずんずん走り抜けて、一気に相手ゴール前に到達すると、相手のペナルティからラインアウトに持ち込んで必殺のドライビングモール。これ以上トライを許すかと、粘りに粘る相手ディフェンスにも動じず、落ち着いてじわじわ押し込んで、最後はHO小野寺がトライ。ゴールは惜しくも外れましたが、全員で奪い取った4トライ目で、後半26分に32−7とします。
ここからSWは、FL江幡誠弘(えばた まさひろ)、SH細川諭(ほそかわ さとし)、さらにFBピエイ・マフィレオ、PR佐々木和樹(ささき かずき)と若い力を次々に投入。地元で意地を見せたいウォーターガッシュの猛攻を激しいディフェンスで遮り、むしろナイスタックルと集散の早さを活かして守りながらも前進していきます。
CTB森山の突破から、入ったばかりのFBマフィレオが快足を飛ばしてゴールまであと一歩に迫るなど、幾度のアタックチャンスは惜しくもトライまでつなげられないものの、後半37分には連続攻撃からペナルティを得て、SO小原が落ち着いてショットを決め35−7


追加点を挙げたところで、HO渡邊潤一(わたなべ じゅんいち)、LO佐々木陽丞(ささき ようすけ)、SO井上益基也(いのうえ みきや)とエントリー選手を総出場させて、全員で、最後まで直向きに戦い続けたSW。そのまま歓喜のノーサイドとなりました
SWが、ちょうど10年の節目を迎えようとしている矢先の東日本大震災発生。激甚の災禍から、地域の復旧復興とともに歩んだ2011シーズン、念願のトップリーグ昇格には至らなかったものの、イースト参戦後初の完封勝ちから始まり、クボタ、三菱重工相模原との激戦、地元・松倉での見事な勝利と、近年最高と言える内容で、激動のシーズンを戦い抜きました。
チーム作りが遅れたハンデはもちろんのこと、背負うものの大きさ、これまでにない周囲の注目、あらゆるものがプレッシャーとなったこともあったでしょう。
ラストゲームで、改めてプレーから選手の気持ちを感じ取り、雄姿を目に焼きつけたサポーターからは、感謝と、ねぎらいと、激励と、様々な思いがこもった拍手と歓声がいつまでも響いていました。

復興は5年、10年、いつになるかわからない。SWの活躍が、長く復興の力になっていけばいい。
試合後のあるサポーターの方の言葉です。
決意の2011シーズンは終わりました。しかし、地域ともに歩むSWの新たな戦いはここから始まります。

チーム活動の再開から、公式戦シーズンに挑むまで、そして最終戦の勝利に至るまで、励まし、支援を、声援を送って、見届けていただいたサポーター、関係者の皆さま、どうもありがとうございました。
そして今後とも、釜石シーウェイブスをよろしくお願いします。
最終戦も沢山の応援有難うございました。

来シーズンも宜しくお願いします。
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