【公式記録】 |
◇公式記録(岩手県ラグビー協会HP)
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【ゲームウォッチングレビュー】 写真:事務局 |
◆ 感謝の思いを結果で示す、新たな決意のシーズンの開幕戦を飾る!
〜 IBC杯招待試合 vs慶應義塾大学戦 〜
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昨年、惜しくもトップチャレンジには届かなかったものの、夢を諦めず、トップリーグ昇格、そして日本一を目指して直向きにがんばること。そのことが、震災を乗り越えようと奮闘する地元・釜石の一助になると信じ、そして、感謝しきれないほどの支援と激励を下さった皆様への御礼となるものと、SW選手スタッフ一同心に刻んで迎えた2012年。
その信念と、感謝の思いを結果で示すべく臨む新たなシーズン、オープン戦開幕の舞台は、昨年と同じ盛岡南公園球技場、IBC杯招待試合です。
相手は、日本ラグビーのルーツ校、創部113年の歴史を誇る慶應義塾大学。伝統の魂のタックルとバックスを活かした展開力に加え、今年は関東大学春季大会が開催されており、仕上がり、実戦感覚という面からも決して油断できない相手です。
強風吹きやまぬものの、晴れ渡る大空の下、会場外のサポーター受付テントでは、応援団特製の大漁旗、応援手ぬぐいも好評販売する中、はまと神経内科クリニック様提供の鵜住居(仮設店舗・鵜(うーの)!はまなす商店街)「あんでるせん」特製の「2019RWC釜石開催誘致応援あんドーナツ」が先着300名に配られて、あんこと共に復興再生の想いのこもったドーナツを堪能。
会場には、SWサポーター、ラグビーファンが続々と集い、2,000人を超える大入り。朝早くからの中学生ラグビーに始まり、青森北と盛岡工業の熱戦、そして東北女子高校生のセブンスエキジビジョンマッチ。これから伸び盛りのラガーたちが見せる溌剌としたプレーをたっぷり楽しんだところで、いよいよ準備万端。
トップリーグ昇格という目標に向かっての困難な道程を表す風か、支えるだけで精一杯の強烈な向かい風がバックスタンドに吹きつけ、色とりどりの大漁旗が大きな音を立ててたなびく中、シーズン到来を告げるホイッスルが高らかに響きました。
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13:05慶應キックオフから、追い風を受けてリターンキック。相手のカウンターキックがくるところで、いきなりキック処理をミスしてピンチかと思いきや、相手のノット10mバックの反則で、大きく陣地を戻し、敵陣の攻防へ。序盤は探り合いの両チームです。
SWは強風ながらもコントロールよくラインアウトからバックスに展開し、ルーキーCTBセトゥー・ウアロタフォウ(ロタ)がポイントをつくります。ラックサイドをFL佐伯悠が突破し、FL佐々木陽丞が続きます。抜けるか、と思ったところ、惜しくもアクシデンタルオフサイド。
今度は、相手スクラムからのバックス攻撃で、食らいつくSWディフェンスに相手CTBが粘ってつなぎ大外に展開。抜け出たWTBからFBに走り込まれて自陣ゴール前のピンチになります。すわトライ献上かと思った矢先、WTB菅野朋幸の渾身のディフェンスで相手ノッコンを誘いピンチをしのぎます。 |
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ピンチをチャンスにと、ロングキックで相手陣に攻め入るSW。慶應バックスリーがカウンターを仕掛けるところ、CTB森山裕樹が、さらに続くフォワードの突進をルーキーPR福井がタックルを突き刺し前進を許しません。すると、No.8須田康夫が相手からボールをもぎ取りターンオーバー。SH細川諭からFB奥田浩也へ、さらにこれを受けたSO井上益基也が、WTB菅野にパスすると見せかけてディフェンダーをかわし、うまく内へ切れ込んでFB奥田にリターン、流れるようにつながったラストは、俊足SH細川が相手ディフェンスを振り切って中央に飛び込みました。SO井上のゴールも決まり、前半9分7−0と先制します。 |
ややもたついたものの、先制トライの上々の滑り出しに、勢い込むSWは、次のリスタート、慶應キックオフがダイレクトで中央スクラムとなったところ、猛然とプッシュをかけバックスラインでCTBロタが鮮やかなステップを切って一気に突破。さらに絶妙なショートパントに、トップスピードで相手を置き去りにして走り込むWTBピエイ・マフィレオ(レオ)。そのまま抑えてトライ、と沸き立つスタンドでしたが、惜しくもバウンドがそれて相手に抑えられます。
いけいけムードのSWに、さすがに伝統校の意地を見せる慶應も、鋭いタックルでターンオーバーして、バックス陣が力強い切れ込みを見せてゲインラインを突破してきます。さらに反則が重なり、SWは自陣ゴール前ラインアウトとなるも、PR佐々木和樹がいち早く反応して相手に絡むと、フォワード陣が力でボールを奪い取ってターンオーバー。風上を利したロングキックで相手陣まで戻すと、さらに出足のよいディフェンスで容易に前進を許さず、慶應がラックサイドを果敢に攻めてくるところ、SH細川が球出しの際で反応良く相手SHに絡んで反則を誘います。 |
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相手10m付近のSWラインアウトを確実にとり、バックスに展開してCTB森山裕樹のポイントから2次攻撃。左に右に大きく揺さぶる攻撃から、キャッチすればそのままトライのSO井上の絶妙なキックパスは惜しくもノッコンとなりますが、優位に立つSWフォワード陣がスクラムで猛烈なプレッシャーをかけて取り戻すと、LOラタが突進してゴール目前のラックに。最後は、密集を抜けてNo.8須田が飛び込みトライ。角度のある難しいゴールは成りませんでしたが、前半20分に12−0とリードを広げます。 |
リスタート慶應キックオフはLO保坂豪がナイスキャッチながらリリースをミスして相手ボールのピンチに。ラックサイドをPR福井、HO小野寺政人が懸命なディフェンスで止めるも、バックスのラインディフェンスがオフサイドとなり前進を許し、はからずもピンチとなります。さらにラックサイドのミスマッチをつかれて相手SOに突破され、冷やっとする場面もありますが、相手の反則に救われてホッと胸をなでおろすスタンド。
今度はこちらの番とばかりに、モールでじりじり前進し、一転自陣からボールを回したSWは、WTB菅野が大きくゲインして敵陣へ。さらに相手の反則に乗じての敵陣ゴール前ラインアウト、一度はターンオーバーを許すも、再度のマイボールラインアウトからNo.8須田、SO井上、CTBロタとつなぎ、ロタのショートパントをFB奥田が抑えてゴール目前のラック。ここで、またもやNo.8須田が、ラックサイドを力強くこじ開けてトライ。膠着状態を抜ける追加点で、またも角度のあるゴールはならないものの、前半31分に17−0と突き放します。
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続く慶應キックオフをリターンキックするSWでしたが、カウンターで相手WTBにするすると走られ、さらにFBにつながれて一気に22mラインを突破されるピンチに。何とかしのいで戻すSWですが、追加点の慢心か、やってきたことの未完成か、テンポよく躍動する慶應のアタックをなかなか止められず、ゲインを許すシーンが散見されます。またもゴール前に攻め込まれたラックサイドを、相手SHからPR、HOとタテにつかれ、ついにトライを献上。前半32分17−7。 |
それでも、これはいかんと続くSWキックオフで追い込み、一旦はパスミスから相手にボールが渡るも、突進してきた相手SOからLOラタが力でボールをもぎ取ってラック。間髪入れずFL佐伯が出したボールを、ラックサイドの狭いライン際をSO井上が一気に突破すると、相手を引きつけてから冷静にWTB菅野につなぎ、電光石火のノーホイッスルトライとなりました。SO井上のゴールも決まり、前半36分24−7と、すぐさまリードをキープします。 |
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よし、前半もう1本、とばかりに慶應キックオフからボールをつなぎ、相手陣に攻め込むSWでしたが、ノットリリースから一転、慶應が速攻。SH細川が捨て身のタックルでピンチを防ぎますが、ここでSH細川が左膝を痛めて交替。今日の登録メンバー唯一のSHが離脱し、不安がよぎる中でハーフタイムとなりました。 |
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後半、メンバー大きく入れ替えて臨むSWは、風下ながらキックオフのコンテストからいきなりボールを奪って敵陣深くに攻め込みますが、SHに入った井上がテンポよくフォワードを前に出していくところ、ノットリリースから風を利してのロングキックで戻されます。
それでも、SW自陣10m付近ラックから、SH井上、SO小原義巧(のりよし)、ルーキーLOアンドリュー・スティード(アンディ)につなぎ、オフロードでCTBロタへ。すると、ロタが相手のタックルをモノともせず一気に加速、最後は追いすがるディフェンスをハンドオフして、60mの独走トライ。SO小原のゴールも決まり、後半2分早々に31−7と引き離します。 |
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次のキックオフもSWがリターンキック。慶應が自陣からつないでいこうとするところ、後半から入ったルーキーWTB山本将太が、FL江幡誠弘がナイスタックルで相手の突進を止めると、これまた後半入れ替わった第一列、PR長沼英幸、PR斉藤芳、HO高橋拓也が次々絡んでターンオーバー。さらにSO小原のゴロパントの処理でもたつくところを攻め込んで、敵陣ゴール前スクラムとなります。ゴールは目前、たたみかけようと何度もサイドをつくSWでしたが、ここは追加トライを許すまいと決死の慶應ディフェンスが粘り勝ち、ついにターンオーバーを許し、逆に自陣に攻め込まれるSW。
ロタが前半と番号違いのジャージを着替えるハプニングもありましたが、慶應のアタックを、またもLOラタがもぎ取ってカウンター。WTB山本、奥田がゲインしてラック、さらにSH井上からパスを受けたPR斉藤がタックルを弾き飛ばして走り出て、FB吉田尚史、FL須田が続き、あと一歩のところまで攻め込むものの、惜しくもノッコン。
すると今度は慶應が反撃、再び自陣からボールをつながれてゲインを許すと、グラバーキックが不規則にバウンドして抑えられ、あっという間にゴール前へ。ここはSO小原が必死に絡み、あわやのところで相手がノッコン。
攻守が目まぐるしく入れ替わり、一瞬たりとも気が抜けない時間帯が続きます。
しかし、ここでチャンスを活かしたのは慶應でした。自陣深くのマイボールスクラムから、左に大きく展開して突破を図ろうとするSWですが、WTB奥田のゴロパントを逆にカウンターで相手WTBに持ち込まれ、再び自陣ゴール前のディフェンスを強いられると、ペナルティから相手HOにクイックで一気に飛び込まれてトライを許してしまいます。後半20分31−12。 |
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続くSWキックオフ、押し込んだところで取りきれず、逆にスコアされる嫌な流れを断ち切れません。いい出足ながらも惜しい反則でハーフラインまで戻され、攻める慶應に、FL江幡がナイスタックルで出鼻をくじき、FB吉田がキックで、ランで陣地を挽回し、激しいディフェンスで幾度もターンオーバーを見せますが、パスミスからゴール寸前まで攻め込まれたり、ラインの隙を突かれて相手WTBに一気にゴール前に持ち込まれたり、あわや連続トライかという危ないシーンが続き、スタンドに悲鳴と声援が交錯します。
しかし、耐えてスコアを許さないSWは後半29分、自陣での相手ラインアウトの乱れを逃さずFL江幡がキャッチしてゲイン。さらにLOラタが続いて中央のラックから、SH井上が捌き、FB吉田がクイックパスでWTBレオにつなぐと、あとはレオの独壇場。相手をかわして、ステップを切って、走りに走って60m超の独走トライ。38−12と試合を決定付ける追加点をあげました。 |
それでも最後まで諦めない慶應は、続くキックオフからSWのハンドリングミスに乗じてターンオーバー。スクラムから攻め立てられ、キックパスを狙われたものの、すんでのところでWTB菅野が抑えてドロップアウトに。
ここからSWは、ドロップキックを小さく蹴ってたくみにつなぎ、FB吉田、WTB奥田が大きくゲイン。ノットリリースで一旦は慶應のアタックとなるものの、FL佐伯、FL江幡とポイントにからんでターンオーバー。すかさずSHに入った小原がゲイン、さらにSOに入った吉田が相手のラインが整わないところを抜け出して一気に敵陣深くに進みます。LOラタ、FL佐伯とつないでのラックから、今度は吉田がSHの役目でボールを出してWTB山本へつなぐと、山本がパスダミーからラインの間を抜けて突進、オフロードで受けたCTB森山がタックルをかわし、中央へフィニッシュのトライ。小原のゴールも決まり、最終スコア45−12でノーサイドとなりました。 |
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次回の試合は、5月27日(日)秩父宮ラグビー場でのジャパンセブンズ参戦を挟み、6月10日(日)北上招待試合(北上総合運動公園 12:00キックオフ)で、トップウエストの雄・豊田自動織機シャトルズと対戦します。
今後とも、釜石SWにご声援の程よろしくお願いいたします。 |
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