【公式記録】 |
◇公式記録(岩手県ラグビー協会HP)
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【ゲームウォッチングレビュー】 写真:事務局 |
◆ 見えざる信頼の糸を成さんと、晴れやかな10周年の船出を飾る!
〜 IBC杯 vs慶應義塾大学戦 〜
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去る4月25日(日)、ファン交流会「アスレチックパーク」が開催されました。主催の釜石応援団、協力の釜石青年会議所、小さな風、橋野どんぐり広場、中妻中央通り商店会の皆さん、後援の蟹BC岩手放送、東山堂、東北ペプシコーラ販売鰍フ皆さん、たくさんの方々のご尽力により、晴天に恵まれた上中島グラウンドには、150人ものサポーターが来場。選手たちと一緒に、オリジナルメニューのミニ運動会とランチ交流会のピクニックで楽しいひと時を過ごしました。温かいお気持ちをいただき、誠に有難うございました。
折しも4月25日はSWの満9歳の誕生日。これからいよいよ10年目に突入、ひとつの区切りとなる年であり、さらにはトップリーグ昇格のまたとないチャンスとなる年でもあります。
5月9日(日)には松倉グラウンドでのABマッチが開催されましたが、クラブ内セレクションマッチが組めるようになったことも、10年の星霜のなせる業。新人選手の加入も大型補強もあり、岩手出身のフレッシュ加入ありと、何とも楽しみな10周年のアニバーサリーシーズンも、いよいよ地元試合目白押しのプレシーズンマッチに突入しました。
5月16日(日)、すがすがしい五月晴れの盛岡南公園球技場。第45回IBC杯招待ラグビーで、背景にそびえるは雪渓の岩手山、迎え撃つは日本ラグビーのルーツ・慶應義塾大学。タイガージャージに身を包み、粘り強い試合展開と鋭いタックルを武器に大学日本一を狙う、学生ラグビー界屈指の強豪です。
会場には、潟香[ソンさん、ミズノ叶ァ作グッズ取り扱いのニューフレンドさんも、お馴染みのスタジアム販売に駆けつけて、SWテントではSWマスコット“なかピー”が復刻版のシールシートや応援ウチワを寄付販売。
会う人、会う人、あいさつは、今年もよろしくお願いします。10周年ですもんね。すごい補強ですね。外国出身の新人選手の二人ってどの人かしら。菅野くんと新人の須田さんはNZにいるんだ。馬渕は心配しなくていいそうだ・・・などと、銘々が応援話、四方山話に花を咲かせます。
前座の岩手中学選抜も勝利、黒沢尻工業も好ゲームを見せ、試合開始時には2,100人もの観衆が詰めかけて賑わいを見せるスタジアム。SWが姿を見せるや、一斉に打ち振られる県内外から集まった大漁旗の波。長らくお待たせしましたプレシーズン開幕ゲーム、10周年の船出となる一戦をレポートします。
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時折、強い南風が舞う盛岡南スタジアム。13:05定刻にSWが風下からキックオフ。
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平均体重差10キロ以上、見て取ってわかるサイズの違いもあり、貫禄でボールを支配するSWフォワード。前半5分、出足鋭いディフェンスから相手の反則を誘い、ラインアウトからゴール前ラック。タックルで粘る慶應に、容赦なく連続ラックで攻撃し、機を見てSH長田が早い球捌きで左オープンに展開。SO小原が一人飛ばして、今日はWTBに起用された佐々木天晃が待ってましたとばかりに発奮の気迫溢れるアタックで、あっという間に相手インゴールに駆け込みゴール下に回りこんでトライ。WTB津嶋のゴールも難なく決まり、前半6分に7−0と先制します。
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[佐々木天晃選手] |
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[小野寺選手] |
慶應の鋭い出足とスピードと果敢なタックルもさるものながら、SWはパワーでもスキルでも1対1で勝り、スクラム、ラインアウトのセットも支配、ディフェンスが振り切られることもなく、これは大量得点が期待できるかという展開も、相手陣深くまで攻め込みながらもう一歩のところで反則を犯して戻され、2度のラインアウトモールも押し込みきれず・・・と、どうにももどかしい時間が続きます。
粘る慶應をほめるべきか、と思った前半32分、ここまで押し切れなかったラインアウトモールを今度は確実にスコアに結びつけ、HO小野寺がトライ。ゴールはならなかったものの、12−0と追加点を奪います。
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気落ちした感の慶應に、ここは畳み掛ける場面、というゲームマネジメントをしっかり敢行。怒涛の連続攻撃から佐々木天晃がライン突破し、フィニッシュはキャプテンアラティニのトライ。難しい位置から津嶋のゴールも見事に決まり、前半37分に19−0とリードを広げ、ハーフタイムとなりました。
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[アラティニ選手] |
今日の試合には、ヤクルトから加入のFLラタルイと、コカ・コーラウエストから加入の元日本代表CTB武蓮傳ニールソン、そして2年目のPR浜野旭が先発。さらにリザーブには、HO吉田竜二、SH細川諭、SO井上益基也の大卒新人3名と、2年目のLO佐々木陽丞、WTB赤井優太が控え、非常にフレッシュなオーダーとなりました。新戦力を、若い力を試す場でもあるオープン戦、ゲーム展開によって次々と新しい力を投入していきたいところ。
まずはスコット・ファーディ、赤井をアラティニ、佐伯と入れ替えて、後半のキックオフです。
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[小野寺選手] |
後半に入っても、ゲームを支配し続けるSW。7分、スクラムから左に展開、最後は、本日初の釜石コールに乗ったモールドライビングを押し込んで、HO小野寺が今日2本目のトライ。FBミラーがプレースを決めて26−0とさらにリードを広げます。
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ここでPR佐々木和樹が長沼と交替。和樹は昨シーズンいわきでNTTコミュニケーションズを追い詰めた大健闘の負傷以来の復帰戦です。気合十分にスクラムプッシュとサイドアタックで本領発揮します。
続けて、盛岡工業出身のルーキーSH細川が長田に代わって出場。すると、後半16分に連続攻撃からWTB赤井が対面をかわして相手ラインの裏へ抜け、すかさずFBミラーがフォローして走りきってトライ。ミラーのゴールはならなかったものの、31−0の大量リード。 |
[ミラー選手] |
さらにSWは、HO吉田、SO井上のルーキー投入。小野寺、小原に代わっての要のポジションを担えるかというところ、続けざまに保坂に替えてLO佐々木陽丞も投入。
フレッシュマンたちはやる気十分の躍動感が売り物ではありますが、ラグビーには選手同士が見えざる糸でつながっているかのような連携が大切で、それは信頼感と日ごろの練習から培った感覚や息遣いが生み出すもの。アタックもディフェンスも、ユニットで動いているラグビーの見えない信頼のつながりは、そう簡単に実現できるものではありません。比較的に個々のレベルの高い武蓮傳ニールソンやラタルイでも、周りの選手たちと意気が合うには時間を要します。ましてや大卒のルーキーたちの、信頼の糸を手繰り寄せながらのプレーには、さすが慶應の選手たち、ここぞとばかりに付け入ってきます。
ラインアウトから、相手FBにディフェンスユニットの隙をつかれて大きくゲインされると、自陣ゴール前で犯した反則からの早いリスタートで、最後はFLに鮮やかに突破され、後半29分にやらずもがなのトライ、ゴールを献上。31−7となりました。
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一本取って勢いづく慶應に、受けに回ってしまうところ、すんでのところでWTB佐々木天晃そしてWTB赤井のタックルが功を奏し、何とか耐えきったSW。ここから一転、相手陣内に突き刺さっていきます。FL岡崎、スコット・ファーディが鋭くアタックするフォワードに、オープンに素早く展開し、津嶋がつないで最後はミラーが鮮やかなトライ!・・・かと思いきや、惜しくもタッチラインを踏んだとの判定。それでも、最後までトライを狙って攻め続け、相手を敵陣に釘付けにしたままノーサイド。10周年の緒戦を、見事な快勝で飾ることとなりました。 |
「この試合からスタート。精度を上げていって、ダイナミックなラグビーをやろう」
気持ちを込める池村HCのコメントに、チームをつくりながら、レギュラー争いにしのぎを削る選手たちが応えます。
ここから、まだ遠い秋のリーグ戦まで、待った無しのプレシーズンマッチの連続。見えざる信頼の糸がつながって、トップリーグまでの厳しい道のりを乗り越えていくであろうSWに、益々期待が膨らむ一戦となりました。
続くプレシーズン第2戦は、時期を移しての開催となる釜石ラグビッグドリーム。
5月23日(日)松倉グランドに大学選手権覇者の帝京大学を迎え、A、Bの2試合を行います。Bが12:00、Aが14:00キックオフで、観戦は無料です。
前日には、一般参加の方も交え、釜石湾をクルーズする観光船はまゆりでの歓迎パーティが行われます。18:00出港で大人3500円、子ども(中学生以下)1000円のディナークルーズ。SW、帝京の選手も全員参加のうえ、釜石市の上村副市長に観光ガイドを努めていただけることになりました。
どんどん進んでいくプレシーズンの中で、蓄えたSWの逞しさと強さに加えた連携を見せてくれることを期して、今後とも熱烈応援の程をよろしくお願いいたします。
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[津嶋選手] |
[小野寺選手] |
[津嶋選手] |
[ニールソン武蓮傳選手] |
[ラタルイ選手] |
[FW] |
[FW] |
[ミラー選手] |
[FW] |
[お礼の挨拶] |
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