【公式記録】 |
◇公式記録
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【ゲームウォッチングレビュー】 写真:事務局 |
◆ 大学王者との激戦に舞う大漁旗、華やかな地元開幕戦を勝利で飾る!
〜 釜石ラグビッグドリーム vs帝京大学戦 〜
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釜石ラグビッグドリームは、釜石市と釜石市ラグビー協会、そしてSWが協力し、ラグビーを核としたスポーツのまちづくり推進を図る事業。小中学校への出前講座とタグラグビーウインターフェスティバル、そして招待試合を通じ、釜石市内でラグビーを「する」、「見る」体験の場を設けています。
今年の招待試合の相手は、4年前にもラグビッグで来釜した帝京大学。昨年、悲願の大学選手権初優勝を成し遂げ、「大学日本一」の栄冠をかかげての再来釜です。4年前の試合では苦杯をなめたSWですが、トップリーグを狙えるところまで成長した力と、岩手釜石の誇りをかけて、負けられないところ。
前夜には行われた観光船はまゆりでのサンセット・ディナークルーズ(歓迎会)では、上村副市長からSWの活動内容と支援の様子を伺ったり、湾内を行く先々でガイドをいただき、雰囲気も上々。有志差し入れのカモメのえさで、カモメやウミネコ、ときにはカラスやトンビにまでえさやりをする選手たち。帝京もSWも、一緒になって楽しみました。
試合当日、早朝のチリ地震避難訓練の緊急放送で起床するという沿岸ならではの経験をした帝京大学選手43名は、これまた沿岸ならではのやませの霧のかかる街中を通り、一路松倉へ。
一方、松倉グランドには早くから釜石高校、釜石商工高校のラグビー部員を中心に、SWを支えてくれる方々が集まり、招待試合の会場をしつらえます。
待ちに待った地元開幕戦に、続々と集まるSWサポーター、街中のファンの皆さん。IBC杯では、帝京大学と鎬を削る対抗戦の雄・慶應義塾大学を相手に好調なプレシーズンスタートを切ったばかりのSWが、どういう戦いを見せるのか。 |
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折からのやませで、季節はずれの寒さとなった松倉グランド。見る方は寒くても、試合コンディションは最良。熱い試合で、心も体も温まりたいサポーターが待ち構える中、Bチーム快勝の勢いに乗って、内容のある勝利を期し、Aチームが登場。14:00SWキックオフでスタートしました。
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深紅のジャージも鮮やかな帝京大ではありましたが、一瞬、立ちすくんだような立ち上がり。その隙に食らいついたSW。ペナルティからのカウンター攻撃で、いきなりFBミラーがパントを自らキャッチしてのビッグゲインを見せると、怒涛のラッシュでゴール前にラックをつくり、SH長田からNo.8佐伯が鮮やかに抜けて、開始1分で目の覚めるような先制トライを奪います。WTB津嶋のゴールも決まり前半1分7−0。
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[佐伯選手] |
[ミラー選手] |
まだ目覚めない様子の帝京に、攻撃の手を緩めないSW。ペナルティをもらうや否や、SH長田が速攻を仕掛け、FL岡崎、ルイ、LO三浦、HO小野寺と続きます。PR浜野、長沼、LO佐々木陽丞も加わりモールで前進。バックスに展開するやCTBアラティニの目にも留まらぬパスワークからWTB佐々木天晃が相手ラインを突破して、サポートに走りこんだFBミラーにパス。一人二人とディフェンスをかわし、ゴールを駆け抜けるミラーに、松倉スタンドからはやんやの拍手喝采。WTB津嶋のゴールも危なげなく決まって、前半10分で14−0。
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FBミラーの鮮やかなカウンターアタックや、SO小原の巧みなパスワークなど、バックスは攻守に勝り、フォワードの個々の攻撃にも効き目が見られる内容に、これは快勝ムードかと思われましたが、マイボールを確保できていたラインアウトに比べ、重量FWを擁する帝京の圧力に、スクラムはファーストスクラムから相手に牛耳られた感のある苦しい展開。さらに相手ボールのラインアウトは長身の留学生に確保され、防戦に回る場面も出てきます。自陣ゴール前に押し込まれても粘りのディフェンスを見せ、個人技と連携で対抗しつつ、一進一退の攻防を繰り広げていた前半19分、マイボールスクラムを回されると、その後のスクラムから右に展開され、最後は下がるバックラインの防御をつかれてスピードに乗った相手WTBにトライを許します。ゴールも決まって14−7。
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1トライを返して勢いに乗る帝京に対し、その後もスクラムが劣勢、自陣の攻防となる時間帯が多かったものの、気合いの入ったタックルでゲインを許さず、逆にSO小原→WTB佐々木天晃の連携でビッグゲインを見せるなど、相手ゴールに迫る場面もありましたが、あと一歩つながらず。そのままのスコアで前半終了となりました。
ハーフタイムには釜石応援団「がんばれSW」と故菊池昭八さん追悼「鉄人賛歌」が流れて、盛り上がるスタジアム。プレシーズンマッチとはいえ、10周年シーズンの地元開幕戦を飾るために意地でも勝ちたいSW。再度気合いを入れ直し、後半に挑みます。
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迎えた後半、帝京のキックオフから、一気呵成に攻め入ってくる帝京大学。ゴール前で得た反則から、前半優勢のスクラムを選択して一気に押し込まんとするところ、そうはさせじと釜石FW陣が意地のターンオーバー。きっちり陣地を挽回し、相手陣での攻防を展開します。
後半18分、SWフォワードのラインアウトから2度3度にわたるモール攻撃が功を奏して、バックスに展開し、SO小原、WTB佐々木天晃から最後はFBミラーが相手ディフェンスを見事に抜ききってトライ。ミラー自身がゴールも決めて、21−7と突き放しにかかります
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[ミラー選手] |
ところが、リスタート直後の後半21分、ダイレクトタッチからの相手ラインアウト、サインプレーでライン際をするすると抜けた相手HOにそのまま飛び込まれ、21−12と再度の追い上げを許します。
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[モール押し込み] |
それでも、キックオフから、相手の出鼻をくじくようなWTB津嶋のダイレクトキャッチからチャンスを広げるなど、決して相手に主導権を渡さないSW。すると、後半も残り10分となったところ、自陣スクラムから右に展開し、バックス陣が一気にゲイン。相手の反則で得たG前ラインアウトから、もはやお馴染みの釜石コールに乗ったドライビングモールをきっちり押し込み、最後はHO小野寺がトライ。FBミラーのゴールも難なく決まり後半32分28−12と、シーズンであればボーナス点を得る4トライ目をあげました。
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さあ、残り時間でもう一本、といきたいところでしたが、そこは大学王者の意地。スコア直後のSW防御の隙をついて押し込むと、SWは反則をとられつつ後退。ラインアウトから流れるようにボールをつながれると、最後はトップスピードに乗ったバックスに鮮やかにラインを突破され、トライを献上してしまいます。後半35分28−19と、なかなか差が広がりません。
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三度突き放しにかかるSWは、キックオフからとまらぬフォワードの連続攻撃に、スピードあふれるバックスがからみます。ショートパスを次々とつなぎ、LO三浦からWTB佐々木天晃、最後はFBミラーが抜けました。ゴールはならなかったものの、後半38分で33−19。ダメ押しとも言えるトライに、そして本日11度目となる大漁旗ランを見せてくれた高校生ラガーに、大きな拍手が巻き起こりました。
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[ミラー選手] |
あとワンプレーの残り時間のキックオフも、すかさずSWが攻勢に転じ、相手陣へ攻め込んで左へ展開。おっと、これはもう一本追加するかと思われた矢先、相手バックスの一か八かのインターセプトを決められて、再三再四のリターントライを許してノーサイド。結局、33−26の最終スコアとなりました。
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“A、Bともに、自分たちの強みもよくわかったけど、セットを含めた弱みもよく掴めたと思う。勝ったことに加えて収穫の大きかったこのゲームを活かして、ベストシーズンにするために、これからどんどん上げていこう。”
素早い攻撃、鋭く突き刺さるタックル、はたまたどっしりと固くバインドされたスクラムで、元気溌剌な大学王者に苦しめられたSWではありましたが、池村HCからも発奮された選手たちは、学生にも負けない、溌剌とした面持ちで応えていました。
次のプレシーズンマッチは、1週おいて6月6日(日)13:00キックオフ、第12回北上招待試合。三洋電機ワイルドナイツを迎え撃ちます。
また、前座のイーハトーブリーグ公式戦は、11:00キックオフ、SWBが北上矢巾ブレイズラガーと対戦します。
日本一の大学を相手に勝利を収めた勢いで、日本一のチームを相手に臆することなく戦ってほしいSWと、イーハトーブリーグで絶好調の相手に強さを示してほしいSWB。
次回の楽しみなカードに向けて、さらなる成長を遂げていくSWに、益々の応援をどうぞよろしくお願いします。
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