【公式記録】 |
◇公式記録
※釜石SWの交代記録訂正 |
後半 9分: |
14 → 22 |
を |
15->22 |
に訂正 |
後半 9分: |
15 → 18 |
を |
4->18 |
に訂正 |
|
|
【ゲームウォッチングレビュー】 写真:事務局 |
◆ 乾坤一擲の気迫を跳ね返し、見事に必昇の船出を飾る!
〜 トップイーストリーグ第1節 vsセコムラガッツ戦 〜
|
SW2010、クラブ創設10周年記念シーズンでもあり、歳々続けた強化の集大成をはかる年。SWの誕生からの軌跡のマイルストーンともなる期待のシーズンが到来しました。
トップリーグ必昇をかけた地元での初の開幕戦ながら、これまでのSWの苦難の歴史を物語るかのような大雨の前日予報。大入りと大勝を期待していた熱気あふれるサポーターに水を差すような雨試合か、と思いきや、松倉の雨雲は、ファンの思いに応えるかのように天上高くに退いて、なんとか凌げるラッキーな曇り空となりました。
前座のイベントでもあった第1回セブンスアカデミーは雨天練習場で開催されたものの、試合会場には続々とSWサポーターが押し寄せてきました。会場受付では、釜石応援団はじめボランティアの皆さんが、10周年記念マフラータオルやマグネットシール、SWと街の元気券を寄付販売。マフラータオルとマグネットシールは松倉公式戦の入場の証ともなり、飛ぶように売れていきます。SWスポンサー企業の厚志で実現した子育て支援企画の市内小中学校生徒、幼稚園児の家族への記念アイテム引き換えも盛況で、雨曇りのお天気にもめげずに大入り。SMC鰍ウん提供の駐車場では、ALSOK岩手鰍ウんの警備員ご案内で、どんどん車がつめかけて、キックオフ直前に満車となり第2駐車場に回る大入りの状況。
会場内では、釜石商工会議所青年部の用意してくれた応援カレー330食がふるまわれ、釜石鉱山樺供の仙人秘水を飲みながら応援の腹ごしらえ。中田薬局「なかピー」が愛嬌をふるまくスタジアムには、県内のみならず東京からも関西からも、記念シーズンの地元開幕を見逃すまいと新参古参のファンの皆さんが応援来征して盛り上がります。ピタ・アラティニの奥さんミーガンの両親も初めて、遠く南アフリカから駆け付けて、さらに阪神低温鰍ウんは中国の職業研修の娘さんを中心に40人の応援団でバックスタンドに華を添えて、洋の東西とりまぜた大応援団のスタジアムとなりました。
初戦の相手は、昨年イースト11位のセコムラガッツ。過去トップリーグを何度も経験した強豪ながら、会社の強化打ち切りを受け、志ある社員による活動が続いています。しかし、昨年の開幕戦では、気迫溢れるプレーであわやの4点差まで追い詰められました。昇格に向けて意気上がるSWに、プライドをかけて一泡吹かせんと、雪辱を期す思いは相当なものです。
雨の中、朝早くから会場準備に汗した釜石市ラグビー協会と釜石商工高校、釜石高校ラグビー部の皆さんが試合開始に備えて持ち場につき、両チームのアップも掛け声こそ勇ましいものの、緊張感の中で粛々と終了。ついにやって来た、SW10周年シーズンの驀進スタートとなるキックオフです。 |
|
時折の小雨、仙人からの風をフィールド横からやや受けて、13:00、セコムのキックオフでスタート。 キャッチの後、カウンターキックに出るところ、気合の入ったセコムのラッシュに、ラックをつくって体制を整えるSW。SO小原のキックが相手陣深くにささるものの、セコムFBの高く深いハイパントに戻されて、やや守勢に回るSW立ち上がり。 |
想像以上の気迫、激しさに、固いディフェンスを見せながらも面食らったようなSW。セコムは攻め手を阻まれたと見るや、荒天を利するようなキックで攻め込んできて、苦しいSWの反則から、前半早々の2分にペナルティを狙われてしまいます。
幸いショットは外れたものの、立て直しに手間取るSW。セコムのラックオーバーに苦しみ、カウンターも互角の内容に、去年の開幕の苦戦を思い出しかけた時、SH長田がリードするSWフォワード陣、FL須田、佐伯、No.8馬淵の小気味いい連続攻撃からチャンスを広げ、ペナルティから相手ゴール前のラインアウトへ。
得意技のひとつ、ラインアウトモールでのトライの期待のかかるところでしたが、セコムもさるもの、勘どころを抑えてモールを動かさないところは研究を重ねたか、と見るやSWはLOルイラタのサイドアタックから一旦は相手スクラムにされたものの、ペナルティを得たところで、SH長田からCTBアラティニ、WTB津嶋へと速攻パスでトライ。相手の隙をつく初トライに、観客もやんやの大歓声です。津嶋のゴールは惜しくも外れたものの、前半12分5-0と先制。 |
[津嶋 俊一選手] |
[津嶋 俊一選手] |
さあ、攻めていくぞ、というリスタートのキックオフ。試合開始と同じように、ポイントをつくって敵陣にキックで攻め入りますが、またもや相手FBのカウンターキック。しかし、ここはFBミラーが18番のカウンターでライン際をぐんぐんと相手ディフェンスが裏返るまでゲイン。チャンスにフォローするCTBアラティニ、続くCTBニールソン。やったトライか、と思いきや、次にパスを受ける味方がポコっといなくなり、ターンオーバーされてチャンスを逸します。
それでも相手アタックを完璧なまでに止めきるSW。PR斉藤、LO佐々木陽丞もラックサイドを許しません。苦し紛れの相手キックをカウンターで前に出るSW。でもまた惜しいところを反則で返されて、自陣のディフェンス場面も何度か繰り返す、どうにもスコアできない、苦しい時間帯が続きます。
ようやくスコアが動いたのは、後半33分。ターンオーバーからWTB菅野が切れ込んでチャンスをつくり、HO小野寺、LOルイラタと続けざまのサイドアタックで、あと一つのところ、相手のオーバーがしつこくからみペナルティ。激しいボールの奪い合いに、やや争う両チームの選手たちでしたが、冷静になって、均衡を破ろうとSWはショットを狙い、WTB津嶋が見事に決めて8-0とリードを広げました。 |
PGが功を奏したように、続くキックオフでは、相手FBに切り込まれるものの、見事にターンオーバーして、バックスラインが駆け抜け、WTB菅野へ。ゲインした後ラックをつくり、押せ押せの展開となるも、相手のペナルティ。ここはタッチキックでゴール前ラインアウトから得意のモールに持ち込むも、またもセコムは決死のディフェンスを見せて前進を許さず。と、隙をつくSWバックスのライン攻撃はエキストラのWTB津嶋がゴール間際まで迫り、SH長田の早いさばきから、No.8馬渕がディフェンスを引きつけて、CTBニールソンにつなぎ、最後は回り込んだSO小原へ。SWの持ち味、どこからでも攻められる波状攻撃が炸裂し、後半37分13-0とします。 |
[小原 義巧選手] |
よし、もう1本、とスタンドから声がかかるところ、直後のキックオフから、キックオフサイドの反則を取られたSW。気をつけなければならない時間帯に、相手のショットを許し、13-3。
前半終了間際には、HO小野寺の猛ラッシュビッグゲインからゴールライン目前に迫るシーンを見せますが、やはりもう一歩のところでスコアできず。そのまま13-3とリードしてハーフタイムとなりました。
|
雨天のコンディションもあってか、足をとられたアタックの不発やハンドリングミス、不用意な反則のタイミングの悪さも手伝って、今一リズムに乗れないSW。後半こそトライラッシュを、と、SW10周年記念マフラータオルをかざす応援で一丸となったスタンドの歓声に応え、後半SWのキックオフでスタート。と、飛びすぎたボールに相手スクラムから、自陣のラインアウトになるも、それもミスで相手スクラムに。ポイントからの相手アタックは100%止めきっているSW。ゲインを許さず、チャンスを見出すも、中盤のラインアウトでのミスや、しっくりしないスクラムのタイミングなど、すっきりしないまま時間が過ぎていく様子。
逆に相手のディフェンスが調子を取り戻し、ターンオーバーされて自陣に攻め込まれるSW。ミラーの故障もあって、佐々木天晃とLOスコット・ファーディを投入。流れを変えて、なんとかペースを取り戻そうとSWは、CTBアラティニが切れ込んでチャンスをつくりますが、マイボールのラインアウトを活かしきれず、相手カウンターを浴びてしまいます。LOファーディのケガ治療中、自陣中盤の相手ラックで、戻りきれないままペナルティを許し、さらに自陣奥深くまで攻め込まれ、No.8馬渕がもぎとりターンオーバーから反撃するも、逆にカウンターを浴びて、ゴール前の防戦に。危ないシーンの連続から、ついに相手FBにラックサイドをすり抜けられて、ゴール真下にトライを許します。ほぼ中央のゴールも入り、13-10と追い上げられるSW。
|
暗雲の模様となったSW。リスタートのキックオフはWTBに入った佐々木天晃が捨て身のジャンプタップ。不意をつかれた相手のひるむ隙にゲインを重ねるSW。 |
[菅野 朋幸選手] |
PR斉藤のサイドアタックからチャンスかと見えた矢先、オフサイドをとられ、これでもかと言うくらいにリズムに乗れない状態。行きつ戻りつ、双方決定的なチャンスを作れない、我慢の時間が続きます。この苦しい時間帯にSWを後押ししたのが、サポーターの大きな声援、そして、スコアのときにしか翻らないはずの大漁旗。眼前で闘う選手たちに届け、とばかりに打ち振られる大漁旗に押されるかのように、残り20分を切ったあたりから、鍛え上げられたFWの圧力がセコムFW陣を飲み込み始めます。自陣ラインアウトから、それまで阻まれたモールを押し込み、フォワード一体でビッグゲイン。これに参ったセコムのディフェンスが崩れるところを見逃さず、バックスが一気呵成に攻め立てます。二度三度と相手ゴールを脅かすSWの追加トライは後半28分、ハーフウェイライン付近からモールで大きくゲインすると、そこから次から次にパスをつなぎ、サイド攻撃をしかけ、またもバックスに展開。最後はWTB菅野が飛び込んでトライ。ゴールはなりませんが、3本目のトライで18-10とします。
|
ここから、モール、スクラムで圧倒し、相手ディフェンスラインを突破し出したSWの、どこからでも仕掛ける波状攻撃、ダイナマイトウェイブが炸裂。まずは後半35分、相手陣ラインアウトからオープン攻撃を仕掛けて、WTB津嶋からパスを受けたSH長田が走りこんでトライ。フォワードのつくったチャンスをバックスがつないでトライするベストな形で値千金の4トライ目を奪い、しっかり勝ち点ボーナスをゲットしました。なんともこの日、ゴールの入らない津嶋でしたが、これで23-10。
|
[長田 剛選手] |
[佐々木 天晃選手] |
さらに、次のキックオフをがっちりキャッチしたLOスコット・ファーディを中心にモールから、ぐんぐんゲインしたSWは、そのままゴール前までなだれ込み、ラックから左オープン。CTBニールソンのパスキックを巧妙にWTB佐々木天晃がキャッチしてインゴールへ。ゴールはならなかったものの、あっという間の速攻で後半37分に28-10。
|
FL岡崎とルーキーSH細川、SO井上も投入し、攻撃を緩めず、攻めに攻めたSWは、フォワードががっちりモールでゲインし、バックスライン攻撃、最後は鮮やかなWTB津嶋のグラバーキックパスで、WTB菅野がファイナルトライ。フィニッシュは、津嶋がこれぞ右のスーパーブーツと思わせる難しいゴールを鮮やかに決めて、35-10となってノーサイド。見事な開幕戦の大勝の戦果に、沸きに沸く歓声に包まれた松倉でした。
|
[菅野 朋幸選手] |
「まずは勝ち点5の勝利、おめでとう。でも、序盤、激しさで負けていたこと。終盤、うちの攻めが出来たこと。トータルで合格には至らず。SWの力はこんなものじゃないはず。次から気合い入れなおしてかかろう。」
相手を押し戻す激しいタックル、最後には突進したフォワードのモール、そして連係が小気味よかったバックスのアタックと、いいところは随所にあった試合内容ながら、立ち上がりから相手の気迫に押され気味だった開幕戦の、それでも盤石な勝利に、喜びよりも、かみしめるもののあった選手たちでした。
セコムラガッツは、チームの窮状もあり外国人抜きとはいえ、大学、トップリーグと歴戦のつわものが揃ったチーム。夜勤明けも数名いた中、乾坤一擲の覚悟で乗り込んできた相手の気迫に、見習うことも多かったSW。
長いシーズンの幕開け、今季こそトップリーグ昇格の目標を果たす文字通りの記念すべきシーズンになるよう、勝負に挑むSWにとって、ここまで越えてきた苦渋の道のりは体躯に刻み込まれたもの。
挑戦者の気迫を取り戻し、次も突破してほしいという気持ちを翻し、色とりどりの大漁旗が、いつまでも松倉グランドに踊っていました。
第2戦は、19日(日)13:00、盛岡南公園球技場で、2年ぶりとなる日野自動車レッドドルフィンズの挑戦を迎え撃ちます。
|
[アラティニ選手の激しいタックル] |
[佐々木和樹選手,小野寺政人選手,斉藤芳選手] |
[チャージにいく佐伯悠選手、後ろ馬渕勝選手] |
[ボール押し込むが・・・] |
[津嶋俊一選手のゴールキック] |
[ラインアウトをしっかりりキャッチする佐々木陽丞選手] |
[持ち前の走力をいかし走るHO小野寺政人選手] |
[アラティニ選手からのパス、手前佐伯選手、後方斎藤選手] |
[タックルをかわしながら走る菅野朋幸選手] |
[必死のボールをつなぐBKS陣] |
[力強くスクラムを組む若きPR3佐々木和樹選手] |
[タックルされながらも必死にボールをキープする菅野朋幸選手] |
[怪我から復帰して大活躍の佐々木天晃選手] |
[力強く突進する馬渕勝選手] |
[公式戦デビューのSH細川諭選手] |
[ダメ押しトライへ繋がる津嶋選手へパスする武蓮傳選手] |
|
沢山の応援有難うございました。
|
|
|
|