【公式記録】 |
◇公式記録 |
|
【ゲームウォッチングレビュー】 写真:事務局 |
◆ 聖地での「呪縛」を解き放ち、連勝街道を驀進!
〜 トップイースト第4節 vs日本IBMビッグブルー戦 〜
|
SW2010、第4戦は今季初の遠征試合。地元岩手で開幕3連勝、勝ち点15を取りきって、意気揚々と秩父宮ラグビー場に乗り込みました。
前日までの雨雲もかき消され、暑いくらいの陽気の秩父宮には、朝早くから駆け付けたサポーターと事務局ボランティアがSW受付テントや大漁旗を自ら拵えて、続々詰めかける応援サポーターを出迎えます。優待チケットとセット販売の10周年記念アイテム「マフラータオル」、選ぶのも楽しい応援グッズの缶バッジ、応援軍手も好評で、東京開催を待ちわびていたサポーターへの売れ行きも上々です。
さらに、岩手地域特産の「エーデルワイン」と「くずまきワイン」応援ラベルワインと浜千鳥SW応援純米酒、本醸造の試飲会に加えて、浜千鳥SW応援上撰カップのプレゼントもあり、ほろ酔いサポーターはSW勝利の前祝い。パステルなめらかプリンは4種の味でSWをバックアップ。さらに、新調なった3種類の岩手県交通安全ポスターが飾られて、そのままかたどった10周年記念ハガキは3枚組500円で好評販売。中田薬局SW応援「なかピー」も愛嬌をふりまき記念撮影。
やんややんやと大賑わいのSWテントから、スタジアムに移れば、SW応援に秩父宮デビューのピンクダイヤモンドのフラッグダンスチアのショーがSW応援ムードをさらに盛り上げます。
今回の相手、日本IBMビッグブルーは昨年リーグ9位。強化撤退のあおりで外国人選手がおらず、部員数も少ないものの、リーグでも数少ないトップリーグ経験チームだけあって強者揃い。現在、SWで活躍しているFL須田康夫選手も昨年までプレーしていました。
昨年は劇的な環境の変化もあり、試合に集中するのも難しかった部分もあったと思われますが、今年はその環境の中での戦い方を会得したかのように、春のオープン戦から好調をキープ。ここまでリーグ戦では2勝1敗、SWにとって油断ならない相手と言えます。
リーグ前半戦の山場とも言える決戦の舞台は整いました。緑の芝生に照り返す陽光を浴びた聖地・秩父宮のフィールドに、威風堂々、SWの選手が勢いよく登場して、いよいよ第4戦キックオフです。
|
|
ほぼ風もない正午、IBMのキックオフでスタート。と、オーバーキックのミスで得たSWセンタースクラムから、No.8馬渕がサイドを突破。これをFL佐伯、須田がすかさずフォローし、粘る相手の反則から、相手陣内ラインアウトへと持ち込み、モールを押し込みます。セットに優るSWに、ルースポイントから反撃に出ようとするIBMの再三のアタックを、面をつくったディフェンスでがっちり止めきるSW。相手がたまらずノットリリースの反則を犯したところ、敵陣ゴール前のラインアウトから、しっかりとモールを形成し、HO小野寺が先制トライかと思われたとき、オブストラクションを宣告され、気勢をそがれたSW。
それでも、続くIBMのアタックを、CTBアラティニがすさまじいタックルでターンオーバー。慌てた相手の反則から、続けてゴール前ラインアウトのチャンスをつくるSW。これをLOファーディががっちりキャッチし、見事なモールで前進、今度こそ小野寺のトライ!・・・と思いきや、またもオブストラクションの判定で帳消しに。
それでもカウンターから緩まず攻めるSWは、相手陣22m中央でペナルティを得たところで冷静にショットを選択。津嶋がゴールポストの真ん中を射抜いて、前半19分3-0と先制します。 |
[津嶋 俊一選手] |
立て直そうと攻めてくるIBMに対し、CTBニールソンのタックルが炸裂しターンオーバー。アタックに転じるSWですが、IBMも低く粘りっこいディフェンスで応酬。敵陣での攻防を続けるSWは、ラックサイドをWTB清水が抜けて出て、あわやトライのチャンスもありましたが、あと一歩届かない状況。さらに、この試合早くも3度目となるラインアウトモールからのトライを、またもやオブストラクションで潰してしまうSW。
攻め込んではいるものの、なかなかスコアできない息苦しいような状況の中、カウンターからチャンスをつくったラックで出たボールを、SO小原が、閉塞を打破しようとのショートパント。しかしながら、運悪くこれが相手のWTBにすっぽり収まり、そのままするするとラインを抜けられてしまいます。チェイスするアラティニも及ばず、よもやの先制トライを許してしまったSW。前半28分、3-7。
|
[菅野 朋幸選手] |
内容では優位に立ちながら追う展開となり、これはいかんとばかりにキックオフをマイボールにして、アタックを繰り出すSW。HO小野寺が、LO三浦が、さらにPR佐々木和樹が力強く前進します。常時相手陣で攻撃を続けるSWにチャンスが訪れたのは33分、優位にたったスクラムから、ニールソンの負傷交替でCTBのポジションにいる佐々木天晃が突破してラック、そして大外に展開するとLOファーディが待ち構えてゲイン。最後は替わったWTB菅野が、前節の休養で溜め込んだ力を爆発させるかのような走りを見せ、追いすがるディフェンスを一人二人と力強く振り切ってかわし、中央に回り込んでトライ。FB津嶋のゴールも決まり10-7と再逆転します。
|
続くキックオフから相手スクラムとなるも、押し込んでターンオーバー。PR斉藤、佐々木和樹、HO小野寺の一列も安定し、LO三浦、ファーディ、FL陣の押しも充分。終始優勢のムードながら、少なからずつなぎにミスが出て、チャンスを逃すSWですが、一方でディフェンスは完璧なまでにIBMの攻撃を食い止め、相手の攻撃をハイパントオンリーにする場面も多く見られます。前半最後、ラインアウトの反則を取られ、ノット10mの連続反則から、やらずもがなのPGを許しますが、これが外れてそのままハーフタイムとなりました。
|
レフリングへの対応や、あと一歩でのパスミスなど、どうにも主導権を握れないまま終わった前半。秩父宮ではここ5年、JALとサントリーフーズを相手に、ロスタイムでの逆転勝ち、逆転負け、ワントライ差ゲームなど、常に接戦となっているだけに、昇格を目指す今年こそ「苦戦の呪縛」を解き放ってほしい・・・選手を信じ、祈るサポーターの思いはひとつ、後半のラッシュしかありません。
その思いを受けたSW戦士たちは、後半キックオフから気迫十分。マイボールのラインアウトを得て、攻め続けます。SH長田の素早いさばきから、アラティニが突破してポイントをつくり、さらにFL須田が突破。HO小野寺が巧みにつなぎ、もう一度SH長田からSO小原、そして最後に魅せたのがCTB佐々木天晃。相手を振り切るパワーとテクニックにあふれる突進で、頼もしく後半開始早々のトライを挙げてくれました。FB津嶋のゴールも見事に決まり、後半開始早々1分で17-7。 |
[佐々木 天晃選手] |
[ピタ・アラティニ選手] |
続くキックオフからの相手ラインアウトを、LOファーディが高さと技あり、そしてリフターとの呼吸もぴったりでターンオーバー。俄然、いけいけムードのSWのアタックに、相手はたまらず反則。相手陣22mのスクラムからは、No.8馬渕がサイドアタックでぐいぐいと前進。FL須田、LO三浦と続き大きくゲイン。SH長田がさばき、LOファーディがつないだところで、絶妙なフェイントとスピードを見せたのはCTBアラティニ、見事に相手二人をかわし、トライを挙げます。FB津嶋のゴールも難なく決まり、後半8分24-7と引き離すSW。
|
ボーナスポイントが入るあと一本のトライを早く追加したいところ、あきらめず果敢に挑むIBMが反撃に出て、自陣のラインアウトからディフェンスに回るSWでしたが、見事なタックルから、ブレイクダウンで優るSWがターンオーバー。そのまま相手のミスに乗じて前に出るSW。その後も、IBMの反撃をスクラムで、ラックで、次々とターンオーバーして食い止めます。後半20分、1対1で勝るSWは、FB津嶋がカウンター、これを受けたWTB清水が抜け出てCTB佐々木天晃につなぐと、PR佐々木和樹、斉藤までもが巧みにフォローして、さらにつなぎます。ラックを連取して、No.8馬渕がゲインしたところを最後はLOファーディ。敵のど真ん中を突破してインゴールになだれ込み、値千金の4本目のトライに、FB津嶋のゴールも決まり、後半20分に31-7と大きくリードを広げます。
|
[スコット・ファーディー選手] |
[ピーター・ミラー選手] |
ここでLOファーディからルイ・ラタ、FB津嶋からピーター・ミラーにスイッチ。まだまだ攻めるSWはWTB菅野が相手の裏に出てチャンスをつくり、攻め込みます。あと一歩まで攻めますが、つながらず相手のスクラムとなるも、FL佐伯の出足鋭いタックルに、相手攻撃がつぶされてターンオーバー。
SWはさらにSH長田に替えて細川、PR佐々木和樹に替えて神田を投入、IBMも次々に選手を投入し、味方も敵も必死の攻防に、スタジアムも点差以上に湧き上がります。
そんな中、SWがターンオーバーしたラックからSO小原のキックに、蹴り返した相手バックス。自陣22m付近に転がるこのボールを追ったのは、FBピーター・ミラー。一瞬で相手の陣形を見極め、ボールを拾うが早いか、これぞカウンターアタックという見事なステップランニングを繰り広げながら、あっという間に相手22mラインまで持ち込みます。これをフォローしたSH細川、CTBアラティニがディフェンスを引きつけて、再びミラーへ。そのままミラーがインゴールに飛び込んで、鮮やかにトライ。ゴールはならなかったものの、試合を決定づけるトライで、後半29分に36-7とします。
|
IBMもトップリーガーの意地を見せ、最後の反撃に出ます。それを食い止めるLOルイ・ラタ、FL須田、No.8馬渕の鉄壁。さらにはCTB佐々木天晃の抜群のタックルで、ターンオーバー。攻めてはPR神田がラックサイドを突破、休みなく攻防を続ける両チームに、スタンドのファンからも応援のコールが途切れません。
それでも、執拗に攻めてくるIBMの気迫と、10月とは思えない暑さからくる疲れも重なり、終盤、自陣でのディフェンスを強いられる場面が多くなるSW。ラインアウトのミスからスクラムでも反則をとられ、後退するところ、最後まで攻撃の手を休めなかったIBMに、ディフェンスを突破され一矢トライで報いられます。後半40分、36-14。
さらに追いすがるIBMのアタックを、SWがダブルのハンマータックルで止めたところで、激闘のノーサイドとなりました。
|
「万全の出来ではなかったと思うが、勝ち点5をキープしたことは良かった。レフリングに適応することや、コミュニケーションで確認するべきこともわかったと思う。今日の収穫を活かして、次の試合もチャレンジしていこう。」
ただでさえ陸奥から出てきた者には堪える季節はずれの陽気と、双方の意地がぶつかった点差以上の激闘に、汗が滝のように流れる選手たち。それでも、眼差しは、一歩一歩、次も完璧に勝っていくぞ、と、気迫みなぎる様でした。
終了後の秩父宮クラブハウスでは、サポーター約70人が集まって、選手と一緒にファン交流会を楽しみました。ピンクダイヤモンドさんの自己紹介もあり、応援団の大合唱もあり、わいわいと盛り上がる中、ファン交流会が選ぶマンオブザマッチはスコット・ファーディがゲットして、はにかみながらも日本語であいさつ。温かい気持ちのファンに囲まれ、にぎにぎしくも、笑顔の中に、トップリーグ昇格を誓ったSW選手たちでした。
第5戦は、関東学院大学釜利谷グランドで10月17日(日)12:00から、日本航空JALウイングスと対戦します。どこまでも連勝街道を突き進み、トップリーグの高みを目指す10周年シーズンのSWを、どうぞ応援よろしくお願いいたします。
|
[鮮やかな秩父宮の電光掲示板] |
[モールを押し込むFW陣] |
[ラインアウトをキャッチする佐伯 悠選手] |
[突進するピタ・アラティニ選手,フォローする須田 康夫選手] |
[モールを作り前へ、先頭は佐々木 和樹選手] |
[素早い球さばきの長田 剛選手] |
[タックルを振り切る菅野 朋幸選手] |
[ショートフラッグダンスで応援するピンクダイヤモンズの皆さん] |
[好調!津嶋 俊一選手のゴール] |
[積極的にボールに絡む清水 雅之選手] |
[エンジン全開の馬渕 勝選手] |
[得意のランで一気にトライを狙う小野寺 政人選手] |
|
沢山の応援有難うございました。 |
|
|
|