【公式記録】 |
◇公式記録 |
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【ゲームウォッチングレビュー】 写真:事務局 |
◆ ここから始まる首位ロード、更なる進化と奮起を!
〜 トップイースト第5節 vs日本航空JALウイングス戦 〜 |
SW2010、秩父宮での祝勝の盛り上がりも冷めきらぬまま迎える第5戦。前節で難敵・日本IBMを撃破し、4連勝の勢いそのままに、SWは横浜も横須賀に近い関東学院大学金沢キャンパスの釜利谷グランドに乗り込みました。
釜利谷グランドは、ラグビー場を優に3面は取れるくらいの天然芝、ナイターを備えた素晴らしい施設。日曜は午前中から、ちびっ子や女子が集まって、横浜ラグビーアカデミーが開催され、それぞれのレベルごと、年代ごとにマッチした教室が開催されています。
もちろん関東学院といえば、池村HCはじめ多くのSW選手を供給してくれた故郷大学。この試合でメンバー入りした佐伯、細川の現役OBも、公式戦で「故郷」に錦を飾るべく、やる気満々といったところです。
今回の相手である日本航空JALウイングスは、昨年イースト10位。会社の窮状にあっても、選手同士が団結して踏ん張り、再興を目指して奮闘しています。選手が揃えば、なかなかどうして、存分に力の発揮できる面子が揃っているところ、JALと言ってどうしても思い出されるのが、2005〜2007年にかけて毎年繰り広げられた秩父宮での死闘。今年ももちろん、連勝街道をひた走るSWに一泡吹かせんと、ベストメンバーで決死の覚悟で挑んできます。
とは言え、昨年は地元松倉で74-6と圧勝、今年もSWと昇格を争うライバルのキヤノンが78点、三菱重工相模原に至っては114点ゲームを演じている相手。苦々しい記憶を思い出しつつも、トライラッシュを期待してしまうものです。
遠征試合が嬉しい関東圏のサポーター、さらに遠征もものともしない釜石、岩手から東北圏のサポーターが、釜利谷に続々と集まって、その数300人超。JALの応援や、次の大学の応援を飲み込んで、スタンドは空席がなくなる程の状態に。SWサポーターには、うれしい「なめらかプリン」がプレゼントされ、交通安全2010ポスターが配布され、10周年アイテム、応援軍手を購入する人もあり、どこにいっても盛り上がりに事欠きません。
バック中央の得点ボード付近に集まった大漁旗の応援団で、さながら、同日に開催されていた釜石まつりの曳き船がそのまま乗り込んできたような風景。ひらめく富来旗が選手を出迎えて、いよいよキックオフとなりました。
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[小野寺 政人選手] |
やや追い風の中、正午にJALのキックオフでスタート。身構えすぎたのかSWは、ややまどろっこしい立ち上がり。ゴール前に攻め込まれてバックスの攻撃を受けますが、FL須田のタックルでなんとかターンオーバーします。それでも押せないスクラムに手間取って、なかなか敵陣に攻め込めないところ、ディフェンスが機能して相手の反則からPKを得て、FBミラーの絶妙なロングキックで、一挙に相手ゴール前ラインアウトのチャンスを迎えます。前回は不本意に反則となったラインアウトモールでしたが、ここではがっしりと決まり、前進したところHO小野寺が抜け出てインゴールになだれ込みトライ。イースト公式戦初先発となるルーキーSO井上のゴールも決まり、9分に先制7-0とします。
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続くJALキックオフから、相手陣をうかがうSWでしたが、攻撃つなぎの要所で相手ボールとなり、またも自陣に攻め込まれます。一瞬、ディフェンスが突破され、ヒヤリとするシーンもありましたが、そこはビシッとカバーディフェンスで止めて難を逃れます。 |
相手のアタックを完璧に受け止め、攻めるに窮したJALがキックするところ、SWは得意のカウンターアタック。FBミラーが相手を引きつけてWTB菅野にパス。先の試合から見せた力強く相手をなぎ倒すネオ菅野の走りっぷりも見事に、相手ディフェンス網を突破し、50mのビッグラン。WTB森山へつなぎラック。トライチャンスのボールが出たと思いきや、JALのディフェンスの見事な戻りに、逆に慌てたSWがハンブルし、ここぞというチャンスを逃してしまいました。
JALのアタックにも、SWが激しいディフェンスでターンオーバーし、チャンスに速攻、それでも、あと一歩でミスが出てスコアを逃す・・・という一連の流れが、何度か繰り返される展開。サポーターもヤキモキするような流れの中、相手のミスからアタックチャンスとしたCTBアラティニが抜けて、No.8馬渕が続きます。ラックから、SH長田が判断よく展開。WTB森山が大きくゲインし、受けたLO三浦健もゲイン。LOルイラタ、馬渕、FL須田、佐伯と続き、左に大きく展開した後、今度は右に大きく展開。WTB菅野があと一歩のところまで持ち込んでラック、さらにCTBアラティニと、FW、BK一体となった波状攻撃に、JALがたまらずペナルティ。ここは大事にラインアウトモールに持ち込んで、上手いタイミングで再びHO小野寺が飛び込んでトライ。SO井上ゴールも決めて、21分に14-0と追加点です。 |
[井上 益基也選手] |
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[森山 裕樹選手] |
三度JALのキックオフから、SWミスで相手に迫られたところ、SWディフェンスの激しいプレッシャーで再びターンオーバーするも、スクラムを差し込まれるのか、押されるシーンや、何度か自陣ゴール前でディフェンスを強いられるシーンも見られます。決定的なチャンスを許さず、スコアの不安はそれほど感じないものの、なかなか相手陣に行けず、どうにもストレスのたまる展開。
それでも、SWの面のディフェンスはすさまじく、CTB佐々木天晃のタックルからチャンスをつくり、FL佐伯、CTBアラティニとフォローしラックへ。No.8馬渕が、HO小野寺が、ポイントから波状攻撃を繰り出します。そしてSH長田が抜けたところ、WTB森山がナイスフォローでスピードをつけて軽快にインゴールに駆け込みトライ。ゴールはならなかったものの、34分に19-0と3本目のトライです。 |
続くキックオフから、行ったり来たりの攻防の中、ハーフウエイ付近でオフサイドを取られたところ、時間がないと見たJALはショットを選択。距離のあるキックは、敵ながらあっぱれのゴールとなって一矢報いられます。40分で19-3。残り時間も勢い付く相手にやや攻め込まれながらも、守りきってハーフタイムとなりました。
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[菅野 朋幸選手] |
3トライを奪うも、どうにも流れをつかめないまま終わった前半。それでも昨年、後半だけで48点を奪った記憶も新しく、後半のトライラッシュを信じて疑わないサポーター。
そんな期待に応えるべく、後半開始早々から、エンジン全開のSW。SWキックオフからハーフラインでのマイボールラインアウトとなったところ、SH長田のハイパントでゴール前になだれ込みます。WTB森山、No.8馬渕、LOルイラタとアタックを仕掛け、続け様にCTB佐々木天晃からFBミラーがアタック。そして最後は、WTB菅野が相手をなぎ倒してトライ。後半たった1分で、つなぎにつないだ見事な速攻、4本目のトライ。ゴールはならずとも24-3とします。
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これ以上点差を開かれたくないJALは、そこから必死の攻め。SWは不意をくらったように自陣22mまで押し込まれますが、FL須田がいいところでターンオーバー。その後も執拗なJALの攻撃に、マイボールスクラムを押されて苦渋の場面もありましたが、自陣ゴール前のモールサイドを抜け出たNo.8馬渕が、FL須田につなぎ、CTBアラティニへ。そこをFL佐伯がフォローしてビッグゲイン。SH長田がつなぎ、フィニッシュはNo.8馬渕がインゴールに走りこんでトライ。ゴールはならないものの、後半8分で29-3と引き離します。
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[馬渕 勝選手] |
[ピーター ミラー選手] |
続くJALの反撃にも、CTB佐々木天晃、アラティニが鉄壁のディフェンス、さらにLO三浦健がテクニックのあるターンオーバーを見せ、JALバックスのアタックが、SWディフェンスのミスマッチを突いてきたところも、2次ディフェンスがきっちりと止め倒すなど、スクラムで不利なところを補って余りあるディフェンス力を見せるSW。
そして後半15分、中央付近のラインアウトからCTBアラティニがラックをつくり、素早くさばいたSH長田が、ダブルラインの攻撃手からFBミラーにパス。これをミラーがディフェンス陣形のギャップをついて裏返り、そのまま走りこんでトライ。井上のゴールも難なく決まり、36-3とします。
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ここで、No.8馬渕からスコット・ファーディに、CTBアラティニから赤井にスイッチ。立て続けのトライで圧倒する試合内容と、残り時間から推測して、さて、ここから何点取れるか・・・などと皮算用するスタンドサポーターの気持ちが、逆にJALの発奮材料となったか、はたまたSWの気の緩みにつながったか、諦めないJALの猛反撃をくらいます。タックルでのされても、モールで押されても、なんと諦めずに攻めてくること。
さらにゲームが途切れる間も、どうにもSWにとって好ましくない風に響き、チャンスのスクラムも押され、アタックではミス。FBミラーのカウンターもジャージをつかまれて不発。そのうちに、反則でどんどん後退するSWは、ゴール前のディフェンスオンリーの状況に追い込まれます。ラインアウトが安定している分、余計に悔やまれるスクラムのダメージ。
そんな中でも、CTB佐々木天晃の爆発タックルで相手アタックをつぶしターンオーバーするなど、随所にSWらしいプレーが出るものの、じっくり攻めたいところでSO井上のロングパスがスローフォワードとなったり、FBミラーのカウンターからWTB森山が抜けたか、と思いきやハンブルしたり、と、またもじりじりと自陣ゴール前に釘付けとなってしまうSW。
残り10分で、PR浜野、FL江幡、SH細川を投入し、流れを変えたいところでしたが、スクラム1点に絞り込んできたJALに、ペナルティを連続でスクラム選択され、心身ダメージの大きいところ、やまれず反則を取られ、とうとうスコアを許します。36-10となったところでノーサイド。
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後半20分間、主導権を奪えないままノートライに抑えこまれたばかりか、最後の最後に屈辱のトライゴールを献上してしまったSW。猛攻6トライのイメージも霧散し、ひたすらに反省しながらグランドを後にした選手たちでした。
「万全の勝利とはいかなかったが、まず5連勝おめでとう。1戦1戦を闘う中で、自分の強み弱みに気づき、弱みに打ち克って、さらに強くなる努力をすることが、このシーズンにふさわしいSWの姿。やることはわかっていると思う。」
初出場や復帰戦だった選手たちも含め、それぞれが達成目標を掲げ、チーム全員で同じ目標を達成するために、一歩一歩、進んでいるSW。
この日の勝利で、SWはリーグ首位に浮上しました。全てはここから。この経験を糧とし、やるべきことを自覚した選手たちは、次戦、更に進化した姿を見せてくれるはずです。
第6戦は、いわきグリーンフィールドで10月24日(日)13:00からサントリーフーズサンデルフィスが相手です。連勝の中で修正し、弱みを克服し、さらにトップリーグへ向けた進化を遂げていく、10周年シーズンのSWを、どうぞ応援よろしくお願いいたします。
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[チャージにいく佐伯悠選手] |
[ラインアウトボールをしっかりキャッチする佐伯悠選手] |
[モールを押し込むFW陣] |
[ステップをきって快走する菅野朋幸選手] |
[攻守にわたり大活躍の佐々木天晃選手] |
[モールを押し込むFW陣] |
[得意のモールサイドから飛び込んでトライの小野寺政人選手] |
[タックルされながらも前にでる森山裕樹選手] |
[スクラムを組む前が斉藤芳選手と後ろ佐伯悠選手] |
[ファーディ選手、須田康夫選手、佐々木天晃選手] |
[ノーサイド] |
[沢山の応援有難うございました] |