【公式記録】 |
◇公式記録 |
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【ゲームウォッチングレビュー】 写真:事務局 |
◆ 地元壮行試合で不覚!試練の遠征ロードへ・・・
〜 トップイースト第7節 vs栗田工業ウォーターガッシュ戦 〜 |
ここまで、ひとつも勝ち点を取りこぼすことなく6連勝、イースト暫定首位に立っているSW2010。
補強しかり、ハードトレーニングしかり、格別にレベルアップしてきた成果を示していますが、11月からの対戦相手は、綺麗にリーグ2位から6位に名を連ねる、いずれ劣らぬ強豪揃い。
いよいよここからが、昇格に向けた正念場と言えます。
11月3連戦の初戦は、地元岩手での最終戦。会場となる北上総合運動公園では、朝早くから中学生ラガーの県中総体大会とスクールの交流試合が行われ、緩やかな秋空のもと、ラグビー王国岩手の古称をほうふつとさせる賑わいを見せます。
今日の相手、栗田工業ウォーターガッシュは、昨年イースト6位。ここ3年、最終順位では常に釜石が上回っているものの、対戦成績は1勝1敗1分、全くの五分。昨年は、ラスト5分17点リードから圧巻の同点劇を見せつけられるなど、サポーターには、難敵のイメージが嫌というほど染みついている相手です。
そんなイメージを払拭してくれるような試合を期待し、県内はじめ東北圏から、釜石から、首都圏からもサポーターが続々集結してきました。
中田薬局「なかぴー」は、ちびっこラガーたちの人気の的。交通安全2010ポスターが配布され、応援ハガキ、10周年アイテム、応援軍手、応援缶バッジの寄付販売と、賑わうSWテント。
その前を、武者震いしてか、やや寡黙に選手たちが会場入りしました。サポーターも、今季のトップリーグ昇格のバロメーターとも言える、この一戦の大事さを良くわかってか、はずむ会話の風景にも、いつもより粛々とした様子が見えます。
岩手での壮行試合を飾り、すっきりと昇格ロードへ向かってほしいと願うサポーター。首位でリーグ後半戦を迎え、追われる者の重圧の中で必勝を期すSW戦士。そんなSWに一泡吹かせんと、試合前から気勢を上げる栗田工業。両雄の決闘を予告するかのような北風も強まる中、秋空にキックオフのホイッスルが響き渡りました。
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NHK盛岡放送局の生中継で、定刻5分遅れのスタートとしたところ、SWがやや追い風を受けてキックオフ。 |
カウンターキックで戻されるも、着実に相手陣に攻め込むSWバックスに抜かりはありません。これに応えて、前半4分早々の敵陣ゴール前ラインアウトを、これまた抜かりなくモールにしたSWフォワード。じっくりと前進するモールに、スタジアムの釜石コールが呼応、これに乗って、もはやお馴染みHO小野寺の先制トライ。FB津嶋の難しい角度からのゴールも決まり、7−0と先手を取ります。
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[モールを押し込むFW陣] |
さらに、相手キックオフから、早くも栗田工業4つめの反則に乗じて相手陣内に攻め入るSW。SH長田の球捌きにBKが躍動し、何とか耐える栗田ディフェンスをじりじりと押し込みます。よし、いける、と誰もが思った瞬間、ラック近辺で、束の間転んだボールを相手SHがピックアップ、これをつながれて相手WTBが一気に加速。SWディフェンスが戻りきれないまま、最後はフォローした相手HOに振り切られて独走を許してしまいます。前半8分、同点のトライ、ゴールで7−7。
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これはいかんと円陣を組むSW。振り出しからのキックオフで攻勢をかけたいところ、痛いキックオフミス。それでも、LO三浦が、HO小野寺が、相手アタックの核となるNo.8、SOの両外国人に激しいタックルを見せると、FWもプレッシャーをかけてゲインを許しません。
と、やむなくといった感じで蹴られたボールが相手にうまく転がって、押さえきれないところを、走りこんできた相手へのノーボールタックルの反則。一瞬、ふっと時間が止まったような隙を見逃さなかった相手外国人SO、早いリスタートからディフェンスラインの整わない右サイドをあっさり破られ、そのまま右隅にトライ。南無三、逆転を許して前半13分に7−12。
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[長田 剛選手] |
局面で優位に立ちながら、隙を突かれてリードを奪われてしまう展開に、再び円陣を組んだSWは、まさにエンジン全開。相手ボールを奪ってアタックに転じるや、ラックから右に展開、アラティニが鮮やかにディフェンスの間を抜け、WTB佐々木天晃につないで一気に相手ゴール前へ。ラインアウトから、LOファーディー、HO小野寺、さらにはLO須田、佐伯とFWで攻め続けると、最後はSH長田が体を張ってトライをもぎ取ります。またも角度のあるところ、FB津嶋が期待に応えて見事真ん中にゴールを決め、前半18分再逆転で14−12。
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さあ、今度こそ勢いに乗って突き放せ、と意気込むスタジアム。ところが、受けに回り、どうにも乗り切れない今日のSW。相手キックオフを、敵陣深くに蹴り返したところから、カウンターアタックを許して自陣に押し込まれます。そこから、左への早い展開に、ぽっかり開いたライン際を突破されると、トップスピードに乗った相手快速WTBを止められず、そのままよもやのノーホイッスルトライ。やらずもがなの再逆転を許してしまいます。20分に14−19。
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それでも、FW、BKどこからでもスコアできる波状攻撃がある今季のSW。打ち合いなら望むところ、とばかりに、キックオフから相手を敵陣に釘付けにすると、ラインアウトからモールを押し込んで、見事トライ!・・・と思われたところ、相手のオブストラクション狙いの守りに阻まれ、チャンスを逸します。
その後も、相手FWのリードを譲らない、じわっとしたアタックや、ルースでの執拗なディフェンスに、図った以上に手こずっている様子のSW。挙句に前半終了までに、ペナルティから3本ものショットを狙われる始末。角度のあるところ、3本全て外れたものの、相手の逃げ切りムードに飲まれたまま、ハーフタイムとなりました。
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個の力に勝る印象ながら、どうにもかみ合わないまま終わった前半。試合の中で修正できる今季のSW、きっちり立て直して臨んでほしい、と願うサポーターの思いを乗せて、メインスタンドから、バックスタンドから応援歌が響きます。
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強く吹くようになった向かい風を受けながら、後半、栗田のキックオフでスタート。
SWはスタートダッシュをかけたいところでしたが、相手陣に攻め込みながらノットリリース、さらに自陣ターンオーバーからのキックミスで、自陣ゴール前での攻防を強いられます。FWでしつこく攻めてくる相手に、必死のディフェンスを見せるSWでしたが、3度のラインアウトから、ついに相手外国人No.8のサイドアタックに屈し、苦しい立ち上がりとなります。後半6分、14−26。
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その後も自陣での戦いを余儀なくされる展開を打破すべく、ここでリザーブから、FBミラーとLOルイラタを投入。WTB菅野、前半に入った清水とともに、カウンターアタックに期待するサポーターの願いが届いたか、投入直後の後半13分、自陣10m付近のスクラムから左へ展開、CTBに入った佐々木天晃がディフェンスラインを突破し、フォローしたミラーが見事に走りきりました。鮮やかな追い上げトライ、ミラー自身でゴールも決めて、21−26と射程圏内にとらえます。
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[ピーター ミラー選手] |
よし、三度の逆転だとSW。そうはさせじと、後半18分に得たペナルティからショットを選択する栗田。心憎いばかりに時間をかける相手外国人SOに、エキサイトしたスタンドから怒号が飛ぶ中、これを落ち着いて成功させ、21−29。
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[ピタ アラティニ選手] |
まさに激闘、SWの波濤の攻めに対し、栗田は実にしぶとくディフェンスをしてきます。いやらしいまでの栗田FWのからみに、辛抱を続けたSWは、相手の反則で得た相手ゴール前ラインアウトから、No.8馬渕が、FL佐伯が、須田が、LO三浦が、ルイラタが、そしてHO小野寺、PR斉藤、佐々木和樹が、まさに死に物狂いの突破を試みます。そして、三浦がボールを出したところ、SOに入ったアラティニが、完璧なステップで二人三人と相手を交わし去り、ゴール真下へトライ。ミラーのゴールも決まって後半22分28−29と追い詰めます。
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時間はまだたっぷりある、疲れの見える相手に、アタック、ディフェンスとも優位に立つ形勢。すぐに逆転できると信じて疑わないサポーターからは、やんやの応援。しかし、攻め込んでのラインアウトのミスや、スローフォワード、ターンオーバーからのダイレクトタッチなど、もう一歩のところで攻め切れません。手に汗握る攻防の中で、肩を痛めた様子のニールソンに、足を引きずる佐々木天晃、満身創痍のSWに、刻々と時間は過ぎて、やきもきが、じりじりと焦げ付くような胸の内になる後半40分。
自陣から、FW、BK一体となってつなぎにつなぎ、相手陣内に攻め込むと、左中間30m付近でペナルティを得ます。逆転を狙ったショット、狙うはもちろん、左のスーパーブーツ、ピーター・ミラー。
角度はそれほどないものの、感じの良くない向かい風、遠くのセスナ機のエンジン音が・・・と思った刹那、放たれたボールは、わずかにポストの右へ。何とも言えない悲鳴とため息に、スタンド全体が包まれます。
相手ドロップキックから、最後まで諦めずに攻め続けるSWでしたが、相手の決死のタックルにボールが転がり、タッチに切られたところで無念のノーサイド。
28−29。敗戦のショックに、試合後、スタンドへの一礼もままならない様子の選手たち。勝ち点ボーナス2を確保しながらも、昇格を争う上であまりに痛すぎる敗戦。感動的な逆転劇も、うたかたの夢となり、歓喜にむせぶ相手選手から遠く離れ、SW選手たちの、がっくりした姿が、いつまでも名残る北上の夕空でした。
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「心底、悔しい気持ちはわかる。でも、ここからのターゲットは次。負けを悔やむより、この負けが、次の勝利を生むように持っていこう。」
池村HCのコメントは、歯ぎしりをこらえたようで、選手たちには、背中を押して、前を向かせるように響きました。
第8戦の相手は、宿敵、三菱重工相模原ダイナボアーズ。敵地、三菱重工相模原の自社グランドに乗り込み、11月14日(日)13:00キックオフです。
相手はシーズン前から優勝候補に挙がっていたものの、よもやの2敗で背水の陣。一方、SWもこれから上位との対戦が続くため、互いに生き残りをかけた一戦となります。激闘必至の決戦を、どうか皆さまの熱烈応援で後押しいただきますよう、よろしくお願いします。
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沢山の応援有難うございました。 |