NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 D2 順位決定戦 第1節/レッドハリケーンズ大阪戦
試合 | NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン2 順位決定戦 第1節 |
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対戦相手 | レッドハリケーンズ大阪 |
対戦日時 | 2024年4月19日(金) 19:00 キックオフ/17:30 開場 |
競技場 | ヨドコウ桜スタジアム(大阪府) |
ジャージ | 白(2nd) |
イベント情報 | レッドハリケーンズ大阪の お知らせ をご覧ください |
チケット | TicketRUGBY / チケットぴあ |
放送 | J SPORTSオンデマンド 18:50〜22:00 J SPORTS3 18:50〜21:30 |
アプリ観戦 | SpoLive(テキスト速報) *ギフティング機能の「スーパー応援」をご利用いただいた方全員に、当日出場選手のSpoLiveコレクションカードをプレゼントします。 アプリのダウンロードはこちら iOS用 / Android用 テキスト速報は、シーウェイブス公式Xでも配信されます。 |
チームテント | ・メンバー表の配布 ・ミニフラッグプレゼント(限定500本) ・グッズ販売(チームタオル、プレイヤーズタオル、レプリカジャージ) ・ファンクラブ会員証への来場スタンプ押印および特典のお渡し ・岩手県観光パンフレット配布 |
18-21LOSE | ||||
前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
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0 | 2 | T | 1 | 1 |
0 | 1 | G | 0 | 1 |
0 | 0 | PT | 0 | 0 |
0 | 0 | DG | 0 | 0 |
2 | 0 | PG | 2 | 1 |
6 | 12 | 小計 | 11 | 10 |
メンバー
- Starting
- 山田 裕介
- 郷 雄貴
- 野口 大貴
- タタナ ダラス
- ハミッシュ・ダルゼル
- ベンジャミン・ニーニー
- 武者 大輔
- サム・ヘンウッド [ゲームキャプテン]
- 村上 陽平
- 落 和史
- ヘンリー ジェイミー
- トンガ モセセ
- 畠中 豪士
- 阿部 竜二
- キャメロン・ベイリー
- Reserves
- 16王野 尚希
- 17稲田 壮一郎
- 18及川 智孔
- 19河野 良太
- 20セタ・コロイタマナ
- 21南 篤志
- 22石垣 航平
- 23中村 良真
マッチレポート
NTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2023-24シーズンもついに佳境を迎えました。
3月までの10節の闘いを終えて、シーズン6位の中で迎える4−6位の順位決定戦。
勝てば順位が覆る、まさに一発逆転のチャンスに賭けて、ここからの2戦に臨むシーウェイブスは、4月19日(金)、既に桜前線も通過した大阪・ヨドコウ桜スタジアムにて、今シーズン最も激闘を演じてきた好敵手・レッドハリケーンズ大阪(以下「RH大阪」)と対戦いたしました。
平日のナイターゲーム。
昨今のシーウェイブスでは、あまり体験したことのない夜の試合ですが、この日のために練習時間を夜に変更するなど対策をしてまいりました。当日の天候は快晴、気温は19℃ながら、春の夜風も爽やかな、ラグビーをするにはかなり適したコンディションの中での試合となりました。
絶対に負けられない一戦。
レギュラーシーズンの2回の対戦は、共に80分最後の最後に取りこぼしたと言っても過言ではない試合だっただけに、この試合に期するところが大きいシーウェイブス。ゲームキャプテンのサム・ヘンウッド選手(No8)は、「今日はいいエナジーで試合をしよう。あと2試合だが、これが今シーズン最後のゲームだと思って臨もう」というシンプルなメッセージでチームを鼓舞。チーム全員での意識を一つに、選手たちはピッチに向かいました。
19時、シーウェイブス・落 和史選手(SO)のキックオフで試合がスタート。
レギュラーシーズンを通しての課題であった、「入りの10分」のディテールがどうか。
まずはここが注目のポイントになりますがキックオフ直後の1分、ダイレクトタッチで相手に中盤でボールを渡したシーウェイブスは、RH大阪のアタックを止めきれず、RH大阪の5フェーズ目の攻撃から、ショートサイドでのパスを繋がれてしまい、ディフェンスが間に合わず、早々にトライを献上してしまいます。
入りの10分どころか、前半1分から早々にスコアを献上する出だしは、今シーズン一貫した課題が改善されていない、弱点を露呈してしまった形となりました。
続けてのキックオフからは、シーウェイブスがボールを保持し徐々に前進。前半5分、RH大阪からのペナルティを奪いますが、ここではペナルティゴールが惜しくも外れてしまいます。
なかなか流れを作り出せないシーウェイブスは、スクラムのコラプシング、ゴールラインドロップアウトでの自陣からのRH大阪ボールのスクラムなど、前半10分までにミス、ペナルティ等が重なり、RH大阪にチャンスをたびたび与えてしまう立ち上がりとなってしまいました。
前半11分、RH大阪ボールのスクラムでアーリープッシュのペナルティを取られてしまい、ゴール正面でのペナルティキックを決められ、8−0とされます。
嫌な流れを断ち切りたいシーウェイブスは、前半15分、RH大阪ボールのスクラムを、山田裕介選手(PR)、郷雄貴選手(HO)、野口大貴選手(PR)のフロントローを中心に押し切り、堪らずRH大阪がスクラムを壊す、コラプシングの反則を犯します。
このペナルティで、シーウェイブスはショット(=ペナルティゴール)を選択、落選手がゴール正面からのキックを冷静に決め、8−3とします。
続くキックオフからも、シーウェイブスがグラウンドを大きく使った展開をしながら前進し、徐々にビルドアップしながらRH大阪陣に攻め込んでいき、シーウェイブスとしていいテンポでの攻撃を随所に見せ始めますが、RH大阪も攻守に渡って冴え、簡単に突破を許してくれません。やはり過去2戦と同じく、両チーム拮抗した展開が続きます。
この拮抗した展開が崩れたのは、前半28分。
RH大阪陣10メートルライン付近で、ペナルティを得たシーウェイブスは、ここでも落選手のショットに賭けます。落選手はこのペナルティゴールを決め、シーウェイブスは8−6と2点差に迫ります。
前半33分。RH大阪は、シーウェイブス陣10メートルライン付近にて、ラインアウトから、大きく前進しますが、この攻撃をヘンウッド選手が2度にわたって献身的なディフェンスによって止め、ゴール前でのノックオンを誘います。
続くスクラムでは、敢えなくシーウェイブスがコラプシングのペナルティを犯してしまい、RH大阪ボールのラインアウトとなりました。さらに続けて、RH大阪がラインアウトモールを押し込んでトライ、、、となりましたが、TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)による判定となり、前回、S愛知戦で前半終わりにシーウェイブスが取られたシチュエーションと似た形で、ボールを取りに行った選手(リッパー)がジャンパーに対してモールを組んでいないということでオブストラクションという判定となり、トライが取り消しとなるシーンが有りました。
前半40分。変わらずシーウェイブス陣のゴール前での攻防が続きます。
前半終了のホーンが鳴ったタイミングからのRH大阪の攻撃で、シーウェイブスにオフサイドが有り、ゴール前でペナルティを献上してしまいます。RH大阪はショットを選択。ペナルティキックを決められ、11-6で前半を折り返しました。
ハーフタイム中、ロッカーでは須田康夫HCが、前半のディフェンスを評価しつつ、後半、ペナルティしないことへの心がけと、相手に強いプレーでプレッシャーを掛けていくことを呼びかけました。ヘンウッド選手は、「ミスを減らして、攻撃でのハードキャリー、ディフェンスではハードケアでしっかり身体を張って勝とう!50:50(=判断を迷うこと)は無しで!」とチームに更にエナジーを与える声をかけ、ピッチに戻っていきました。
RH大阪のキックオフで再開した後半。
開始早々の1分、いきなり、RH大阪がディフェンスを破ってゴール前に迫りますが、後半から交替で入ったクラブキャプテン・河野良太選手(FL)が値千金のジャッカルで危機を回避。
しかしその後も、RH大阪の攻撃の時間が続き、後半8分、ゴール前でのアタックを続けられて追加のトライを献上。キックも決まり、18−6とされてしまいます。
なかなか今日は攻撃の突破口が見いだせないシーウェイブス。
後半14分、セタ・コロイタマナ選手(No8)の突破から、タタナダラス選手(LO)、阿部竜二選手(WTB)と繋いで一気にRH大阪ゴール前に迫りますが、RH大阪のディフェンスも粘り強くスコアさせてくれません。
一進一退の攻防が暫く続く熱戦となる中で、後半25分、シーウェイブス陣中盤でシーウェイブスが致命的なペナルティを犯し、RH大阪はショットを選択。このショットを決められ、21−6とさらに差を広げられてしまいます。
残り10分となった、後半30分。ハーフウェイライン付近でボールを受けたヘンリージェイミー選手(WTB)が相手ディフェンスを突破。
そのまま相手を巧みに交わし、この試合待望の初トライを挙げ、21−11と反撃の狼煙を上げます。
更に続けて、後半33分、中村良真選手(SO)が相手ディフェンスの乱れを見逃さずに、相手ディフェンスのギャップを作り出し、続けて、村上陽平選手(SH)がラックからキャメロン・ベイリー選手(FB)に繋ぐと、ベイリー選手は、相手ディフェンスの乱れを見逃さずにディフェンスを一気に突破。追加のトライを上げ、中村選手のキックも決まり、いよいよ3点差に迫ります!
またしても、この時間、この点差。
両者譲らぬ痺れる展開は、ヨドコウ桜スタジアムの1,742名のボルテージを一気に高め、会場が一気に熱気に包まれました。
さらに、後半35分キックオフから展開したシーウェイブスは、コロイタマナ選手、ベンジャミン・ニーニー選手(FL)、阿部選手と繋いで一気に敵陣へ。
さらにRH大阪はラックでのペナルティにシンビンがあり、ここでこの試合最大のチャンスとなったペナルティを獲得します。何としても勝ちたいシーウェイブスはここで、全員が迷いなく、ラインアウトを選択します。しかし、このラインアウトからのモールは、RH大阪の必死のディフェンスによって食い止められてしまい、敢えなくモールアンプレアブルを取られてしまいます。
続く、RH大阪ボールのスクラムでは、ペナルティが絶対に許されないシチュエーションの中でしたが、ここでシーウェイブス側が一気に押し込まれてしまい、RH大阪に対して、ペナルティを献上してしまいます。RH大阪はタッチに蹴り出しラインアウトを選択。時間さえ使えば勝てるRH大阪でしたが、このラインアウトからのボールが乱れます!見逃さず、確保しに行ったシーウェイブスですが、残念ながらノックオン。続くRH大阪ボールのスクラム。ディフェンスが執拗にボールを確保しにいきましたが、残念ながら、オフサイドのペナルティとなり、ここでタッチに蹴り出されて試合終了、となってしまいました。
三たび、最後の最後まで分からない展開になったゲーム。
今回の試合も、レギュラーシーズンの2度に勝る熾烈極まるデッドヒートしたゲームでしたが、冷静に振り返ると、シーウェイブスは、やはり前半の10分以内の簡単な得点の献上、あるいは、後半、相手陣深くに攻め込みながら取りきれなかったトライ等、幾つかのシチュエーションでの「我慢しきれない」場面、「やってはいけない場所で簡単にミスしてしまう」場面が、幾つも見受けられる展開だったと思います。
ディフェンスや基本的なアタックが良かったからこそ目立った、小さな「ほころび」の部分。
これをどう繕って次節に臨むか、ここが運命の分かれ道になるのではないでしょうか。
次節、九州電力キューデンヴォルテクス(以下「九州KV」)との試合まで、残り1週間。
今節を落としたことで、泣いても笑っても、この試合での勝利が至上命題になります。
そして、レギュラーシーズンでは1勝1敗の九州KVとの試合も、おそらくもつれるゲームになることは必至でしょう。
短い時間の中で、タイトな修正を求められる状況では有りますが、次節・福岡での勝利を誓って、個々の選手がマインドを一に取り組めるかどうか、とても重要になります。
次節も改めて応援よろしくお願いいたします。
マッチレビュー
須田 康夫ヘッドコーチ
ナイトゲームということで、本日も素晴らしい環境の中でラグビーができたことを光栄に思いますし、開催に向けてご尽力された皆様に感謝申し上げます。
順位決定戦ということで、各々のチーム、大変プレッシャーの掛かったゲームだったと思いますが、ご覧になった皆さんには非常に楽しいゲームになったんじゃないかと、そういう部分では嬉しい気持ちも有りました。
ただ、シーウェイブスとしての敗因は、前半思うように得点できず、少し優勢だった部分も有りましたが、そういったところで少しミスが続いてしまった部分だったと思います。
選手たちが選んだ節目のキーとなるセットプレーだったり、正しい判断もできたと思うので、そういうところは修正していきたいと思います。最後、3点差まで追いついて勝ち点1を獲得できたのは非常に大きなことと感じていますし、次の九州KVに勝つしかなくなったので、次に向けて気持ちを切り替えて準備したいと思います。
3戦とも拮抗したRH大阪との試合内容に対しては、双方、拮抗しているポイントは、特にスクラムやフォワードの仕掛けで特に競る部分が多かったことと思います。来週、対戦相手が変わる中での修正に向けては、自分たちに矢印を向けて、やれることをやっていきたいと考えています。九州KVさんとも3試合なので、いかに自分たちにフォーカスを向けてやれるかが大切かなと考えています。
ラストのペナルティでの判断(ラインアウトを選択したこと)については、選手が自分たちで判断したプレーでしたが、決断としては正しいと思っています。ただ、プレーのディテールは取り急いでしまった印象で、そこは改善が必要かと思いますが、ボールの争奪はいずれにしても発生する中で、仮にスクラムを選択していても、結果は同じだったんじゃないかと思います。また、最後に押されてしまったスクラムについての改善点を挙げるとすると、もう少し低さにこだわったスクラムに修正していきたいと思いました。シーウェイブスとしてレフリーにアジャストできなかったことも課題と思います。どんな条件でも、高さを意識して自分たちの組みたいスクラムをいかに組めるか、ということにフォーカスしたいと思います。
サム・ヘンウッド ゲームキャプテン
ヤスさん(須田HC)がまとめてくださった通りですが、大事な場面でのミスが多すぎて、大事な瞬間・キーモーメントにミスが多かったのが、試合の結果がこういうマイナスになったと感じています。言ってみれば、自分たちが一番の敵だったと感じています。勝てた試合だと思っているので。
良かったのは、3点差で勝ち点1を獲得できたというところで、次の九州KV戦に勝てれば、そこでボーナスポイントを積めれば安心できる状況になれるのかなと感じています。
自分たちが一番の敵だったというところで、ミスが多かった理由はマインドセットの部分だと思っています。一週間しかない中ですが、メンタルでスイッチを入れていく、一週間で強くなることは難しいことなので、メンタルのところで準備していくことを考えたいと思います。
ラストのペナルティでの判断(ラインアウトを選択したこと)については、私はフィールドにいなかったので何とも言えませんが、モールを選択したことは悪かったとは思いません。
ただキックも50:50という状況ですから、いずれを選んでもリスクが有ったと思います。
仮にキックで今回は引き分けだったとしても、来週はいずれにしても勝たなければならないのは同じです。キッカーの選手一人にプレッシャーが掛かる展開ではなく、リスクをみんなで背負って闘うことを選んだんじゃないかなと感じます。
スポットライト
本日の試合を終えて、まずご自身の感想は?
前半はとてもタフな展開で、自分たちにプレッシャーを掛けてしまったゲームだったと思います。後半はボールキープして、フェーズ重ねることができれば自分たちの思うように闘えた、そういうゲームであったように感じています。
この試合に向けてフォーカスしてきたポイントを教えてください。
やはり、自分の役割を果たす、というところで、いかにチームの中で必要な役割を果たすか、ということにつきますが、私としては特に、コミュニケーションを取って、しっかりディフェンスをオーガナイズすることだったり、アタックではチャンスを見てしっかりアタックすること、楽しくアタックし続けることを意識して準備してきました。
フォーカスしてきたポイントに対しての今日のゲームでの成果と課題を教えてください。
チームとしては、前半で表出した通り、個々のスキルを果たすことだと思いますし、それをしっかりやれればどんなチームにでも勝てると思います。個人的には、もっとアタックに関われれば、フォワードにばっかり負担をかけないで、そこを助ける形で関われればと感じました。
シチュエーションが大きく変わるトライを取りましたが、あの時考えていたことは?
ボール持ったらスペースを探すんですが、フォワードがゲインラインを切ってくれたので、スペースができたところからトライを取れたのは、フォワードのハードワークに応えることができたと思うので良かったと思います。
次戦も敵地での九州KV戦となりますが、レギュラーシーズンでも勝った相手との試合となります。この試合に向けての抱負と、ファンの皆さんへのメッセージもお願いします。
今日のフィニッシュの状況のようなスタートを切ることが大事ですね。絶対に負けられない試合なので、前向きなエナジーをしっかり入れていきたいと思います。また、ファンの皆さんの応援も大事になりますので、ここまでシーズン通して応援してくださった皆さんの期待に応えたいと思います。