NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 D2/D3 入替戦 第2節/クリタウォーターガッシュ昭島戦
試合 | NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 D2/D3 入替戦 第2節 |
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対戦相手 | クリタウォーターガッシュ昭島 |
対戦日時 | 2024年5月25日(土) 12:00 キックオフ |
競技場 | AGFフィールド(東京都調布市) |
ジャージ | 赤(1stジャージ) |
イベント情報 | WG昭島の お知らせ をご覧ください |
チケット | 5月11日(土) 10時より発売開始 TicketRUGBY / チケットぴあ 当日券販売有り(会場入場口横にて10:30販売開始予定) |
放送 |
J SPORTSオンデマンド 11:50〜14:30 J SPORTS 1 23:15〜25:45 |
アプリ観戦 | SpoLive(テキスト速報) *ギフティング機能の「スーパー応援」をご利用いただいた方全員に、当日出場選手のSpoLiveコレクションカードをプレゼントします。 アプリのダウンロードはこちら iOS用 / Android用 テキスト速報は、シーウェイブス公式Xでも配信されます。 |
チームテント |
・メンバー表の配布 ・グッズ販売(チームタオル、プレイヤーズタオル、レプリカジャージ) ・ファンクラブ来場スタンプ特典のお渡しおよび受付 ・岩手県観光パンフレット配布 |
パブリックビューイング | シープラザ釜石 2F ラグビーカフェ 11:00開場 パブリックビューイング開催のお知らせ |
41-26WIN | ||||
前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
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3 | 3 | T | 2 | 2 |
3 | 1 | G | 2 | 1 |
0 | 0 | PT | 0 | 0 |
0 | 0 | DG | 0 | 0 |
1 | 0 | PG | 0 | 0 |
24 | 17 | 小計 | 14 | 12 |
メンバー
- Starting
- 山田 裕介
- 伊藤 大輝
- フリン・イェーツ
- タタナ ダラス
- ハミッシュ・ダルゼル
- ベンジャミン・ニーニー
- 武者 大輔
- サム・ヘンウッド
- 村上 陽平
- 落 和史
- 小野 航大 [キャプテン]
- トンガ モセセ
- 畠中 豪士
- 阿部 竜二
- ヘンリー ジェイミー
- Reserves
- 16王野 尚希
- 17稲田 壮一郎
- 18野口 大貴
- 19石垣 航平
- 20セタ・コロイタマナ
- 21南 篤志
- 22村田 オスカロイド
- 23高居 海靖
マッチレポート
2023年12月10日に開幕した、NTTジャパンラグビーリーグワン 2023−24シーズン。
数えて168日を戦ってきた今シーズンもいよいよ最終戦。先週のゲームから中5日とタイトな日程で、東京都調布市・AGFフィールドにて、ディビジョン2/ディビジョン3入替戦の第2節となります。
相手は前節同様、クリタウォーターガッシュ昭島(以下「WG昭島」)との対戦です。
当日は、気温が23℃、天候は曇りでしたが、時折日も差し、ピッチ上は前節同様、夏のような暑さを感じるコンディションです。
第1節を37-19で勝って迎えた第2節ですが、シーウェイブスとしては、この2つのゲームを、“160分のゲーム”と捉え、前節での18点差の勝ち越しを、「前半を18−0で折り返した」と考えてこの日を迎えました。そのため、 “後半”となるこの試合では手堅く、この点差を常に意識して闘う準備をして臨みました。自ずと、ロッカーでの声掛けでも、武者 大輔選手(FL)は、常に次の仕事を遂行する意識を持ってプレーに臨むことを呼びかけ、落 和史選手(SO)は、どんな展開でもシンプルに我慢することを呼びかけました。そして、先発に復帰したキャプテン・小野 航大選手(WTB)からは「我慢できたほうが勝つ。常に冷静に落ち着いて、勝って釜石に帰ろう」とチームをまとめ、ピッチに向かいました。
12時00分、シーウェイブス・落選手のキックオフで試合がスタート。
キックオフ直後から早速ゲームが動きます。
前半2分。シーウェイブスは、WG昭島のハイタックルの反則でいきなりWG昭島陣22メートル内でのラインアウトを獲得し、ヘンリー ジェイミー選手(FB)のバックフリップパス(逆手でのパス)を受けた阿部 竜二選手(WTB)が大外から交わして先制のトライを決めます。落選手のキックも決まり、0−7でゲームが動き始めました。
さらに、続けてのキックオフから、ボールを得た阿部選手が大きく前進。続けてフォローした、ベンジャミン・ニーニー選手(FL)に繋ぎ、更に外に続いた村上 陽平選手(SH)に繋いで瞬く間に追加トライを決め、前半6分までで、0−14とします。
前半10分、WG昭島が自陣から飛び出し、大きく前進しますが、シーウェイブスはディフェンスでプレッシャーをかけてパスミスを誘い、簡単に得点には結びかせません。その後もWG昭島ボールの時間が続く中でも、少しずつディフェンスのプレッシャーでWG昭島を後退させます。そして、前半18分、ボールをターンオーバーしたシーウェイブスは、WG昭島陣22メートル内に入って手堅く前進。ゴール5メートル前まで前進すると、落選手が大きく左側に展開し、ヘンリー選手から小野選手に繋いで、大外で小野選手がトライ。
前半20分までに3トライ3ゴールを先取する非常に幸先の良いゲーム展開を見せます。
しかし、そこから暫くはWG昭島がシーウェイブス陣にアタックを続けます。ゴール前に迫られる場面が増えていきますが、ノックオン等を誘っていま一歩届かせず。シーウェイブスは、しっかりと一人ひとり倒していくディフェンスで、スコアに結びつかせません。
硬いディフェンスで守るシーウェイブスですが、前半28分。再三、ゴール前に迫ったWG昭島がついにトライ。7−21となります。
前半32分。シーウェイブスは、WG昭島陣22メートル付近に攻め込むと、WG昭島のオフサイドのペナルティからショット(ペナルティゴール)を選択。落選手がここをしっかり決めて、7−24とします。
このまま終わるかに思えた前半36分。WG昭島がセンターライン付近で展開、前節も存在感を見せていたWG昭島のホセア・サウマキ選手(WTB)が大外でボールを貰うと大きく前進しトライ。14-24となります。このトライで息を吹き返したWG昭島は、続くキックオフからもシーウェイブス陣に攻め込みます。シーウェイブスも応戦しますが、22メートル付近でオフサイドのペナルティを取られてしまいます。
このペナルティでWG昭島はラインアウトを狙ったタッチキックを蹴り出しますが、キックが伸びそのままインゴールのタッチとなり、ここでハーフタイム。
シーウェイブスはWG昭島の細かいミスに救われる形で前半を折り返します。
ロッカーでのチームトークでは、ディフェンスの出足や個々のフォローアップを中心に確認。皆、アタックがいい精度でできている自信を感じているからこそ、自分たちの修正するべきポイントを意識して認識を統一しました。
後半はWG昭島のキックオフで再開。
ハーフタイムのトークで確認した“ディフェンス”の精度がどうなるか試される後半がスタート。
立ち上がりはWG昭島が前半最後の勢いをそのままに積極的にアタックを仕掛け、シーウェイブス陣で攻める時間が続き、シーウェイブスは自陣でのディフェンスを余儀なくされます。
ディフェンスが多くなる分ペナルティも増え、徐々に後退させられる状況の中、後半8分。シーウェイブス陣22メートル付近でシーウェイブスはノットロールアウェイのペナルティを犯してしまいますが、WG昭島のタッチキックが前半ラストプレーと同様、インゴールのタッチまで伸びてしまい、相手のミスに助けられます。
しかし、後半10分。WG昭島にゴール前まで迫られ大外に展開されると、シーウェイブスは3人がかりで捕まえながらもWG昭島にトライを許し、19-24とされてしまいます。
後半21分。依然、勢いはWG昭島に傾く展開の中、自陣ゴール前5メートルライン付近でスクラムでの度重なる反則でシーウェイブスにシンビンが出され、シーウェイブスはこのペナルティから逆転のトライを取られてしまい、26-24とされます。
さらに続くキックオフからもWG昭島が攻め込み、シーウェイブスはたびたび、ディフェンスの連携が途切れ、大きく前進を許してしまいますが、粘ってWG昭島のミスを誘う場面もあり、「我慢」の時間が続きます。
展開が変わったのは、ゲームも終盤に差し掛かる後半29分。
WG昭島 サウマキ選手がセンターライン付近から大きく前進、単独でゴール前に迫るところを、阿部選手がタックルで止め、こぼれたボールをセタ・コロイタマナ選手(No8)が持ち出し、ヘンリー選手が前進。このカウンターアタックの中でWG昭島が犯したペナルティにシンビンが出され、WG昭島もシーウェイブス同様、1名少ない状況になります。
後半32分。シーウェイブスがWG昭島陣22メートル内に迫ったタイミングで、シーウェイブスのシンビンが解けて、数的優位な状況になります。シーウェイブスは短いパスを繋ぎながら少しずつ前進し、ゴール前に迫ると、落選手が大外にロングパス。がら空きのゴールにヘンリー選手がトライし、待望の追加点で再度逆転。26−29とします。
流れを完全に引き寄せたいシーウェイブスは、後半34分、続くキックオフから王野 尚希選手(HO)が確保したボールを、ヘンウッド選手、そして、今シーズンのアーリーエントリー選手の中でデビュー第1号となった高居 海靖選手(WTB)が前進してキープ、さらにコロイタマナ選手が、弾むようなステップを2度踏んで加速、大きく前進すると、ニーニー選手が自身の脇の下を通す、技ありのパスで走り込んだ南 篤志選手(SH)に繋ぎ、南選手が飛び出し、そのままゴールへ!
追加のトライで、26−36、10点差に差を広げます。
さらに、この一連のプレーの中で、WG昭島がハイタックルの反則を犯したため、もう1名シンビンが出され、我慢を重ねたシーウェイブスはここに来て大きく有利な展開を迎えます。
後半39分、試合は残り1分を残すのみ。
シーウェイブスは自陣10メートル付近からのマイボールラインアウトから、王野選手がディフェンスの隙を見て飛び出し、大きく前進、更にサポートで走り込んだヘンウッド選手がそのままボールを受けて走り切りゴールへ!追加トライを上げて26−41とし、ここでホーンが鳴って80分フルタイムを迎えました。
終わってみれば、連勝でしっかり勝ちきったシーウェイブス。
不戦勝を除いた2連勝は、2021年3月21日(日)のトップチャレンジリーグ、マツダブルーズーマーズ(現・スカイアクティブズ広島)、4月3日(土)の栗田工業ウォーターガッシュ(当時)以来ということで、リーグワンに参入して初の実戦での連勝を飾ることができ、今シーズンの熾烈なディビジョン2を揉まれてきたシーウェイブスとしての矜持を示すことができたゲームになったと思います。
しかし、前節4つと少なかったペナルティが今回は12と、WG昭島よりも4つも多く、自らの首を絞める展開に持ち込んでしまったのは、シーウェイブス自身の結果であることは、来シーズン、更に熾烈さを増すであろうディビジョン2のすう勢を占う時に、大きな宿題の一つになると思います。
思えば、今シーズンは、全編を通じて「我慢」という言葉がキーワードになりました。
特に、キーモーメントの時間、「モメンタム」を手繰り寄せられるかどうかという部分で、シーウェイブスはチャンスの場面で小さなミスで綻びを作り、モメンタムを取られてしまう、そういう試合が多かったと思います。
試合という大きな流れの中で、いかに自分たちに余裕を持ってスコアを取り切り、且つ、守りきれるか、そういうことが試されましたし、むしろシーズンが深まる中で、よりその重要性が際立ったと思います。
次のシーズンは、チーム数も増え、またよりタイトな試合が増えることが今から見込まれると思います。拮抗した展開の中で勝ち切るシーウェイブスになれるかどうか、次のシーズンに向けて、ここからの「過ごし方」も重要かもしれません。
チームとして、そしてクラブとして、どう次のシーズンに臨んでいくか、ここからは、このクラブに関わる全てのメンバーが、それぞれのポジションで考え、準備していく時間となります。また、新たなシーズンに集ったチームが動き出すとき、この試合や今シーズン積み残したたくさんの課題を糧に、しっかり飛躍できるシーズンにできるように願っています。
また、そういう姿をファン、サポーターの皆さんに改めて示すことで、皆さんにもっと期待して貰えるシーウェイブスになることを願っています。最後になりますが、今シーズンも本当に応援ありがとうございました。
ぜひ、次のシーズンも、シーウェイブスに大きなご声援を、そして更に大きな「釜石コール」をよろしくお願いいたします!
マッチレビュー
須田 康夫ヘッドコーチ
この2戦、非常にプレッシャーの掛かるゲームだったと思いますが、お互いしっかり出し切れていいゲームができたと思っております。ありがとうございます。
ゲームの内容としましては、今回釜石といたしましては、非常にいい入りができたかなと思っております。そこでしっかり勢いに乗れたのが勝因かなと思います。
途中、セットプレーのところでWG昭島さんのプレッシャーを感じるところも有りましたが、選手たちはきつい部分、しっかり我慢して最後に加点する終盤を迎えられ、一番我々の強い終盤までに我慢できたことが勝因でしたし、良かったかなと思います。
次のシーズンに向けて、ディビジョン2で戦っていくための課題について、まず昨シーズンに比べて、今シーズンは良くなった部分は多いと思います。特にスクラム、セットピースを修正して、闘えるゲームになったのは良かったですが、勝ちきれなかったのは重要な局面、キーモーメントでのエラーで勝ちを逃していることが多かったところです。
個々は集中して、いいプレーをしているんですが、チームとしていかにまとまれるか、というところが重要と感じます。テクニカルなところでは、敵陣深く入った時にしっかりスコアしてくるというところは重要と思います。
キャプテン 小野 航大 選手
本日はありがとうございました。
2試合、すごくタフなゲームでしたが、何とか我慢比べで最後勝ちきれたところかなと思います。ディビジョン2で闘い続けることに意味があると思いますし、チームとしては反省点もレベルアップしなければならない部分を感じた2つの試合では有りましたが、何とか来シーズンもディビジョン2で闘うというチケットを勝ち取ることができ、来年に向けた反省も諸々しっかりして、来シーズンに向けてしっかり休みたいと思います。
次のシーズンに向けてのディビジョン2で戦っていくための課題としては、まず、今シーズンは、ヘッドコーチからの話にも通じますが、昨シーズンまでよりも、身体を当てる部分やセットピースなどで対等に闘えているなとは感じていました。しかし、ゲームの運び方、ゲーム巧者ではなかったというところがシーズン通してあったと思うので、いかにゲームメイカーが前に出してあげられるか、という戦術の部分に課題があるのと、その全員の理解度のところをもう少し深められればもう少しタイトなゲームにできたかなというところは上位チームに対しても有ります。そういうところは来シーズンへの課題として取り組めば、エリアマネジメント等ももっと改善できると思います。
スポットライト
須田 康夫ヘッドコーチ
本日の試合を終えての率直な感想は?
最高の入りで、ゲームに入れたと思いますが、途中のスクラムのところで、プレッシャーを感じて、且つ、レフリングとの兼ね合いで自分たちの規律を乱して苦しんだところがありますが、そこをしっかりよく我慢して、最後、自分たちのフィットネスを使って得点を重ねられたところはシーウェイブスの良さだったと思います。中だるみのところは、修正するのか、強化するのか、という部分かなと思っています。
この試合に向けて、短い時間でしたがフォーカスしてチームに伝えてきたポイントを教えてください。
特にアタックであれば、シーウェイブスの攻撃は分かりやすかったので、しっかりオプションを使うということだったり、ワイドラックのところで修正した部分でそこは修正した部分でしたし、修正できたからこそ、攻撃のシステムに入れるところが有りました。
ディフェンスのところは、ラインスピードでやりきれないところが有りましたが、もう少し出られれば、中だるみがもう少し耐えれたかなと思います。そういう意味では、ディフェンスでは、相手のボールキャリアーに対してスローにさせる、アタックではボールの継続のところを意識するように伝えてきました。
今シーズン全体を通じて、いま感じている率直な気持ちを教えてください。
選手もよく分かっていると思いますが、重要局面でのエラー、キーモーメントのエラーが勝負を相手に渡してしまっているところで、修正点だと思います。しかも簡単なエラーだったりすると思うので、そこをしっかり実行できれば、いいゲームもたくさんあったと感じますので、個人個人の結果ではなく、チームの結果として、そこにフォーカスすべきと感じています。
失点が今シーズンのディビジョン2では一番多かったが、どういうところでのミスマッチがあるのか?
ディフェンスのところで、今シーズンの大きな気付きとして、もう少しボールキャリアーへのプレッシャーを掛ける必要性を徹底しないと、流れに乗られ続けると感じましたので、そこを徹底することかなと思います。また、ボールを失ったところでのターンオーバーも多いので、まずはボールを失わないように、どう働きかけるかも大切な部分かと思います。
キーモーメントを確保し続けるために、どういうところを大事にしていきたいか?
プレーの正確性は年間通して身にしみたと思うし、且つ、ディビジョン2というカテゴリで闘う上で、強いプレッシャーが来ることを理解して取り組みたいと思います。また、ポイントゾーン入った時に、スコアできる武器も必要と思いますので、そういう部分をもう少し大事に取り組めればと思います。