NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 D2 第5節/日野レッドドルフィンズ戦

試合 | NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 ディビジョン2 第5節 <VISITOR> |
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対戦相手 | 日野レッドドルフィンズ |
対戦日時 | 2025年2月1日(土) 13:00キックオフ(11:45開場) |
競技場 | AGFフィールド(東京都調布市) |
チケット | 日野レッドドルフィンズチケットサイト |
放送 | J SPORTSオンデマンド J SPORTS 2 22:00〜24:30 |
チームテント |
・メンバー表の配布 ・レプリカジャージ、チームタオルの販売 ・ファンクラブ会員証への来場スタンプの押印〜特典のお渡し ・ファンクラブのご案内 |
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パブリックビューイング | ビジターゲーム パブリックビューイングについて(シープラザ釜石) |
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46-35LOSE | ![]() |
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前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
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4 | 2 | T | 2 | 3 |
3 | 2 | G | 2 | 3 |
0 | 0 | PT | 0 | 0 |
1 | 1 | PG | 0 | 0 |
0 | 0 | DG | 0 | 0 |
29 | 17 | 小計 | 14 | 21 |
メンバー
- Starting
- 山田 裕介
- 伊藤 大輝
- 上田 聖
- 畠澤 諭
- ハミッシュ・ダルゼル
- ベンジャミン・ニーニー
- 河野 良太
- サム・ヘンウッド
- 村上 陽平[キャプテン]
- ミッチェル・ハント
- ヘンリー ジェイミー
- ヘルダス・ファンデルヴォルト
- 畠中 豪士
- 川上 剛右
- 落 和史
- Reserves
- 16西林 勇登
- 17青柳 魁
- 18野口 大貴
- 19タタナ ダラス
- 20石垣 航平
- 21南 篤志
- 22トンガ モセセ
- 23片岡 将
マッチレポート
2025年2月1日(土)、前節の接戦の興奮冷めやらぬ1週間で迎えた第5節は、目下ディビジョン2でシーウェイブスと下位で並ぶ日野レッドドルフィンズ(以下「日野RD」)との一戦です。
会場は、東京・調布市のAGFフィールド。昨シーズン終盤のD2/D3入替戦では、クリタウォーターガッシュ昭島とも闘ったグラウンドでの日野RDのホストゲーム。この日は「日野市民DAY」と題され、日野市民の招待などもあり、会場は1,346名の両チームのファン、サポーターが詰めかけました。
試合当日は快晴に恵まれ、気温は10度、風は風速1メートルと穏やかなコンディション。絶好のラグビー日和の中での試合となりました。
前節わずか1週前の惜敗から何としても早く2勝目を手に入れたいシーウェイブス。
対する日野RDは、ここまで4戦未勝利、暫定8位という成績でこの一戦を迎えており、シーウェイブス勝利の期待が高まる一戦になりました。シーウェイブスとしても、前節素晴らしいプレーを見せたスターティングメンバーを今回も固定し、必勝体制で臨みます。
13時、シーウェイブス、ミッチェル・ハント選手(SO)のキックでゲームがスタート。
開始早々のファーストスクラムで、シーウェイブスはコラプシングのペナルティを取られ自陣に後退させられてしまい、序盤から、防戦の展開が続きます。
そして前半3分、シーウェイブス陣中盤エリアで、ディフェンスの揃っていないところを抜かれてしまい、早々に日野RDに先制のトライを与えてしまいます。キックも決まって7-0でゲームが動き出しました。
直後の展開でもブレイクダウンでのペナルティを取られてしまうなど、シーウェイブスはゲームの入りからなかなか自分たちのリズムを作れない時間が続きます。また、日野RDの前に出るディフェンスでの強い圧力にも苦しんでなかなか得意な形のアタックに持ち込めず、苦しいゲームの入りとなりました。
そして、前半11分には、シーウェイブス陣22メートル付近でのスクラムを押し込まれ、再度コラプシングの反則を取られてしまうと、日野RDはショット(ペナルティゴール)を選択、これを決められ、10−0とされてしまいます。
続くキックオフからも日野RDの時間が続きます。シーウェイブスは、個々のタックルでボールキャリアーをしっかり止める場面もありますが、日野RDの攻撃ラインの勢いを止めるところまでは至らず、容易に前進を許す展開となってしまいます。前節のような鋭く前に出るディフェンスではなく、受けながら後退するようなディフェンスになっているように見受けられました。
そんな中前半15分、シーウェイブスはハーフウェイライン付近で日野RDのペナルティを獲得するとハント選手がタッチキックを蹴り出し、日野RD陣22メートル付近でのマイボールラインアウトを得ます。このラインアウトにおいて、日野RDに取られかけたボールがこぼれると、一連のプレーに素早く反応したハミッシュ・ダルゼル選手(LO)がしっかりとボールを獲得。ディフェンスに追いすがられながらも走り切ってこの試合初の得点となるトライを決めます。ハント選手のキックも決まって10−7と迫ります。
この流れに乗りたいシーウェイブスですが、ブレイクダウンでの攻防でターンオーバーされるなど今ひとつ自分たちのリズムを形成できず、前半21分には、シーウェイブス陣中盤エリアでのシーウェイブスのペナルティを起点に、日野RDボールのラインアウトからモールを押し込まれ、日野RDに追加トライを与えてしまいます。キックは外れますが、15−7と差を広げられます。
前半25分、再び日野RD陣22メートル付近でシーウェイブスがペナルティを獲得すると再びゴール前ラインアウトとなり、このラインアウトを何とか確保すると、フォワードの接近戦でゴール前に迫り、走り込んだハント選手がディフェンスを振り切ってトライ!キックも決まって、15−14と再び1点差に迫ります。
しかし、前半30分、再び日野RD陣内でのシーウェイブスボールのラインアウトでサインを読み切られてスティールされてしまいます。このスティールから続けて、日野RDがキックを蹴り出し、シーウェイブス陣22メートル付近で再びシーウェイブスボールでのラインアウトとなりますが、このラインアウトは、サインミスでうまくボールを投げ入れられず、投入したボールを日野RDの選手に獲得されてしまいます。そのままゴール前まで前進されると、サイドに走り込んだ日野RD オーガスティン・プル選手(CTB)がそのままトライ。キックも決まり、22-14と三度突き放されます。
この試合、ラインアウトが完全に分析されていると感じるほど、日野RDがたびたびスティールする場面が目立ち、それを起点に防戦に回るシーウェイブスの姿が印象的でした。
さらに前半36分、シーウェイブスはヘンリージェイミー選手(WTB)のハイタックルでシンビン(イエローカード)が出され1人を欠く状況となり、続くラインアウトからの展開で日野RDは追加のトライを獲得、キックも決められ、29−14と15点差まで広がってしまいます。
続くキックオフからも攻め込まれるシーウェイブス。
辛くも自陣深くでこぼれたボールを蹴り出し前半終了という展開で折り返します。
前半は圧倒的にペナルティを積み重ねてしまったシーウェイブス。日野RDの3に対して、シーウェイブスは8と規律の面で苦しんだ様子がスタッツからも散見されました。
日野RDのキックでリスタートした後半。
後半早々、シーウェイブスは日野RDボールのスクラムを押し込みターンオーバーするビッグプレーを見せますが、続くプレーの中でのペナルティで日野RDにボールを渡してしまい、流れを作るには至れません。
逆に、このペナルティから日野RDはラインアウトを選択し、ラインアウトから展開。そのまま前進してゴール前へ迫り、さらにシーウェイブスがオフサイドのアドバンテージを与えてしまう中で、日野RDはそのままトライを追加します。キックも決まって36−14。
シーウェイブスにとって苦しい場面は更に続き、後半6分、ハーフウェイラインからの日野RDボールのラインアウトから、シーウェイブスはディフェンスのミスマッチを突かれ、日野RDにトライライン右隅にダイビングトライでの追加トライを決められてしまいます。キックも決められ43−14。得点差は実に29点差まで点差が開いてしまいます。
しかしここで転機になったのは、後半9分の日野RDのオブストラクションのペナルティ。このペナルティを得たシーウェイブスは、ここまで苦しんでいるゴール前のラインアウトを再度選択し、このラインアウトをしっかりと獲得すると、モールを押し込み、持ち込んだ石垣航平選手(FL)が待望のトライ!ハント選手のキックも決まって、43−21とします。
更に続くキックオフから後半12分、シーウェイブス陣10メートル付近で、日野RDのペナルティを得たシーウェイブスは、再び日野RD陣中盤エリアでのラインアウトを選択。ここから、テンポよくボールを回しながら前進し、一気にスコアリングゾーンに迫ります。
すると後半14分、ヘルダス・ファンデルヴォルト選手(CTB)が飛び出し、ダルゼル選手にボールを繋ぎ、さらに石垣選手がパスを受けてタックルを受けながら前進し、そのまま振り切って追加のトライを挙げます。キックも決めて43−28に追いすがります。
いい流れを得られたシーウェイブスは、さらに追撃の一手を加えていきます。
後半18分、目まぐるしく交互にボールが行き交う中で、シーウェイブス陣22メートル付近でボールを受けたファンデルヴォルト選手がディフェンスラインを突破し大きく前進!さらに、パスが乱れたところをジェイミー選手がフォローし、続けてパスを受けた石垣選手、ベンジャミン・ニーニー選手が日野RD陣深くまで前進、ニーニー選手の内側にフォローに入った川上 剛右選手(WTB)がパスを受け、ディフェンスを振り払うとそのままトライ!
キックも入って35−43、最大29点だった点差を一気に8点差まで戻します!
スタンドからのファン、サポーターの釜石コールも絶好調!ここから波に乗りたいシーウェイブス!後半24分には、前半苦しんだスクラムとは一転して、日野RDのコラプシングでしっかりスクラムでも勝ち切るプレーも見せます。
しかし後半26分、日野RD 22メートル陣内でゴールに迫りたいシーウェイブスですが、残念ながらノットリリースザボールの反則を取られてしまい、ここから、日野RDはキックを効果的に使いながら、ハーフウェイラインから、シーウェイブス陣でのゲームコントロールを意識した攻撃に切り替えてきます。
シーウェイブスも攻撃の機会を見出そうとしますが、日野RDの攻撃の機会が続き、シーウェイブスはなかなかボールを得る機会も少なくなってしまいます。ボールを得た後のビルドアップでも、焦りからか小さなミスで日野RDにボールを渡してしまう場面が目立ちはじめ、ついに、後半も残り3分となった後半37分、シーウェイブスは自陣でノットリリースザボールのペナルティを取られてしまい、日野RDはここでショットを選択。日野RDは、このキックを決め、46-35に再び点差を離して必勝体制に入ります。
シーウェイブスはここで、この試合で公式戦初出場となった西林 勇登選手(HO)を投入。残り時間僅かとなったところを、日野RD陣でビルドアップしていきますが、痛恨のノットリリースザボールのペナルティを取られてしまい、攻撃もここまで。
敢え無く試合終了となってしまいました。
前節からの連闘が響いたか、前節のアタック・ディフェンスで冴えを見せた「鋭さ」が全体を通じて今ひとつ感じられない試合となってしまいました。しかし、後半の怒涛の追い上げは、シーウェイブスらしい攻撃のスタイルが確立できれば、しっかりとスコアに直結できることを証明しているでしょう。
また、ペナルティもこの試合では15まで積み上がってしまいました。
それだけ相手にチャンスを与えてしまったり、自分たちのチャンスを失ってしまった場面があったということで、自分たちのやりたいラグビーを形作ることができなかった要因の一つであろうと思います。
多くのファンの方が、これまでとは一味違う今シーズンのシーウェイブスの姿に、更に期待を持って頂いてくださっている様子も感じています。
だからこそ、結果でお返ししたい。
その意識はチーム一丸、選手・スタッフ全員が持っているので、ここから先のシーウェイブスに改めて期待して頂きたいと思いますし、必ずや残り2/3シーズン・9試合の中で、良化するチームの姿を皆さんにも改めて信じて待って頂ければと思っております。
次節は、愛知県刈谷市での、豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、「S愛知」)との一戦。
目下3勝1敗(2/2時点)・ディビジョン2では2位と好調の相手ではありますが、ここに勝ちきって、続く3月のホストゲームに上昇気流で臨めるよう、まずは次節までの残り2週の準備を1日1秒も無駄にせず頑張りたいと思います。
引き続き一層の応援の程、そして次節も刈谷でも盛大な「釜石コール」をぜひ、よろしくお願い致します。
マッチレビュー
須田 康夫ヘッドコーチ
本日の試合の総評をお願いします。
本日は大変多くの方にご来場頂き、ゲームとしてはとても盛り上がったのではないでしょうか。非常に楽しんで頂けたかと思いますが、シーウェイブスとしては、前半にセットプレーのところでうまく行かず、日野RDさんに優位な時間を多く作ってしまったかなということが最後まで(苦しい流れを)引っ張ってしまったと思っています。
これは相手どうこうということではなく、我々の方向性の問題なので、容易に修正できるものだとも思いますが、こういった真剣勝負の中でそういうことが出せなかったことは、我々の課題の一つと思います。
後半追い上げましたが、前半のラインアウトをはじめとしたセットプレーで苦しんだ部分、後半どう修正しましたか?
前半はパニックになっていたと思います。前節も100%成功だったり、相対的にもシーウェイブスはラインアウトの獲得率は比較的高いチームなので、前半のような状況をこれまであまり経験していませんでした。そういうことを踏まえて、後半は具体的に修正するプランを伝えましたが遂行できない状況だったので、相当、精神的にプレッシャーも掛けられていたのかなと感じました。
後半良くなった部分はどういうところが良くなったと思いますか?
特別なことはないと思います。自分たちのラグビーをやろうとした、実行したということだと思いますし、それをやっていなかったことが大きな問題であって、そこは選手たちに問いかけてみたいと思っています。
プランを実行できなかったことの原因はどこにあると思いますか?
ボールキープのところ、セットプレーのところで、今まで自分たちでやってきたことをやろうとするか、というところで難しい話ではないと思います。どの方向で、どの方法で、何をやるかというところで、やるべきことをやっていなかっただけだと思います。
前半の5節を終えて、成果と感じていること、課題と感じていることそれぞれ教えてください。
今年目指しているラグビー、取り組んでいるラグビーに対して、自分たちでしっかりコントロールできているので、それがこれまで対戦している上位の相手にも、しっかり通用しているのでそこは自信につながっている部分でもあると思います。一方で、課題としては「ムラ」があることです。自分たちがやるべきことをやらなくなる、プレッシャーに負けてしまうところが課題だと思います。
キャプテン 村上 陽平 選手
本日の試合の総評をお願いします。
立ち上がりから自分たちがやろうとしていることがうまくできなかったり、相手どうこうではなく、自分たちの内的なところ、やるべきことにフォーカスできていない、それが遂行できないことが、試合終盤まで尾を引いて、最終的にこのような結果になっていたと思います。
釜石はやられてから追い上げる、というのでは遅いと思うので、最初から自分たちのペースでゲームを作っていかなければならないということを今日は改めて感じました。
次に向けてポジティブな部分も有りましたが、如何にネガティブな部分をよりフラットな状態にしていけるか、ということがまたチームとして次の試合に向けていい準備していけるかどうかの重要な点であると思うので、リーダーとして、しっかりチームに声をかけて、そういうところをアプローチしていければと思っています。
ピッチの中でどの辺りにチームにプレッシャーが掛かっていたと感じていましたか?
ラインアウトのところはプレッシャー掛かっていたと思いますし、ディフェンスでは、一人目が低くタックルに入り、2人目がボールにプレッシャーを掛けるという部分が立ち上がりから遂行できてなかったことで、後手を踏んで余計なペナルティで首を絞める、という悪循環が起きたことで、メンタリティとしても苦しんだ原因だったと思います。
具体的に「ネガティブな部分」というところはどのようなところと思いますか。
うまく行かない時にチームとしてどのようにいい状態に近づけようとするか、というところを、モチベーションを一人ひとりが上げて、エナジーアップできるかというところで、メンタリティの部分だと思いますが、他人が上げてくれるのを待つのではなく、しっかり一人ひとりが上げていくんだ、という意識を持って行動することが大事だとチームにも話しました。