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NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 D2/D3 入替戦 第2戦/マツダスカイアクティブズ広島戦

試合情報投稿日:2025.5.12

試合 NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン2/ディビジョン3 入替戦 第2戦 <VISITOR>
対戦相手 マツダスカイアクティブズ広島
対戦日時 2025年5月31日(土) 12:00キックオフ
競技場 Balcom BMW Stadium(広島県広島市)
チケット TicketRUGBY / チケットぴあ
チームテント 応援ハリセンの配布
メンバー表の配布
レプリカジャージ、チームタオル、キーホルダーなどのオフィシャルグッズの販売
ファンクラブのご案内
岩手県PRパンフ配布
大船渡市山林火災支援の募金箱設置
放送 J SPORTSオンデマンド
J SPORTS 3 22:10〜24:40
アプリ観戦 SpoLive(テキスト速報)
ギフティング機能の「スーパー応援」をご利用いただいた方全員に、当日出場選手のSpoLiveコレクションカードをプレゼント!
パブリックビューイング ビジターゲーム パブリックビューイングについて(シープラザ釜石)
24-51WIN
前半 後半 前半 後半
3 1 T 3 3
1 1 G 3 3
0 0 PT 0 0
0 0 PG 2 1
0 0 DG 0 0
17 7 小計 27 24
リーグワン公式試合記録

メンバー

Starting
松山 青
西林 勇登
髙橋 璃久
タタナ ダラス
ハミッシュ・ダルゼル
ベンジャミン・ニーニー
河野 良太
サム・ヘンウッド
村上 陽平[キャプテン]
ミッチェル・ハント
畠中 豪士
トンガ モセセ
村田 オスカロイド
川上 剛右
阿部 竜二
Reserves
16伊藤 大輝
17山田 裕介
18野口 大貴
19畠澤 諭
20石垣 航平
21南 篤志
22落 和史
23キャメロン・ベイリー

マッチレポート

2025年5月31日(土)、前節のD2/D3入替戦第1戦から1週間。
いよいよ今シーズンの締め括りとなるD2/D3入替戦 第2戦を迎えました。対戦相手は、再びマツダスカイアクティブズ広島(以下、「SA広島」)です。リーグワン初年度以来3年ぶりの訪問となる広島はBALCOM BMW総合グラウンドにての開催となったこの試合。シーウェイブスは前節に引き続き今節も「自分たちのラグビーにフォーカスする」ことに意識を持って準備してきました。

この日は、風速4メートルながら前節と打って変わって気温25度の汗ばむ陽気の中での試合となりました。

12時00分、運命の入替戦第2戦は、ホストチーム・SA広島のキックでゲームがスタート。
前節に引き続き「フィジカリティ」で上回る闘いを見せたいシーウェイブスは立ち上がり、自陣でSA広島の攻撃に対してディフェンスする場面が続き、前半3分、シーウェイブス陣ゴール前でのSA広島ボールのラインアウトから、モールを押し込まれ先制のトライを奪われてしまい、5-0でゲームが動き出します。

先制トライを取られる嫌な立ち上がりでは有りましたが、直後、シーウェイブスにも得点の機会が訪れます。前半6分、SA広島陣22メートルライン付近でのシーウェイブスボールのスクラムを、SA広島が故意に崩したコラプシングの反則となり、シーウェイブス ミッチェル・ハント選手(SO)はショット(ペナルティゴール)を選択。これをきっちり決め、5−3と2点差まで詰め寄ります。

シーウェイブスはこのまま逆転を狙いたいところですが、前半9分、またも自陣中盤でのペナルティから、SA広島がタッチへ蹴り出しゴール前でのラインアウトを選択。
このラインアウトからのモールを押し込まれ、さらにラックサイドも立て続けにディフェンスが押し込まれて2つ目のトライを許してしまい、キックも決められ、12-3と9点差に離されてしまいます。

このまま嫌な流れになることが頭をよぎりそうな展開ですが、シーウェイブスは冷静にこの状況の中で立て直しの機会を伺います。そして、前半15分、SA広島のノットロールアウェイのペナルティで、シーウェイブスはタッチへ蹴り出し、ゴール前でのラインアウトを選択。ラインアウトから持ち出したボールを繋ぎ、前半16分、ゴール正面でパスを受けた松山 青(PR)がそのままねじ込んでこの日のチーム初のトライを獲得します!ハント選手のキックも決まり、点差は12−10へ再び迫ります。

続くキックオフからもシーウェイブスはベンジャミン・ニーニー選手(FL)、サム・ヘンウッド選手(No8)等フィジカリティに強みのある選手を当てながら丁寧に攻撃を組み立て、SA広島陣でプレーする時間を徐々に長くしていきます。そして前半23分、シーウェイブスらしい、象徴的なプレーが出ます。ここまで13フェーズ攻撃を重ねてきて、ほころびが出たSA広島のディフェンスのギャップを突いて、ハント選手からのパスに反応したニーニー選手が飛び出し、14フェーズ目でのトライを獲得!この日はじめて逆転に成功し12−15とし、続くハント選手のコンバージョンゴールも決まり12−17となります。

更に攻勢を続けるシーウェイブス。SA広島陣でボールを保持する時間が徐々に長くなっていきます。そして前半30分、SA広島陣10メートル付近でのSA広島のペナルティから、シーウェイブスは、再びハント選手がショットを選択。上空の強風が終始吹きやまない状況の中、やや長めのキックとなりますが、名手・ハント選手はここでもゴールをしっかり決め、12−20と点差をさらに広げます。

さらに前半34分には、シーウェイブス陣22メートルライン付近でのSA広島ボールのラインアウトからヘンウッド選手がボールを獲得すると、絶妙なキックで大きくSA広島陣ゴール前まで迫り、続けてヘンウッド選手がSA広島の選手の背後から激走してプレッシャーを掛け、逃げ場のないSA広島の選手はそのまま蹴り出し、一気にゴール前でのマイボールラインアウトを獲得するビッグプレーで魅せます。
このヘンウッド選手のビッグプレーに応えて、続けてのゴール前でのラインアウトから、シーウェイブスのフォワード陣がモールをしっかり押し込み、最後は河野 良太選手(FL)がトライ!ハント選手もキックを決めて、12−27とさらに差を広げます。

このまま終わるかに思われた前半38分。
引き続きディフェンスでも前に出て止める攻勢を続けているシーウェイブスでしたが、一瞬、ディフェンスの足が止まった瞬間を突かれ、SA広島 亀井 康平選手(WTB)がディフェンスラインを突破、追走するシーウェイブスの選手たちがスルスルと抜かれてしまい、内側にフォローに走り込んだSA広島 ジャクソン・ピュー選手(No8)に繋がれてトライを許してしまいます。キックは外れ17−27とされ、ここで前半が終了となりました。
前半の立ち上がりは、SA広島がやはり「フィジカリティ」を意識してか、試合の入りから猛攻を仕掛け、シーウェイブスはそれを受ける形からの試合の入りになりました。
しかし、徐々に自分たちの強みである、その「フィジカリティ」を発揮してSA広島の自由を奪う形でスコアを積み上げていった形となり、スタッツを比較しても前半のペナルティ数は、SA広島の9に対し、シーウェイブスは4にとどまり、規律も守りながら優位にゲームを進める形を取れている状況での折り返しとなりました。

相手にも十分、強みを知られていてもそこで勝負する「横綱相撲」な試合展開。
優位性を貫いていけるこの流れが後半も維持できるかどうか、期待が高まります。

シーウェイブス ハント選手のキックでリスタートとなった後半。
いよいよ今シーズン最後の40分がスタートしました。

後半の立ち上がりは、再びSA広島がシーウェイブス陣に迫り、またもやシーウェイブスはディフェンスする場面が目立つ展開からスタートします。しかし、やはりそのフィジカリティの差があるのか、シーウェイブスは自陣22メートルライン内のスコアリングエリアにはなかなか踏み込ませない、強い圧力でSA広島の攻撃をしっかり止める場面が続きました。

しかし後半11分、シーウェイブス陣中盤エリアでのSA広島ボールのスクラムで、シーウェイブスはコラプシングのペナルティを取られてしまい、ここで、SA広島にスコアリングエリアに前進を許してしまいます。

続くゴール前でのSA広島ボールのラインアウトから、ラックサイドを連続で押し込まれトライライン目前まで前進され、後半14分、SA広島ボールの5メートルスクラムからサイドを突かれ、ゴール真下へトライを取られてしまいます。後半も先取点はSA広島からとなりました。キックも決められ、24−27と3点差に詰められます。

後半になってから、SA広島もキックではなくボールを保持しながら攻撃する時間を長くするシーンが目立ち、シーウェイブスは後半20分を過ぎるまで、攻撃よりもディフェンスに時間を割く展開が続きました。

攻撃の機を伺いたいシーウェイブスに、展開が変わったのは後半27分。
SA広島のキックから、阿部竜二選手(WTB)がボールを受けて、ハント選手にパス。ハント選手がそのまま大きく前進した場面からでした。

ここから、シーウェイブスの“優位なフィジカリティ”を活かしたアタックに、徐々にSA広島はディフェンスラインが下がり、シーウェイブスはトライラインに近づいていきます。
そして、後半も残すところあと10分となった後半30分。

この試合がシーウェイブス公式戦通算50試合出場となったタタナ ダラス選手(LO)がパスしたボールをニーニー選手が鷲掴みしながら前進。さらに、その右サイドに走り込んだトンガ モセセ選手がニーニー選手からのパスを受けてそのままトライラインに飛び込みトライ!キックも決まり、ようやく後半の得点を挙げ、24−34と突き放します。

ここからシーウェイブスの流れが続きます。
更に、後半33分、ハント選手がSA広島のディフェンスラインのギャップを見逃さず、自ら加速してディフェンスラインを突破し、サポートに入った村田 オスカロイド選手(CTB)に繋いでそのままトライ!キックも決まりスコアは24−41と大きく突き放します。

続くキックオフからも、シーウェイブスはディフェンスで前に出る場面が目立ち、後半36分、野口 大貴選手(PR)のタックルにフォローした石垣 航平選手(No8)がそのまま相手からボールを引き剥がしてターンオーバーし更に前進。その背後からフォローした南 篤志選手(SH)が石垣選手からボールを受け、そのまま激走しゴール真下へトライ!ハント選手のキック、この日8度の全てのキックを決め、24-48とします。

試合は最終盤、残り2分となった後半38分。
これがシーウェイブスでのラストゲームとなるキャメロン・ベイリー選手(FB)がこれまでも幾多の場面で見せてくれたように、一気にディフェンスラインを抜け出すと、そのサイドに走り込んだ南選手が再びパスを受けてゴール前へ!惜しくもこのあとのパスが繋がらずノックフォワードとなり、ゴール前でのSA広島ボールのスクラムに変わります。

しかし、このスクラムでSA広島はコラプシングのペナルティ。
試合終了を告げるホーンが鳴る中、ラストプレーは、ハント選手がショットを選択。
ハント選手がボールを置きますが、キックを蹴ったのは、この試合がラグビーキャリアの最期となるハミッシュ・ダルゼル選手(LO)!しっかりとキックを決め、自身の有終の美を飾るとともに、24−51で試合が終了となりました。

シーウェイブスにとっても、これで5シーズン連続となる、ディビジョン2の残留を再び堅持し、今シーズン最終戦を閉めることができました。

最終的にスコアは差がつき大勝、という結果とはなりましたが、後半のスタッツを見ると、ペナルティが一気に増加して、SA広島の16に対して13とシーウェイブスは後半、SA広島の攻撃を受ける中で、ペナルティで苦しむ場面が多かったことが分かります。とは言え、それが全て致命的な場面とはならず、その後に挽回する機会があったことで、結果的に失点には繋がらなかった、ということで、ディビジョン2のレギュラーシーズンでは、これが失点に直結していたため、引き続き大きな課題になりうると思います。
ディフェンスやセットプレーでのペナルティを減らすための”ディシプリン”の意識付けは、この試合でも、キャプテン・村上 陽平選手(SH)が、終始大きな声でチームに意識させていました。しかし、その徹底は引き続き次シーズンの新たなチームにも引き継がれる課題になりそうです。ぜひ改善し、新たなシーズンではそこから一歩踏み出すチームの姿を期待したいと思います。

そしてこれを以て、2024-25シーズンの日本製鉄釜石シーウェイブスはシーズン全ての活動を終えますが、同時に、ここまで2020年のFWコーチ就任以降、また2021年のリーグワン参入以降はヘッドコーチとしてチームの戦略・戦術、性格づくりにとどまらず、チーム全体の文化、意識改革等、多岐にこのクラブのカルチャー創りに携わってきた須田康夫ヘッドコーチもこの試合を最後にチームを去ります。

試合後、選手たちは、真っ先に須田ヘッドコーチを胴上げしその労をねぎらい、続けて、退団するダルゼル選手、ベイリー選手、そしてバックアップでサポートメンバーに入っていた中村 良真選手(SO)の胴上げもして、仲間たちの花道を祝いました。
シーウェイブスの「ファミリー」は、きっとこれからもどこかで繋がっている、そんなことを感じさせる場面でしたし、そういう気風は、ヘッドコーチが変わる来年以降のシーウェイブスにもぜひ引き継がれて欲しいと感じる、そういう一幕でもありました。

リーグワンがスタートして、全てのディビジョンの入れ替わりがなかったことで、2シーズン連続で同一カードになる来シーズン。つまり、このオフの過ごし方が今シーズンよりも更に重要になり、体制の変更や戦力の変化も含めて、よりコミュニケーションの良いチームが有利なシーズンになってゆくのだろうと思います。シーウェイブスも例外ではなく、体制が変わる中で、如何にここまでのスタンダードを土台として、この上に積み上げていけるか、その真価が問われるシーズンになります。

ぜひ、そういう中で、課題は多いもののこれまでのシーズンに比して、しっかりと闘えてきた今シーズンのシーウェイブスを一層磨き、来シーズンは、ファンの皆さんにもっと喜んで頂けるチームになるように、一日一日を大切に、来たる2025−26シーズンに向けて、ここからまた準備をしていきたいと思います。

最後になりますが、ファン・サポーターの皆様、このマッチレポートも、今シーズンもご愛読頂きまして本当にありがとうございました。読みづらい部分も多々あったかと思いますが、試合の臨場感をお届けしたい、そのような思いのもと、この数シーズンでは最長となった全16試合のマッチレポートを書いてまいりました。表現も含めて、乱筆乱文をお許し頂ければ幸いです。

来シーズンもぜひ、多くの方に楽しんで頂けることを願っております。
ぜひ、2025−26シーズンの日本製鉄釜石シーウェイブスにご期待ください!
それではまた、次のシーズンに!

マッチレビュー

須田 康夫ヘッドコーチ

本日の試合の総評をお願いします。
今日のゲームを広島の本当に素晴らしいスタジアムでできたことを非常に光栄に思いますし、関係者の皆さまには本当に感謝したいと思っています。

その中で、結果から言いますとディビジョン2残留を決めたのはシーウェイブスでしたが、この結果に満足していますし、内容としても、少しエラーはありましたが、基本的には圧力を掛け続けられたシーウェイブスらしいゲームだったと感じています。

選手たちは本当に1年間ハードワークしてくれて、学んだことをしっかり出せたゲームだったと思っています。

今日の一番の勝因はどういうところだと思いましたか。
自分たちのラグビーをしていたところだと思います。
そこでしっかりと我慢し切れたところが勝因だと思います。

特にフィジカルの強化という部分にこだわって取り組んできたと思うんですが、入替戦2試合を通して1年間やってきたことが出せたんじゃないかと思うんですが、そのあたりはどう思いますか。
非常によく出せていたと思います。
もちろんSA広島さんも非常にフィジカルにプレーしていましたし、最後の最後にスコアを我々が取れたというのは、ボディーブローのように(フィジカルバトルが)効いた証拠かなと思っています。

これまで続けて取り組んできたこのベースは、今後、ディビジョン1を目指していくこのチームの中で、絶対に逃げちゃいけない部分だと思うので、そういうところを今シーズンで少し自信にできたことは来シーズン以降に繋がる部分ではないかと思います。

須田HCはこの試合で退任されるということでラストゲームとなりますが、シーウェイブスの後輩たちにどんなことを託したいですか。
さっき村上キャプテンから有った通り、中だるみというか、メンタル、精神的な部分でのブレがあると思います。プレーを見たりとか、スイッチを切ったりとか、そういうところがまだ今日のゲームでも見えたので、そういうところをしっかりとなくしていかないといけないと思います。そういうところが原因で負けるゲームが多かったので、今後選手の中で、必ず改善しないといけない部分だと思っています。そこはしっかり修正していってほしいと思います。

キャプテン 村上 陽平 選手

本日の試合の総評をお願いします。
立ち上がりのところ、気合いを入れて入ったつもりでしたが、どうしてもディフェンスエラーやディシプリン(規律)のところで乱れが生じてしまい、相手に先手を許してしまいました。シーズンを通して、どうしてもルーズになってしまう課題を解消し切れなかったところは本当に深く反省しています。

ただ、そのあと、しっかり粘り強いディフェンスでプレッシャー掛け続けて、自分たちの時間を作れたところは本当に良かったです。しっかりスコアをし切れたところも、本当にシーズンに比べて成長した部分だなと強く感じました。

後半も自陣で戦う時間が多かったですが、そこでしっかり我慢しきれたからこそ、最後は相手の足が止まってあのような展開を作れたと思うので、本当に一人ひとりが我慢し続けた、ハードワークし続けた結果が最終的なスコアに繋がったかなと思います。

今日、後半に相手にトライを取られて流れ的にも苦しい戦いになってその後粘り強く闘えていたと思いますが、どんな声掛けをしていましたか。
余計な不用意なプレーやペナルティをしなければ絶対に守り切れると言い続けて、もう1回ディフェンスからプレッシャーを掛けて、自分たちの流れを作ろうというところを言い続けました。そこがプレーに表れて、ああいう結果につながったと思います。

気は早いですが、来シーズンに向けて改善していきたい課題や改善したいポイントはどこでしょうか。
数多く課題の残るシーズンだったと思います。何よりも80分の中で、中だるみしてしまう時間があったところは課題かと思います。自分たちで勝手にルーズになってしまう時間が生じてしまうところがあると思うので、やっぱりそこを改善しないとチームとしてもっと上に上がれないと思います。

そこは練習でしか解消できない部分だと思うので、リーダーとして常に言い続けなければいけないですし、自分がしっかり行動で示さなければいけないところだと思うので、来シーズンに向けて、もう1回よく考えてやっていきたいと思います。

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