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NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 D2 第7節/レッドハリケーンズ大阪戦

試合情報投稿日:2025.2.8

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試合 NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 ディビジョン2 第7節 <HOST>
試合名 東日本大震災復興祈念試合
対戦相手 レッドハリケーンズ大阪
対戦日時 2025年3月8日(土) 13:05キックオフ / 11:00開場(ファンクラブ会員10:45開場)
競技場 釜石鵜住居復興スタジアム(岩手県釜石市)
ジャージ 赤(1stジャージ)
チケット この試合は全ての観客の皆様に無料でご観戦いただける試合ですが、入場にはチケットが必要です。詳しくは チケット情報 をご確認ください
放送 J SPORTSオンデマンド
J SPORTS 1 12:50〜15:30
IBC岩手放送 13:00〜15:05
チームテント メンバー表、選手紹介ミニブックリーフレットの配布
チームグッズの販売
ファンクラブ会員証への来場スタンプの押印〜特典のお渡し
ファンクラブのご案内
アプリ観戦 SpoLive(テキスト速報)
ギフティング機能の「スーパー応援」をご利用いただいた方全員に、当日出場選手のSpoLiveコレクションカードをプレゼント!
35-24WIN
前半 後半 前半 後半
2 3 T 2 2
2 3 G 1 1
0 0 PT 0 0
0 0 PG 0 0
0 0 DG 0 0
14 21 小計 12 12
リーグワン公式試合記録

メンバー

Starting
山田 裕介
伊藤 大輝
野口 大貴
タタナ ダラス
ハミッシュ・ダルゼル
ベンジャミン・ニーニー
河野 良太
サム・ヘンウッド
村上 陽平[キャプテン]
ミッチェル・ハント
阿部 竜二
ヘルダス・ファンデルヴォルト
村田 オスカロイド
川上 剛右
ヘンリー ジェイミー
Reserves
16西林 勇登
17青柳 魁
18上田 聖
19畠澤 諭
20ミューラー・ウェイス
21南 篤志
22落 和史
23石垣 航平

マッチレポート

※2月26日(水)に大船渡市で発生した山林火災により、お亡くなりになられた方に謹んでお悔やみを申しあげますとともに、被害に遭われた方、避難をされている全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。3月10日(月)に「鎮圧」宣言が発出されましたが、今なお、今般の火災により大変な思いをされておられる全ての方々に、一日も早く、平穏な暮らしが戻ることを、心より祈念いたします。

2025年3月8日(土)。
前節から3週間を空けていよいよ、ホストゲーム・釜石鵜住居復興スタジアムでの「東日本大震災復興祈念試合」を迎えました。シーズン前半折り返しとなる第7節は、目下ディビジョン2 で僅か1敗、暫定2位をキープしてきたレッドハリケーンズ大阪(以下、「RH大阪」)との一戦です。

シーウェイブスとしては、このクラブは何のために釜石でラグビーをするのか、選手ひとりひとりは何のために釜石でラグビーをしているのか、この問いのベクトルを自分自身に向けてこの3週間準備してきました。そして、試合当日、この試合を満員のスタンドで埋めようと様々なホストゲームの趣向を凝らし準備してきた結果、4,426名というシーウェイブスとしては史上最多のホストゲーム観客数を更新、多くのファン、サポーターの皆様にスタジアムにお越しいただくことができました。

試合当日の天候は昨年のこの時期とは打って変わって快晴に恵まれ、気温は5度、風は風速3メートルと北国特有の肌寒い風は吹くものの、絶好のラグビー日和の中での試合となりました。

3月11日で震災から14年を迎える釜石。試合前には両チームがピッチ上で黙祷を捧げました。13時05分、シーウェイブス、ミッチェル・ハント選手(SO)のキックでゲームがスタート。

立ち上がり早々のシーウェイブスは、スクラムとラインアウトが思うようにいかず、ここまでの2節で苦しんできたセットプレーで今回も苦しんでしまうのか?と不安がよぎるスタートとなってしまいます。
しかし、ボールを保持してからは、徐々に自分たちのペースで攻撃をビルドアップしてテンポ良くボールを動かしますが、決定機には至りません。対するRH大阪も、自分たちのミスでボールを手放す場面が見られ、双方とも決定機を見出だせない場面が続きました。
そんな中で、前半8分、ハーフウェイライン付近でRH大阪がボールを回して展開すると、ディフェンスが足りない状況に焦りを感じたか、ベンジャミン・ニーニー選手(FL)が不用意に相手のパスに手を出してしまい、デリバレイト・ノックフォワード(ボールを意図的に叩き落とすなどして、故意のノックフォワードによって相手のプレーの継続を妨害すること)の反則を犯してしまいます。この反則で、ニーニー選手はシンビン(イエローカード)となり、シーウェイブスは10分間、1人少ない14人でプレーすることになります。
この機にRH大阪は着実にゴール前に進出すると、前半9分、先制となるトライを決めます。ゴールも決まって0-7とゲームが動き出します。

苦しい展開が続いて先制トライを許したシーウェイブスですが、続くキックオフ直後に反撃の狼煙を上げます。ハーフウェイライン付近でパスを受けたバイスキャプテン サム・ヘンウッド選手(No8)が、RH大阪のディフェンスラインを突き破って飛び出すと、カバーにきたRH大阪のディフェンスも振り切ってトライを奪います!さらにハント選手が難しい角度からのキックをしっかり決め、7−7の同点へ。先制されながらもすぐに追いつく展開に会場の熱気は大きく高まりました。

しかし、ここからシーウェイブスに更に大きな試練がのしかかります。
前半16分。RH大阪にゴール前に迫られる中でヘンリージェイミー選手(WTB)がハイタックルのペナルティを犯すと、シンビン(イエローカード)が提示され、10分間の退出となります。シーウェイブスは、2人少ない13人で守らなければならず、絶対的な数的不利の状況でのプレーを余儀なくされます。
そして、前半18分。左にボールを展開するRH大阪は、大外まで繋いだパスを内にフォローした選手に返して左隅に追加点のトライ。キックは決まらなかったものの7-12とされます。

このトライ後にニーニー選手が戻りますが、依然1人少ない状況が続くシーウェイブス。ただ、会場の声援を背にこの日のシーウェイブスは、不利な状況にも怯まず果敢に攻めます。すると前半21分、RH大阪もハイタックルの反則を犯してシンビンが提示されます。その結果、双方14人対14人となってシーウェイブスの数的不利な状況が解消されます。そして、このペナルティを機にシーウェイブスはRH大阪陣ゴール前へ猛攻を仕掛けます。その展開から、前半24分、左大外に立った阿部 竜二選手(WTB)までパスを繋ぐと、阿部選手が左隅に同点のダイビングトライ!ハント選手がまたも難しい角度のキックを続けて決め、14−12と逆転に成功します。

シーウェイブスは、続くキックオフからの展開でRH大阪にゴール前に迫られますが、全員が低いタックルを徹底し、RH大阪にスコアを許しません。逆に、ディフェンスからシーウェイブスが陣を戻していく場面が続きます。前半も残り数分となった頃には、前に出るディフェンスに加えて、セットプレーも安定するようになり、シーウェイブスは、自分たちの得意な形を体現するシーンが増えていきました。
そして、前半38分にシーウェイブスが相手ボールスクラムをしっかりと押し込むと、RH大阪のラインを崩し、更にミスを誘発。RH大阪も再度攻めますが、中盤エリアを崩せずここで前半終了となりました。

前半のスタッツでは概ね両者に差がつきませんでしたが、ハンドリングエラーは、シーウェイブスの1に対してRH大阪が7と大きな差がつきました。それだけシーウェイブスのディフェンスがしっかり効いたという証です。13人で闘っても守りきったシーウェイブスの集中力、後半の持続に期待したいところです。

RH大阪のキックオフで再開した後半。
シーウェイブスは前半最後に見せた相手のアタックを自由にさせないディフェンスを後半開始早々から体現し、RH大阪からボールをターンオーバーします。そして、後半1分、キャプテン 村上 陽平選手(SH)がボックスキック(高くピンポイントに向けて上げるパントキック)を蹴り上げると、無人のフィールドで跳ね上がったボールがシーウェイブス側に跳ね返り、そこに走り込んだ今シーズン初出場の村田オスカロイド選手(CTB)がこれをキャッチ。さらにRH大阪がパスカットして乱れたボールをフォローに走り込んだ阿部選手がキャッチしてそのままトライ!
ハント選手のキックも決まり、後半開始早々、21−12と得点差を広げます。

ここからシーウェイブスは、試合の主導権を握るべく一気呵成に攻めかかります。
後半4分、シーウェイブス陣10メートル付近でRH大阪のボールキャリアーを止めると、ラック周辺でのフィジカルバトルの中でRH大阪のペナルティを得ます。そして、RH大阪陣22メートルライン付近でのラインアウトからの展開でパスを丁寧に繋ぐと、村田選手がRH大阪のディフェンスラインを突破。外にフォローした阿部選手へのパスが繋がり、阿部選手はこの日ハットトリックとなる3トライ目を挙げます!
ハント選手のキックも決まり、スコアは28−12。RH大阪を大きく引き離しにかかります。

さらに、後半8分、ハーフウェイライン付近からパスを繋いで攻撃を組み立てようとするRH大阪に、阿部選手が今度は強烈なタックルを見舞ってシーウェイブスがターンオーバーする展開に繋げます。この一連の攻防の結果RH大阪陣10メートル付近でボールを得たシーウェイブスは、バイスキャプテン ヘルダス・ファンデルヴォルト選手(CTB)がRH大阪のディフェンスラインを突破すると、フォローに走っていた村田選手にパスを繋げ、さらに村田選手がタックルを受けながらフォローに走っていたキャプテン・村上選手にオフロードパスを繋げてトライ!
ハント選手はこの日100%成功させているゴールをここでも決めて35−12と点差を23点差にまで広げ、シーウェイブスが後半の出だしを完全に支配します。

しかし、後半10分過ぎから、中盤エリアで両チームの攻防が繰り返されるようになります。シーウェイブスは、ラインアウトをRH大阪にスティールされてしまうなどセットプレーの不安定さが見え隠れしますが、ブレイクダウンでは変わらずターンオーバーを繰り返し、プレッシャーを掛け続けてRH大阪のミスを誘います。
後半20分を過ぎてからは、RH大阪が徐々にシーウェイブス陣に攻め込む時間が増えていきますが、シーウェイブスは、ゴール前に迫られても粘りのディフェンスで簡単に得点を許しません。しかし、後半29分にシーウェイブス陣5メートルライン付近でのRH大阪ボールのラインアウトモールを押し留めたものの、パスを展開するRH大阪に前進を許し、トライを奪われます。キックも決まって35−19と点差を縮められます。

後半残すところ10分、ここで、シーウェイブスは2月中旬に加入したミューラー・ウェイス選手(No8)がヘンウッド選手と交替しシーウェイブスデビューを飾ります。
試合終盤となってシーウェイブスは逃げ切りを図りますが、RH大阪も攻勢を強め、後半36分に追加のトライを奪われます。しかし、コンバージョンキックがポールに阻まれ失敗。試合時間が残すところ4分となったところでスコアが35−24と11点差となります。
そこからもRH大阪がアタックを継続しますが、シーウェイブスも集中してディフェンスを継続すると、後半39分、途中出場の上田聖選手(PR)がハーフウェイライン付近でRH大阪のボールをスティール!ここで試合終了を告げるホーンが鳴り、ハント選手がボールを蹴りだして、シーウェイブスは4試合ぶりに勝利を飾りました。

試合を通してシーウェイブスは、比較的長い時間RH大阪にアタックを許しますが、集中力を切らさずディフェンスを継続してRH大阪のアタックを食い止めました。特に、この試合のハンドリングエラーは、シーウェイブスの2に対してRH大阪は8と、ディフェンスで圧力を掛け続けて相手のアタックを自由に継続させませんでした。また、この試合でのペナルティは、シーウェイブスが10、RH大阪が11と、今シーズン、ペナルティの少ないことに定評のあったRH大阪よりもペナルティを少なくできたことで、「規律」を守ったプレーができたことも大きかったでしょう。

このようなシーウェイブスが今シーズンやりたかったラグビーを80分通して体現できたのは、4,426名とシーウェイブスのホストゲーム史上最多の観客の皆さんからの「釜石コール」の力でもあったと思います。チャンスの場面でもピンチの場面でもスタンドから沸き起こる「釜石コール」に選手たちは鼓舞されました。

釜石に集まった多くのファン・サポーターの皆様と共に勝利できた、大切な復興祈念試合になりました。この大切な試合で得た皆様からの力を、次節、盛岡での日野レッドドルフィンズ(以下「日野RD」)戦でも継続し、更なる勝利を積み上げられるよう、ここからも引き続き頑張ってまいります。
次節のホストゲームでも、万雷の「釜石コール」を皆様に頂けるようなゲームになるよう、選手・スタッフ一同頑張ってまいります。引き続き熱い応援よろしくお願い致します。

マッチレビュー

須田 康夫ヘッドコーチ

本日の試合の総評をお願いします。
本日は東日本大震災復興祈念試合として執り行われましたが、シーウェイブスとしてはここでしっかり巻き返しを図りたいと思っておりましたし、復興祈念試合ということでしっかり勝利したいというところを意識して挑みました。
その結果、我慢することも多かったと思いますが、選手たちが勝ちたい気持ちを全面に出して、しっかり最後まで走りきって勝利を勝ち取ってくれた、そこに尽きると感じています。

ラインアウトがかなり改善されたと思いますが、この試合に向けてどういうところで準備したのでしょうか?
オプションを増やしたところ、考え方を変えたところもありますし、ラインアウトのテンポを上げるところも非常によくできていたと思います。
あとは、考えすぎず、シンプルにオプションを選ぼう、ということを加えただけです。少しエラーも有ったところで、プレッシャー感じたところもあったと思いますが、しっかり改善できたのではないかと思います。

今節は「立ち上がる」というテーマを強調されていたと思いますが、ここに関してどう振り返られますか?
素晴らしかったと思います。立ち上がる姿を見せるというところで、プレーとして、すぐに起き上がって次のプレーに参加するところだったり、姿勢の部分を見せられたと思うので、復興祈念試合に相応しい態度だったのではないかと思います。

キャプテン 村上 陽平 選手

本日の試合の総評をお願いします。
東日本大震災復興祈念試合ということで、試合前からチームのみんなには特別な試合だということを意識してやろうと声を掛けてきましたし、それが結果に結びついたことに一安心です。試合の総括としては、イエローカード2枚が出たり、厳しい時間すごく多かったと思いますが、攻守交代激しい中でも、一人ひとり諦めずにカバーに走ったり、ディフェンスし続けられたりというところで、勝利の大きな要因だったと思っています。

ただ、改善すべきポイントもたくさんあると思うので、まだ3月の4連戦の初戦であるので、しっかり切り替えて、シーズン後半戦にはずみを付けられるように、来週に向けていい準備をしていければと思います。

ラインアウトは、試合の中でも修正できた部分などはあったんでしょうか?
試合の中で修正したというか、今日は比較的準備してきたもので上手くいっていたと思います。そういう意味では、オンタイムで直したというよりも、用意してきたもので勝負できたということだと思いますし、ただ、そういう中でも、上手くいかなかったときの打開策もあることは、メンバーとも共有して声掛けていました。

13人の時間帯を乗り越えたことも大きかったと思いますが、あの場面でどんな言葉をかけましたか。
我慢するしか無いと思いましたので、基本的にチームとしては前に出てプレッシャーかけるというシステムを大事にしていますが、13人だとギャップが大きくなるので、チーム内でのコネクトを大事に、コミュニケーション取りながら、前に出すぎずにしっかりスペースを埋めていくことを、我慢を意識させながら声掛けていました。

最多の4,426人の方が詰めかけた試合になりましたが、ファンの方々のご声援はどのように受け止めておられましたか。
今日の勝利というのは、メンバー一人ひとりのハードワークもあると思いますが、その一因として、ファンの皆さんの釜石コールが力になったと思いましたし、それが勝利につながったと思っています。本当に有り難かったです。

後半スタートして立て続けに3トライを取りましたが、どういうところでああいう展開になったと思いますか。
ラッキーパンチだったところもあったと思いますが、後半入る前に全員がいつもフワッと入って受けになってやられるケースが多かったので、開始10分からしっかりモメンタムを作って、勢いを上げて、アタック・ディフェンス共に圧力を掛けていく、ということが徹底できたことが3トライ連続で取れたところにつながったと思います。

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